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EUは、アメリカのトランプ政権がことし3月、鉄鋼製品などに高い関税を課す輸入制限措置を発動したことを受けて、ヨーロッパに流入する鉄鋼製品を対象にした緊急の輸入制限措置、いわゆる「セーフガード」の発動を検討してきました。


EUで通商政策を担当するマルムストローム委員は26日、このセーフガードについて来月中旬にも暫定的に発動する可能性があることを明らかにしました。


アメリカへの対抗措置としてEUは、報復関税の適用やWTO世界貿易機関に訴えを起こすための手続きも始めています。


ただ、セーフガードは、アメリカ市場から締め出された鉄鋼製品がEU域内に急激に流入するのを防ぐための措置で、アメリカだけでなく日本の鉄鋼製品にも影響が及ぶ可能性があります。


この措置の内容が、関税をかけるものか、数量を制限するものかについてマルムストローム委員は「まだ議論の最中だ」と述べ、検討を進める考えを示しました。


また、トランプ政権がEUの輸入車に高い関税を課すことを検討していることについて、「まだ起きていないことに対する措置はとらない」として、トランプ政権側の出方を見極める考えを示しました。


アメリカとEUの貿易をめぐっては、EUが、先週、アメリカによる鉄鋼関税に対する報復措置を発動したことを受けてアメリカの二輪車メーカー、ハーレーダビッドソンが高い関税を避けるため、ヨーロッパ向けのバイクの生産を国外に移すと発表するなど影響が広がっています。


これについてトランプ大統領は26日、ツイッターに「ハーレーにとって終わりの始まりになる」と投稿して、改めて国外での生産を強く批判しました。そのうえで「EUからの輸入車に対する関税の調査をまもなく終える。最終的には公正になる。それほど長くはかからない」と投稿し、EUの輸入車に高い関税を課すかどうか近く判断する考えを示唆しました。


ただ、トランプ政権の保護主義的な政策に対して与党共和党のライアン下院議長は「知的財産権の侵害などを防ぐため、関税を引き上げるよりよい方法があると思う」と述べて、慎重な対応を求めました。


このように、ことし秋の議会の中間選挙を前に共和党の間でも、貿易摩擦の広がりによる経済や雇用への悪影響に懸念が強まっています。