https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

EUは、日本時間の11日午前1時からベルギーの首都ブリュッセル臨時の首脳会議を開き、今月12日に期日が迫ったイギリスの離脱について延期を認めるかどうか協議しています。

会議を前にイギリスのメイ首相は「秩序だった離脱のためには延期が必要だ」と述べて理解を求めました。

そして会議では、各国首脳に対し6月末まで離脱を延期するよう正式に要請したうえで、延期期間内に円滑な離脱をどのように実現するのか、見通しを説明したとみられます。

これを受けて現在、イギリスを除く27か国の首脳が延期の是非について協議しています。

アイルランドなど複数の首脳は離脱の延期について合意できるという見通しを示していて、会議では条件付きで延期を認めるとみられています。

ただ、延期の期間や条件をめぐって意見は割れています。

EUのトゥスク大統領が提案した最大で1年延期する案について、多くの首脳が理解を示す一方、フランスのマクロン大統領などは懐疑的で、協議は長引いています。

イギリスの離脱の期日が今週12日に迫る中、EUは10日、ベルギーの首都ブリュッセルで臨時の首脳会議を開き、イギリスのメイ首相が求めた6月末までの離脱の延期を認めるかどうか協議しました。

延期の期間について、EUのトゥスク大統領が示した最長で1年とする案を多くの首脳が支持したのに対し、フランスのマクロン大統領は短期の延期を強く主張し、協議は難航しました。

およそ5時間にわたる協議の結果、各国は離脱の期日を10月31日まで延期することで合意しました。

また、これより前にイギリス議会が離脱の条件を定めた協定案を承認した場合には、期日を前倒しするとしています。

会議後の記者会見でトゥスク大統領は「延期期間は十分なものだ。この時間をむだにしないでほしい」と述べ、イギリス側に事態を打開するよう求めました。

一方、メイ首相は「議会の行き詰まりは容易には解消できないが、われわれは離脱を実現しなければならない」と述べ、離脱をめぐって紛糾する議会で打開策を見いだす決意を強調しました。

ただ、メイ首相の要請よりも大幅に長い延期となるだけに、イギリスの離脱強硬派の議員が反発を強めるのは必至で、先行きは不透明な情勢です。

イギリスのメイ首相はEU首脳会議のあとの記者会見で、「私が離脱の延期を求めたことに多くの人は非常に大きな不満を抱いているだろう。議会の承認をいまだ得られていないことを大変遺憾に思う」と述べて、みずからの力不足を認めました。

そのうえで、「今回の合意でイギリスは厳しい選択と明確な期日を突きつけられた。議会の行き詰まりは容易には解消できないが、国民投票で示された民意にこたえるためにも私たち議員は離脱を実現して国を前進させなければならない」と強調し、10月末の期日を待たず、できるだけ速やかにEUからの離脱を実現する必要があると強調しました。

フランスのマクロン大統領は会議の後「加盟国の多くが非常に長い延期を支持した。私からみればそれは論理的ではなく、EUにとってもイギリスにとってもよくない」と述べ、延期の期間が長くなれば離脱以外にEUが協議すべき課題に影響が出かねないとして長期の延期に反対していた理由を明らかにしました。

しかし10月まではEUの主要な会議が比較的少なく、さまざまな課題に取り組むうえで妨げにはならないなどとして、最終的に10月までの延期を容認したことを明らかにしました。

そのうえで、「時間はかかったが、27か国は合意に達した」と述べ、EUとしての結束は保たれていると強調しました。

イギリスの経済界からは、先行きが不透明な状況は変わらないとして将来への懸念を早急に払拭(ふっしょく)するよう求める声が出ています。

イギリス最大の経済団体、イギリス産業連盟は「経済の危機は当面、回避されたことになるが、混乱は秋まで続くだろう。企業が合意なき離脱に向けた備えを解くことはできない。すべての政治のリーダーが協力してこの危機の解決に取り組むべきだ」とコメントしています。

中小企業が多く加盟するイギリス商工会議所は「危機はひとまず去ったが、政治の舞台で同じことが繰り返されることに企業の不満は高まっている。議会は早急に将来への道筋を示すべきだ。同じようなことがまた10月に起こるなら、イギリスでのビジネスや投資環境は甚大な打撃を受けることになる」とする声明を発表しました。

離脱強硬派の中心であるリースモグ議員は公共放送BBCのインタビューで「延期は国民投票で決めた離脱の実現につながっていない。本来ならイギリスはすでにEUを離脱していたはずで、メイ首相はEUを離脱する使命が国民から託されていることを思い出すべきだ」と述べて、離脱の実現を急ぐようくぎを刺しました。

また、去年7月にメイ首相の方針に反対して辞任したデービス元EU離脱担当相はBBCのラジオで「進展があったとはとうてい考えられない。メイ首相に対する圧力はより厳しいものになるだろう」と述べて、議会での支持を得るのは難しいという考えを示しました。

一方、市民からは合意なき離脱がひとまず回避されたことに安心したものの、先行きが見えないことへの不安の声が聞かれました。

残留を支持しているという女性は「まだ同じような状況が続いているだけなので、遅かれ早かれ、決断を下さなければならない。うまく解決され、先の見通しが見えてくればいい」と不安そうな様子でした。

また、男性の市民は「どうするか考える時間ができたことはよかったが、不透明な状況が続くだけなので、それはイギリスにとってもEUにとっても、ビジネスをする人にとってもよくないことだ」と話していました。

d1021.hatenadiary.jp