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文部科学省科学技術・学術政策局長だった佐野太容疑者(58)は官房長だった去年5月、私立大学の支援事業の選定で東京医科大学に便宜を図る見返りに、この大学を受験した息子を不正に合格させたとして、受託収賄の疑いで東京地検特捜部に逮捕されました。


関係者によりますと、佐野前局長は去年5月10日に東京医科大学の臼井正彦前理事長(77)らと会食し、前理事長から支援事業の申請書類を示されたうえで「昨年度は落選したがどうすればいいのか」などと助言を求められたということです。


そして佐野前局長はその場で申請書類の書き方などを助言し、「東京医科大学医大を受験する息子がいちばん行きたい大学なのでよろしくお願いします」などと伝えていたということです。


特捜部はこうしたやり取りを記録した音声データを入手しているということで、佐野前局長が大学側に便宜を図った見返りに臼井前理事長らの指示で息子の入試の点数をかさ上げし不正に合格させたとみて、実態解明を進めています。


関係者によりますと、これまでの調べに対し佐野前局長は「一般的なアドバイスはしたが当時は官房長で支援事業の選定に職務権限はなかった。『息子をよろしく』とは伝えたが不正に合格させてくれとまでは依頼していない」などと供述し容疑を否認しているということです。