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日産自動車カルロス・ゴーン元会長の報酬開示の問題をめぐって、アメリカの証券取引委員会はゴーン元会長が100万ドル(1億円余り)の制裁金を支払うことで和解したと発表しました。ただ、うその財務情報を開示したという証券取引委員会の指摘に対して、ゴーン元会長は態度を明らかにしなかったとしています。

アメリカの証券取引委員会は23日、声明を発表し、
▽日産のゴーン元会長が100万ドル、
▽グレッグ・ケリー元取締役が10万ドル、
▽日産が1500万ドルの制裁金を支払うことで和解したと明らかにしました。

制裁金を科す理由について証券取引委員会は、2009年から2018年11月まで、ケリー元取締役らの支援を受けて、ゴーン元会長に支払われる報酬や退職金の合わせて1億4000万ドル余りを報告をせず、投資家や市場にうその財務情報を開示したためだと指摘しています。

ただ、証券取引委員会の指摘に対し、ゴーン元会長らは肯定も否定もしないまま和解したということです。

ゴーン元会長は日本で同様の罪に問われていることに対してこれまでのところ一貫して無罪を訴えていますが、アメリカの当局との間では制裁金の支払いによる早期の和解を選択した形です。

ケリー元代表取締役の弁護を担当している喜田村洋一弁護士は「この事件は日本で起訴された刑事事件とは異なるもので、証券取引委員会が指摘した事実について同意も否認もしていません。日本での起訴は極めて差別的かつ不公正なもので、引き続き断固として否認を続けます」とコメントしています

アメリカの証券取引委員会は、ゴーン元会長が退職後に支払われる予定だった報酬や退職金合わせて1億4000万ドル余りを報告せず、うその財務情報を開示したと指摘し、23日、ゴーン元会長が日本円で1億円余りの制裁金を支払うことで委員会と和解したことが明らかになりました。

これについて元会長の弁護を担当する弘中惇一郎弁護士らが24日、都内で会見を開き、アメリカの証券取引委員会と訴訟で争うと大変な時間とお金がかかる。元会長自身は日本の刑事裁判に集中したいという思いが強く、和解の提案に同意し、調査を終結させる道を選んだ」と述べました。

そのうえで、「ゴーン元会長は法令違反を認めたわけではなく、和解しても日本の刑事裁判で争い続けることは認められている。公正な審理が行われれば無罪が言い渡されることを確信している」と述べ、日本の裁判ではこれまでどおり無罪を主張する考えを示しました。

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