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東京電力によりますと、千葉県内では14日午前0時の時点で依然としておよそ16万3800戸で停電が続いています。

東京電力は13日夜、記者会見し、各地域の復旧の見通しを3段階で示しました。

このうち、鴨川市南房総市館山市鋸南町では、おおむねの復旧は今月27日までかかるという見込みを明らかにしました。

これらの地域は、広範囲にわたって設備に甚大な被害が出ていて、工事が完了するまでに時間がかかるということで、東京電力は13日の午後3時時点で、およそ5万戸が対象だとしていします。

続いて、君津市、富津市など18の市町村では、おおむねの復旧は今月20日までかかるという見込みを明らかにしました。およそ7万戸が対象です。

そして、千葉市緑区若葉区など、市原市袖ケ浦市佐倉市成田市など、15の市と町では、今月16日までのおおむねの復旧を見込んでいるということです。およそ7万戸が対象です。

一部の山間地などではさらに遅れる地域もあるとしています。

地域によっては停電が20日間に及ぶことになり、東京電力パワーグリッドの金子禎則社長は記者会見で「東京電力はお客様に電力を送り続けること、万が一事故が起きても、1秒でも早く電力を届け直すことが使命だ。20日に及ぶ停電が続くお客様が存在する可能性があり、送配電事業の責任者として、誠に申し訳なく考えている」と陳謝しました。

復旧が大幅に遅れる理由として担当者は、これまでに経験したことのない規模で電柱が倒れているなどとして「かなり過小な想定をしてしまった」と述べました。

東京電力は、ほかの電力会社からの応援も含めて、最大で1万6000人体制で復旧作業にあたるとしています。

今回の台風15号では、各家庭に電気を送る配電線や電柱などの設備が広い範囲で損傷したことが明らかになっていて、経済産業省は千葉県を中心に被害を受けた電柱の数はおよそ2000本にのぼると推計しています。

これは去年9月に関西地方を直撃した台風21号で被害を受けた電柱の数、およそ1300本を大きく上回ります。

東京電力によりますと、これまでの平均的な規模の台風では倒木などによって電柱の配電線が被害を受けた場合、数か所の損傷にとどまることが多かったのに対し、今回は損傷の程度が大きく電柱の交換といった大がかりな修復が必要になっているということです。

また、特に山間部では現場にたどりつくまでに倒木を伐採したり、電線に絡まった枝を取り除いたりする必要があるところもあり、作業が大幅に遅れています。

東京電力はこれだけの広範囲で電柱が倒れたのは異例だと説明していて、想定を超える設備の被害が長引く停電の要因だとしています。

台風15号による停電の長期化が見込まれることから、経済産業省東京電力と連携して、千葉県に派遣する電源車の数をおよそ20台増やして、340台余りとします。

上下水道や避難所、介護施設などに優先的に電力を供給するということです。

また、自家発電を行っている病院などに燃料を供給して地域の電源確保に努めるとしています。

地域によってはコンビニが営業していないところもあることから、おにぎりやカップラーメンなど食料も配布します。

また、電気が使えない住宅や避難所での寒さに備えるため、暖房設備や毛布も用意して、被災者の生活を支援することにしています。

千葉県の森田健作知事はコメントを発表し「予想をはるかに超える停電期間が提示され、極めて遺憾だ。被災している県民はすでに限界を迎えており、健康状態などが非常に心配だ。県としても、公営住宅の用意など、さらにステージを上げて支援に取り組んでいく」としています。

NHKは、13日の時点で停電が続くなど被害や影響の大きい千葉県の33の市町村に、被害の状況などについて聞き取りを行いました。

住宅など建物の被害については、千葉市を除くすべての市町村が、全容を把握できないという趣旨の回答をしたほか、千葉市も、これまでに確認した被害からさらに増える可能性があるとしました。

停電については、長期化を懸念する声が多く聞かれた一方で、特に影響が深刻な地区を尋ねてもわからないとする自治体がほとんどで、停電が広範囲に及ぶなかで、自治体が実態の把握に苦慮していることが伺えます。

不足している物資については、半数を超える17の市町村が壊れた住宅を覆うブルーシートをあげたほか、館山市袖ケ浦市、富津市、横芝光町がレトルトなどの食料品と回答しました。

被害の全容がわからないためボランティアの受け入れ態勢が整わないと回答した自治体も目立ち、被災した人たちの生活再建は、先行きの見通せない状態が続いています。