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トルコのエルドアン政権は、おととし7月のクーデター未遂のあと、非常事態宣言を出して取締りの権限を強め、3か月の期限を迎えるたびに繰り返し延長してきました。


国連の人権高等弁務官事務所は、ことし3月、非常事態宣言が恣意(しい)的に使われ、16万人が逮捕され、公務員15万人余りが免職されたと批判するなど、人権侵害につながっているとの懸念が出ていました。


こうした中、エルドアン政権は非常事態宣言の延長を行わず、18日で解除されました。


一方でエルドアン政権は今週、テロ対策を目的とした新たな法案を議会に提出し、危険と見なした公務員を免職する権限を政府に与えているほか、デモや集会の権利の制限などを盛り込んでいます。


野党や人権団体などからは非常事態宣言の中身は実質的に今後も維持され、トルコの人権状況は改善しないのではないかと懸念の声が上がっています。


エルドアン大統領は、クーデター未遂のあと憲法の改正を主導し、大統領に権限を集中させる新たな制度の下、今月2期目をスタートさせていて、今後も批判勢力への強硬な姿勢を取り続ける構えです。