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アメリカと中国は貿易交渉が第1段階の合意に達したと発表し、具体的には、中国による、
知的財産権の保護、
▽技術移転の強制の見直し、
アメリカ産の農産品を大量に購入することが盛り込まれているとしています。

また、中国の輸入品に対して上乗せしていた関税を引き下げるかどうかをめぐってアメリカ政府は、2500億ドル分は25%の関税を維持する一方、1200億ドル分は15%の関税を半分の7.5%に引き下げるとしています。

トランプ政権が去年3月に中国に対する関税措置を発動して以来、引き下げに応じるのは初めてで、これまでの強硬な姿勢をやや緩和させたことになります。また、発動が15日に迫っていたスマートフォンなどへの追加の関税措置については見送るとしています。

トランプ大統領は13日、記者団に「中国の市場開放につながる今までで最大の取り引きだ。中国が購入する農産品は年間500億ドルになる」と述べ、農家にとって大きな利益になると成果を強調しました。

一方、中国政府の経済政策を統括する国家発展改革委員会の寧吉テツ※副主任は「農産品の貿易の拡大は市場化の原則やWTO世界貿易機関の規則に基づいていなければならず、アメリカ側は品質や価格競争力を高めて中国側の要求を満足させる必要がある」と述べ農産品の購入は政府が約束するものではないという考えを強調し、双方の認識のずれも伺わせています。

※「テツ」は「吉」が横に2つ並ぶ

中国側は日本時間の午前0時すぎに緊急の記者会見を開きました。

この中で中国側は「米中両国の努力によって大きな進展を得られた。合意は世界中に利益をもたらすものであり、経済貿易や投資、金融などで積極的な効果を生み出す」として、今回の合意の意義を強調しました。

中国はアメリカとの貿易摩擦が激しくなって以降、ことし7月から9月までのGDP=国内総生産の伸び率が四半期ごとの統計が、公表されている1992年以来最も低くなるなど景気減速が顕著になっています。

また、中国からアメリカへの輸出も去年に比べて10%以上落ち込んでいて、アメリカの追加措置の発動で輸出がさらに減れば景気が一段と減速する懸念もありました。

それだけに、アメリカが中国の求めていた、すでに発動済みの関税の一部引き下げに同意したことは大きな成果だと受け止めています。

ただ、農産品の輸入拡大について中国側は記者会見で「市場の原則に基づくものでなければならず、アメリカ側は質や価格の面で中国のニーズに応えなければならない」と述べ、具体的な輸入額を約束するよう求めるアメリカ側を強くけん制しました。

さらに、トランプ大統領がすぐにも第2弾の協議を始める構えを見せているのに対し、中国側は「まずは第1段階の合意を着実に実施することが大事だ」としていて、双方の姿勢にはずれも生じています。

中国としては、国有企業への過剰な優遇など政治や経済体制の根幹に関わる問題でアメリカに妥協できないという姿勢に変わりはないと見られ、双方の対立が解消に向かうのかどうかは依然として不透明な状況です。

トランプ政権が去年3月に中国に対する関税措置を発動して以来、引き下げに応じるのは初めてです。この判断には、投票まで1年をきった大統領選挙が大きく影響しています。

今回、トランプ大統領が交渉の合意にあたってこだわってきたのは、中国に大量の農産品を買わせることです。農家はトランプ大統領の大切な支持基盤です。中国の報復措置で打撃を受けていた農家を喜ばせることが支持のつなぎ止められると考えたとみられます。

アメリカ経済は拡大が続いているとはいえ、中国との貿易摩擦アメリカの製造業の設備投資や輸出にもじわりじわりと悪影響を及ぼし始めています。経済界の反発も強く、さらなる関税の上乗せはリスクがあると考えたとみられます。

そしていま、トランプ大統領は連日、ウクライナ疑惑の弾劾訴追の対応に追われ、決議案が来週にも議会下院の本会議で可決される見通しです。こうした疑惑から国民の目をそらす意味でも、中国との貿易をめぐる問題で、中身が乏しくとも合意にこぎつけた成果をアピールしたかったとみられます。

ただ今回の合意内容には、そもそもアメリカが交渉を始めた目的を達成できたかどうかは疑問が残ります。

トランプ政権は、中国がアメリカのハイテク技術を不当に手に入れて知的財産権を侵害しているとして関税上乗せの制裁措置で圧力をかけてきました。

中国によるアメリカ企業に対する技術の強制移転や、国有企業への補助金の見直しといった本丸の問題では具体的な合意の内容は明らかになっていません。こうした問題が解決されるのか、両者が折り合う見通しは立っていません。また、関税は一部で引き下がると言っても、まだ大半の輸入品に高い関税が上乗せされている状態です。

中国との対立は貿易分野にとどまりません。

アメリカはファーウェイの締め出しも強化しているほか、アメリカの議会で成立した香港やウイグル族の人権法案をめぐって中国が内政干渉だと強く反発しています。

米中の対立は10年は続くという見方もあり、今回は緊張の緩和に向けたテーブルについただけで、実際に緩和したとは到底言いにくい状況です。

米中の貿易交渉は、中国による農産品の購入や知的財産権の保護などの分野で第1段階の合意に達し、トランプ政権は去年3月に中国に対する関税措置を発動して以来初めて、関税の一部を引き下げると発表しました。

アメリカ政府は、来月前半に正式に文書への署名を行う見通しだとしています。

これについて、アメリカ最大の経済団体全米商工会議所は13日、声明を発表し「非常に前向きな進展だ。企業や消費者への大きな贈り物だ」と述べ、支持を表明しました。

一方、野党・民主党の上院トップのシューマー院内総務は声明で、「中国との貿易には巨大な不均衡があるのに、大豆の購入という一時的で当てにならない約束をしてしまった」と述べ、トランプ大統領は、中国に対して弱腰だとして厳しく批判しました。

また、トランプ政権による追加関税に反対してきた農業団体「ファーマーズ・フォー・フリー・トレード」は、「貿易戦争が始まって以来、農家はばく大な経済的負担を背負っている。約束は繰り返し実現されていない」というコメントを出して、一時的な農産品の購入ではなく、関税を上乗せし合う貿易戦争を直ちに終わらせるよう求めています。

トランプ大統領は、今回の合意について「中国の市場開放につながる、今までで最大の取り引きだ」と述べ、農家にとって大きな利益になると、成果を強調していますが、来年の大統領選挙に向け、思惑どおりに支持の広がりにつながるか見通しにくい状況です。

アメリカの民間団体「ジャーナリスト保護委員会」は11日、取材活動を理由に投獄されているジャーナリストは今月1日の時点で世界中で少なくとも250人に上ると発表しました。

国別では中国が48人と最も多く、ことし10月に香港での抗議活動を報道した女性フリージャーナリストが逮捕されるなど、習近平指導部がメディアへの統制をより厳しくしていると指摘しています。

2番目に多いのは去年まで3年連続で最多だったトルコで、47人と去年より21人減りました。団体は、エルドアン政権が100を超える報道機関を閉鎖に追い込み、大勢のジャーナリストを失業させたほか脅迫もしていて、改善の兆候は見られないとして懸念を示しています。

また、うその情報、フェイクニュースの拡散を理由とした投獄は30人と増加傾向にあり、エジプトでは最も多い21人が投獄されています。エジプトではフォロワーが多い個人のSNSへの規制が強化され、政府に不都合な投稿を理由に投獄されるケースが起きていると指摘しています。

ジャーナリスト保護委員会は「ジャーナリストの投獄は、私たちが頼っている世界の情報システムに対する脅威だ」として改善を訴えています。

来月行われる台湾の総統選挙は14日から正式に選挙戦に入り、中国との距離の取り方を最大の争点に与野党の論戦がさらに激しくなりそうです。

台湾では来月11日、蔡英文総統の任期満了に伴う総統選挙が行われます。

正式な選挙期間は14日から28日間で、
▽与党 民進党の蔡氏が再選を目指し、
▽最大野党 国民党からは高雄市長の韓国瑜氏、
▽少数野党 親民党トップの宋楚瑜氏、の3人が立候補しています。

3年前の政権交代で蔡政権が発足して以降、将来的な台湾との統一を目指す中国政府は「1つの中国」の原則を受け入れない蔡政権との対話を停止し、外交や軍事面で圧力を強めています。

有権者の中には、こうした中国の圧力に警戒感を強め、香港で続く抗議活動に共感する人も少なくなく、選挙戦では中国との距離の取り方を最大の争点に与野党の論戦がさらに激しくなりそうです。

最新の世論調査では、
▽中国との距離を保つ民進党の蔡氏の支持率が51%、
いずれも中国に融和的な立場をとる、
▽国民党の韓氏が29%、
▽親民党の宋氏が7%で、
大きくリードする蔡氏を、野党候補2人が追う展開となっています。

来月11日は国会議員にあたる立法委員の選挙も行われ、与党 民進党過半数を維持できるのかも注目されます。

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