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それは長期金利と期間が短い金利の水準が逆転する珍しい現象です。市場関係者の間では「逆イールド」とも呼ばれています。長期金利というのは、金融機関が長い期間、お金を貸し出すときに適用される金利のことで、代表的な指標とされているのが10年ものの国債の利回りです。この長期金利が、期間が短い金利より低くなってしまったというのが今回起きたことなんです。

これがなぜ珍しいのか、例をあげて考えてみます。お金を貸す立場からみて、2年後に返してもらう約束と10年後に返してもらう約束、どちらがリスクが高いと思いますか?

それは期間が長い10年のほうですよね。将来何があるか分からないですし、返済が滞るリスクも高くなりますね。

ですから通常は期間が長いほど、リスク分を上乗せして金利が高くなります。住宅ローンも同じ仕組みです。

しかし、国債を取り引きしているアメリカの債券市場では、14日、このセオリーに反する異例のことが起きました。早朝の取り引きで期間10年の金利(満期までの期間が10年の国債利回り)が1.626%まで下がり、1.629%をつけていた期間2年の金利(満期までの期間が2年の国債利回り)を一時的に下回ったんです。

これはリーマンショックの前の年の2007年6月以来、12年ぶりのことで、「逆イールド」は、このあとも断続的に起きたほか翌15日のアジアの債券市場でも発生しました。

投資家の間でこの先の景気が厳しくなるという見方が広がったからだと言われています。それがなぜ長期金利の低下につながったのか。長期金利がどういう要因で動くのかを考えるとわかりやすいと思います。

長期金利は、企業が金融機関から借りる長期資金の需給によって決まるとされていますがこの先、景気が悪くなるという見方が広がると、長期的な資金の需要は減り、金利は下がると市場関係者は考えるようになります。

「米中貿易摩擦の長期化への懸念に加えて中国やドイツの経済指標が相次いで悪化したことで、この先、景気が後退局面に入るのではないかという不安が一気に高まった。景気の先行きが不透明になると安全な資産とされる国債が買われやすくなるが国債の価格が将来上がるとみて今のうちに国債を買っておこうという動きが加速した。中でも10年ものの国債に買い注文が殺到して利回りが低下し、一時的に長期金利が短期の金利を下回るという事態になった」。

これがどうして景気後退の前触れと言われるのですか?

アメリカでは金利の逆転現象が起きると、数年後には景気が後退局面に入るという『経験則』があると言われているからなんです。

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