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カンボジアの最大野党・救国党のケム・ソカ党首は去年9月、国家反逆の疑いで逮捕され、1年余りにわたって拘束されてきました。


国営メディアによりますと、カンボジアの裁判所は9日、ケム・ソカ氏の保釈を認める決定をしたということで、首都プノンペン市内の自宅の前には大勢のメディアや救国党の関係者が集まっていますが、今のところ本人は姿を見せていません。


みずからも救国党の幹部でケム・ソカ氏の娘のケム・モノビチア氏は、NHKの取材に対し「父親はきょう未明に自宅に戻ったが、血糖値が高く肩にも持病があり、治療が必要だ」と述べ、父親の体調に懸念を示しました。


カンボジアでは去年、ケム・ソカ氏が逮捕されたあと救国党自体も解党に追い込まれ、ことし7月に行われた総選挙では、最大野党が不在のまま与党がすべての議席を独占する結果となりました。


フン・セン政権としては、ケム・ソカ氏を保釈することで、強権化しているという欧米各国からの批判をかわす狙いがあると見られますが、保釈にはさまざまな制約があるということで、今後ケム・ソカ氏が再び自由な政治活動を認められるのか予断を許さない情勢です。


プノンペンに住む70代の女性は「保釈されたと聞いて、ケム・ソカ氏を一目見たくて駆けつけました。真夜中に突然、自宅に来て逮捕し、拘束を続けるなんてひどいです」と話していました。


また、地方から来たという50代の男性は「保釈されたのはうれしいですが、ケム・ソカ氏に対する不当な扱いを思うと心が痛みます。7月の選挙には多くの政党が参加しましたが、救国党を参加させずに行った選挙には、何の意味もありません」とフン・セン政権の対応を批判していました。