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 歌舞伎の立女形坂東玉三郎さんは近年、自ら演じるばかりでなく、後進に芸を伝え、舞台を映像に残す仕事にも精力的に取り組んでいる。「そういうことを殊更に言わないようにしています。大仰でしょ」という玉三郎さんにあえて、いま胸に去来する思いを聞いた。

 人と人とのつながりが薄れ、社会も芸術も個人の感性や身体感覚を重んじなくなった昨今の風潮を「居心地が悪い」と言い表す。