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 磯田さんいわく、今の時代は「狩りから農耕、農耕から工業から始まるのと同じほどの変化の入り口にいる」。日本が工業化を本格的に経験してからでも100年ほど、つまり世代にして5世代ぐらいしか経験していない。もっと言えば、多くの人が農業社会から飛び出たのは1960年代からであり、3世代しか経験していない、と。

 その状況でAI時代が到来した。労働環境が変わり、車の自動運転は実用化されつつある。分からないことはスマートフォンに話しかければ、ほとんどのことは教えてくれる。「ホモサピエンス(現生人類)が初めて直面する事態」で、だからこそ「今の子供の教育はこれまでと同じようにしていたら、たぶんダメなんですよね」という。磯田さんが続けた。

 「今の教育は基本的に国民として標準的にこれぐらい知っていれば食っていけるというものを教え、物覚えのよい人間は受験戦争という有利な競争に勝ち、いい学校を出ると終身雇用で稼ぎのいい職に就く。これは強くなる国とか豊かになる国の時代の制度です」

 そして時代は変わった。

 「このままだとまずいですね。タイムカードを押して会社に所属して終身雇用されるような壊れかけの制度のままの人間を作ることをやっていたら、大変なことになる」

 「当たり前だ」と思うかもしれないが、昔の役所の公式記録から殿様、武士、農民も含め何十万人分の古文書を見てきた人から出てきた言葉には重みがある。

 しかし、何が楽しいかは人それぞれなので、AIが考えることは難しい。では、AI時代の人間の強みは何か。

 「どういう目標を立てるのか、何が楽しいのかということを決める大事さがあります。それを思いつく子供を育てなきゃ無理なんですよね」

 暗い話のようだが、磯田さんは決して悲観的ではない。具体的な新しい教育のあり方も提示した。キーワードは「プロジェクト型」で、ご自身の子供に「毎日、今日は何について調べたいと自分で目標を立てさせ、実践させている」という。

 磯田さんも子供のころから同じことをやってきた。黒曜石の原石を採取して矢じりを作り、ハレー彗星の写真を撮るため望遠鏡を手作りした。1次資料にあたり、自ら考えてモノを作ったり調べたりすることでさまざまな知識を体得できる。大人になっても続けており、磯田さんの博覧強記ぶりの裏には、こうした積み重ねがあった。

 磯田さんは「余談」として、自著『無私の日本人』(文春文庫)にも触れた。その中の一編「穀田屋十三郎」は映画『殿、利息でござる!』の原作で、仙台藩の貧困の村を将来にわたって守るため私財を投入して殿様に金貸しを断行した江戸時代の人たちの記録だ。なぜこれを書いたのか。

 「人に与える方の人間というのが価値を持つという世の中も来るかもしれないと思ったからです」
 さらに、こう述べた。

 「地位やお金で自分の価値を確認しようとし始めるんですよ、ときどき人間は。できる人ほど、それをやろうとする。仕事をしていることそのものが楽しいというのが本来の状態なんですけど、お金や地位で自分の承認欲求を確認するようになると危ういですね」

 こうした問題意識を現代の政治家はどこまで持っているだろうか。磯田さんは次のようにも語った。

 「政治家が本を読まないですね。昔はそんなことはない。書もよく書いた。政治を見るために漢詩をものすごく読んでいましたね」

https://d1021.hatenadiary.jp/entry/2019/01/12/200030(自分もドキッとした。)
https://d1021.hatenadiary.jp/entry/2019/01/10/200522早稲田大学文化構想学部 - Wikipedia
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https://d1021.hatenadiary.jp/entry/20180808/1533726739(「それにしても印象的だったのは、出発の際の愛子さまのご表情です」)
https://d1021.hatenadiary.jp/entry/20180722/1532256343宮内庁によりますと、愛子さまはサマースクールでの新しい体験を楽しみにしていて、訪問先について事前に勉強するなど準備を進められてきたということです。)
https://d1021.hatenadiary.jp/entry/20180721/1532169940(授業は毎朝8時半から始まり、イギリス文化や英会話の授業、午後に訪ねる観光地のことなどを学びます。一日の終わりにはジャーナル(日記)の作成があり、イートニアンの指導のもと、夜までかかって仕上げているようです。)