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アメリカのムニューシン財務長官は14日声明を発表し、北朝鮮が国連の決議に違反して労働者を海外に派遣し違法に収入を得ている」と指摘しました。

そのうえで、労働者の海外派遣に関わっている北朝鮮の貿易会社と中国にある労働者の受け入れ団体の2つの組織を、アメリカの制裁の対象に加えたと明らかにしました。

海外で働く北朝鮮の労働者をめぐっては、国連で先月22日までに本国に送還する制裁決議を採択していますが、北朝鮮と結び付きの強い中国とロシアは、最近、国民生活に深刻な影響があると主張して、労働者の送還に応じない姿勢を鮮明にし始めていて、両国には、今も北朝鮮労働者がとどまっています。

アメリカとしては独自制裁を発動させることで中国とロシアをけん制するとともに、国際社会に対して中国とロシアに同調せず国連の制裁決議を履行するよう釘を刺すねらいです。

さらに、北朝鮮に対してはトランプ大統領が誕生日を迎えたキム・ジョンウン金正恩朝鮮労働党委員長に親書を送る一方で制裁を発動する硬軟織り交ぜた手法で、非核化に向けた具体的な措置を取るよう促すねらいがあるものとみられます。

アメリカを訪れている茂木外務大臣は、サンフランシスコ郊外で日本時間の15日午前4時すぎからおよそ50分間、ポンペイ国務長官、韓国のカン・ギョンファ(康京和)外相との3か国の外相会合を行い、北朝鮮問題を協議しました。

北朝鮮をめぐっては、中国やロシアが国連安保理決議に基づく制裁の緩和を求めていますが、日本としては時期尚早だという立場です。

会合の詳細は明らかになっていませんが、日米韓3か国の外相は北朝鮮の完全な非核化に向けて、制裁の確実な履行や、こう着状態にある米朝協議の継続が重要だとして、緊密に連携していくことを確認したものとみられます。

また、茂木大臣は拉致問題についても、両国からの引き続きの支持と協力を働きかけたものとみられます。

このあと茂木大臣は、ポンペイ国務長官と個別に会談し、中東情勢などをめぐって意見を交わすことにしているのに続き、カン・ギョンファ外相とも会談し、「徴用」をめぐる問題などについて意見を交わすことにしています。

茂木外務大臣は、一連の会合の会場となるサンフランシスコ郊外のホテルに入る際、記者団に対し、「緊迫している北朝鮮問題や中東情勢について、日米、日米韓で、対応をしっかりとすり合わせをして、また3か国で連携を確認したい」と述べました。

茂木外務大臣は訪問先のアメリカのサンフランシスコ郊外で、日米韓3か国の外相会合、そして日米外相会談に臨んだあと、日本時間の午前6時半すぎから、およそ45分間、韓国のカン・ギョンファ(康京和)外相と会談しました。

この中で茂木大臣は太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題について、韓国政府の責任で国際法違反の状態を是正し、解決策を示すよう改めて強く求めました。

これに対し、韓国側から新たな提案は示されず、議論は平行線をたどりました。

また韓国が見直しを求めている輸出管理の問題をめぐっても、日韓双方が従来の立場を述べるにとどまりました。

「徴用」をめぐる問題では1年3か月ぶりの先月の日韓首脳会談で、対話の継続によって解決を目指す方針では一致しましたが、日本側が解決策を提示すべきなのは韓国側だとしているのに対し、14日もムン・ジェイン文在寅)大統領が日本側にも対応を求めるなど、隔たりは大きいままとなっています。

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