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太平洋戦争の混乱で、フィリピンに取り残されたいわゆる「残留日本人」たちが28日から日本を訪れ、政府に日本国籍の取得を早期に認めるよう、陳情を行うことになりました。

これは「残留日本人」を支援する日本のNPOが27日、マニラ市内で記者会見を行い、明らかにしたものです。

太平洋戦争前、およそ3万人もの日本人が移り住んだフィリピンでは多くの子どもたちが取り残され、いまも1000人余りが日本の国籍もフィリピンの国籍も持たない「無国籍」の状態になっています。

中国残留孤児の場合は日本が国策として移住を推進したことから戦後、さまざまな支援が行われてきましたが、フィリピンでは親が経済的な理由で自発的に移住したとして公的な支援は行われていません。

今回、日本を訪れる残留日本人の男女4人は日本の国会議員などにおよそ4万人分の署名を提出し「無国籍」の状態を解消するため中国残留孤児と同等の支援や一刻も早い日本国籍の取得を認めるよう求めることにしています。

残留日本人は4年前にも日本を訪れ、陳情を行いましたが状況が変わらず、ことし、平均年齢が80歳に達したことから再び働きかけを行うことにしたということです。

来日する1人、岩尾ホセフィナさん(82)は「日本人として認められたいが自分だけではどうすることもできない。日本政府に助けてほしい」と話していました。