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 北陸新幹線の沿線府県でつくる建設促進同盟会関西広域連合などは14日、与党幹部や国土交通省に早期の全線開通を要望した。詳細ルートが未定の敦賀―新大阪間で始まった環境影響評価(アセスメント)を巡り、京都府の舟本浩副知事は丁寧な実施を求めた。

 要望先は自民党整備新幹線等鉄道調査会長を務める稲田朋美幹事長代行や公明党井上義久副代表、国交省の佐々木紀政務官ら。舟本副知事はルートによっては国定公園文化財、地下水に影響を与える可能性があることから「アセスメントを丁寧にやっていただくとともに、住民とのコミュニケーションを図ってもらえれば」と強調した。
 また、広域連合の仁坂吉伸副連合長(和歌山県知事)は、滋賀県西部を通るJR湖西線について、JR西日本から経営分離される並行在来線に位置づけないよう繰り返し訴えた。
 沿線府県は建設中の金沢―敦賀は予定通り2023年春までに開業し、続けて府内を通る敦賀―新大阪間を切れ目なく着工するよう求めている。同盟会長の石井隆一富山県知事は「この1、2年の運動で政府与党にも当然のことと認識してもらえている」と要望に手応えを感じていた。

 福井県が2018年8月に示した収支予測では、開業時(2023年度)は収入32.9億円に対して費用は41.1億円で8.2億円の赤字、開業10年後の2033年度には赤字は15億円まで拡大する見込みである。その上、福井県は新幹線開業でかえって利便性が低下しかねないという問題まで抱えているのだ。

 大阪・京都と北陸を結ぶ特急「サンダーバード」と、名古屋・米原と北陸を結ぶ特急「しらさぎ」の利用者をあわせると、JR北陸本線は首都圏の在来線特急にも匹敵する日本有数の「特急街道」として知られている。福井駅敦賀方面の時刻表(平日)を見てみれば、71本中42本が特急列車なのだから、その存在感の大きさは言うまでもない。

 現在、大阪~金沢の所要時間はサンダーバードで約2時間40分。一方、東京~金沢の所要時間は北陸新幹線「かがやき」で2時間40分弱であり、金沢は時間距離で大阪と東京の中間に位置している。対大阪は在来線特急、対東京は新幹線で役割を分担している形だが、新幹線が金沢以西に延伸することで、大阪~北陸間の輸送のバランスが崩れてしまうのだ。

 北陸新幹線開業でサンダーバードの金沢~富山間の運転が廃止された際も、大阪~富山間は所要時間がほとんど変わらないのに、乗り換えが必要になったことに不満の声が上がった。同様に大阪~福井間、特に在来線特急は停車するが新幹線は通過する鯖江、武生などの利用者からすると、北陸新幹線敦賀延伸によって乗り換えが増え、運賃は上がり、所要時間は延びる事態まで想定されている。

 こうした問題は検討時から予測されていたため、延伸時には線路の幅が異なる在来線と新幹線の両方に対応できるフリーゲージトレイン(FGT)を導入して、大阪~北陸の直通運転を継続することが前提とされていた。しかしこのもくろみはFGT開発が難航したことで頓挫し、昨年8月、ついに正式に中止が決定した。

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京阪神 - 北陸間の流動は用務客や観光客などが多く、2009年度の1日下り片道平均乗車数は7,951人(「日本海」を含む)で、バブル崩壊後の1995年度から観光利用を中心に減少傾向にあるが、JR西日本の特急列車としては2番目に利用が多い。

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