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ロシア疑惑の捜査報告書をめぐってアメリカ司法省は、先月、別の事件の捜査に関わる部分などを黒塗りにして公表しましたが、野党・民主党は、トランプ大統領に不利な情報が含まれている可能性があるとして、全文の公表を求めています。

これについて民主党が多数を占める議会下院の司法委員会は、バー司法長官が報告書の全文公表に応じなかったとして8日、バー長官を議会侮辱罪にあたるとする決議案を審議しました。

6時間余りにわたった審議では、与党・共和党の議員から反対意見が出されたものの、採決の結果、決議案は賛成多数で可決されました。決議案は近く下院本会議で審議される見通しです。

一方、ホワイトハウスのサンダース報道官は、審議に先立って声明を発表し、「あからさまな職権の乱用だ」と議会側を非難したうえで、大統領特権を主張して、全文の公表を拒否する考えを示しました。

ロシア疑惑をめぐってすでに潔白が証明されたと主張するトランプ大統領は、民主党が求める元側近の議会証言も拒否するとしており、大統領と民主党との攻防が激しさを増しています。

アメリカの複数のメディアは8日、与党・共和党が多数派を占める議会上院の情報委員会が、トランプ大統領の長男、ジュニア氏に対し、議会での証言を求める召喚状を出したと伝えました。

トランプ大統領の家族に議会から召喚状が出されたことが明らかになったのは初めてで、2016年の大統領選挙の期間中に、ジュニア氏がロシア政府に近いロシア人弁護士と面会していたことや、トランプ大統領の会社が当時手がけていたモスクワでの不動産事業について、証言を求められる見通しだということです。

アメリカのメディアは、共和党が主導する上院の委員会から召喚状が出されたことは、ロシア疑惑への対応をめぐり、早期の幕引きを図りたいとする大統領と、一部議員の間での足並みの乱れを示唆するものだと伝えています。