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メキシコとの国境沿いの壁の建設をめぐっては、アメリカ国防総省が36億ドル、日本円にして3800億円余りの国防予算を転用することを決めていて、4日、壁の建設費に充てる予算の内訳を発表しました。

この中で在日アメリカ軍の5つの基地からも4億ドル余り、日本円にしておよそ430億円を転用することを明らかにしました。

具体的には、東京の横田基地から、輸送機の格納庫や機体の整備施設の建設費など合わせておよそ126億円、沖縄の嘉手納基地から、特殊部隊用の航空機の格納庫の建設費など合わせておよそ94億円、山口県岩国基地から、給油施設の建設費など合わせておよそ68億円などとなっています。

トランプ大統領は、来年の大統領選挙での再選を目指し、最大の公約に掲げる壁の建設を推し進める考えですが、野党・民主党は「みずからの政治課題を前進させるために軍を利用している」と批判を強めており、両者の対立は激しさを増しています。

アメリカ西部カリフォルニア州サンフランシスコ市議会は、銃を持つ権利を訴える団体、NRA=全米ライフル協会を「国内テロ組織」とする決議を今月3日、全会一致で可決しました。

決議に法的拘束力はないものの、NRAについて「銃の持ち主を暴力的な行為に扇動した」などとしたうえで、サンフランシスコ市当局に対し、NRAと取り引きのある企業との関係を見直すよう求めています。

この決議について、NRAはホームページ上で声明を発表し、アメリカの憲法によって保護された自由に対する攻撃だ」と反発しています。

カリフォルニア州では7月、地元で行われた祭りで6歳の子どもを含む3人が死亡、10人以上がけがをする銃撃事件が発生したほか、南部・テキサス州では先月、商業施設で22人が死亡する銃撃事件が起きるなどしていて、アメリカ国内で銃の規制を求める声が高まっています。

一方、NRAはトランプ大統領の所属する共和党の有力な支持基盤でもあり、来年の大統領選挙に向けて銃規制をめぐる議論がさらに活発化することも予想されます。

来年のアメリカ大統領選挙に向け、民主党の有力候補10人が4日、CNNテレビが企画した環境政策をテーマにした番組に出演し、1人ずつ登壇して市民の質問に応えました。

このうち世論調査でトップを走るバイデン前副大統領は、トランプ大統領地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」から離脱を表明したことについて「ほかの国のやる気をなくさせ、大きな間違いだ」と述べ、温暖化対策でアメリカがリーダーシップを発揮するべきだと訴えました。

また、大規模な環境政策を訴えるサンダース上院議員も「トランプ大統領は気候変動をでっち上げだと言うが、科学が証明している」と批判しました。

これに対しトランプ大統領は番組の放送中に「世界で最も空気と水がきれいなのはアメリカだ」とか「民主党の案では光熱費が高くなる」などとツイッターに次々に投稿して反論しました。

世論調査によりますと、アメリカ大統領選挙環境政策を重視する人は民主党の支持者の8割を超える一方、共和党の支持者では3割を下回っており、大統領選挙に向け環境問題をめぐる論戦はさらに熱を帯びそうです。