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来週12日にシンガポールで行われる史上初の米朝首脳会談に向けて、アメリカ議会の野党・民主党の上院トップ、シューマー院内総務ら議員7人が4日、トランプ大統領に宛てて書簡を送りました。


この中で民主党は「日本や韓国、中国と連携して北朝鮮との外交的な合意が実現すれば、歴史的な功績となるだろう」と指摘しました。


そして北朝鮮に対する制裁を緩和する条件として、すべての核兵器や生物・化学兵器の廃棄、核実験場の破壊、あらゆる弾道ミサイルの廃棄、核関連施設への査察の受け入れなどを挙げました。


そのうえで「この地域でのアメリカの同盟国に対する関与を損なうようないかなる譲歩もすべきでない」として、安易な妥協はしないよう求めました。


また「議会は合意をチェックし、制裁を緩和すべきか精査する」としています。


民主党としては、トランプ大統領がことし11月に行われる議会の中間選挙に向けて米朝首脳会談をみずからの成果としてアピールすることが予想される中、トランプ大統領をけん制する狙いもあるとみられます。


3日、シンガポールで行われた日米韓3か国の防衛相会談では、北朝鮮への対応をめぐって「非核化に向けた外交努力を支援する」などとした共同声明が発表され、前回、去年10月の声明では入っていた北朝鮮に対する「最大限の圧力」という文言が盛り込まれませんでした。


共同声明を取りまとめる過程で日本側が「圧力」という文言を盛り込むよう求めたのに対し、アメリカ側は米朝首脳会談を前に、トランプ大統領が「『最大限の圧力』という言葉はもう使いたくない」と発言したことを踏まえ、難色を示していたことが防衛省関係者への取材でわかりました。


このため今回の共同声明には「圧力」という文言は盛り込まず、「国連安保理決議の履行継続」や「『瀬取り』の排除」といった言葉を明記して、「圧力」を表現することで決着したということです。


北朝鮮国営の朝鮮中央通信は4日、日本を非難する論評を伝えました。


この中では安倍総理大臣と河野外務大臣を名指しして、北朝鮮に対して圧力維持や拉致問題の解決を国際社会に訴え続けていると指摘し、拉致問題について「すでに解決済み」という従来の主張を改めて強調しました。


そのうえで「形勢がどう変わっているかもわからずに圧力ばかりを叫ぶ日本のふるまいは、世間の嘲笑を買うだけだ」と非難し、日本に過去の清算を改めて要求しました。


北朝鮮は史上初の米朝首脳会談に向けてアメリカへの対話姿勢を前面に押し出す一方、日本に対しては拉致問題は「解決済み」という従来の主張を国営メディアを通じて繰り返し伝え、拉致問題の解決や圧力を維持して非核化に向けた行動を引き出したい考えを示す安倍政権への非難を続けています。


ホワイトハウスのサンダース報道官は4日の記者会見で、史上初の米朝首脳会談について「われわれは積極的に準備を行っている」と述べました。


そして、シンガポールでは先遣隊が準備を行っていて首脳会談までとどまるとしたほか、北朝鮮と韓国の軍事境界線にあるパンムンジョム(板門店)では米朝の代表団が外交交渉を続けているとして、「協議は非常に前向きで、重要な進展が見られる」と述べました。


そのうえで、米朝首脳会談シンガポールで来週12日の現地時間午前9時、日本時間午前10時から始まる予定だと明らかにしました。


また「焦点は非核化だ。トランプ大統領はみずからの考えを北朝鮮キム・ジョンウン金正恩朝鮮労働党委員長に直接伝える」と強調しました。


一方、サンダース報道官は、トランプ大統領が先週、北朝鮮に対して「最大限の圧力ということばはもう使いたくない」と述べたことについて、「われわれの方針は変わっていない。北朝鮮が非核化されないかぎり制裁は解除しない」と説明しました。


ロシア議会下院のメリニコフ第1副議長は4日、地元メディアに対し、ラブロフ外相が先月31日に北朝鮮ピョンヤンキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長と会談した際、プーチン大統領の親書を渡し、ことし9月に極東のウラジオストクで開かれる国際経済フォーラムにキム委員長を招待したことを明らかにしました。


北朝鮮の国営メディアはこれに先立って、プーチン大統領とキム委員長の首脳会談を年内に実現させることで両国が合意したと伝えています。


ウラジオストクの国際経済フォーラムは、アジア太平洋地域との経済関係を強化するためロシア政府が毎年9月に開催し、去年は安倍総理大臣のほか韓国やモンゴルの大統領など60を超える国と地域から6000人以上が参加して、北朝鮮の経済閣僚もロシア側と経済協力について意見を交わしています。


ロシアは朝鮮半島をめぐる政治的な対話から排除されることを強く警戒していて、史上初の米朝首脳会談が迫る中、存在感をアピールする狙いがあると見られます。