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千葉県市原市にあるおよそ77万年前の地層は、このころに地球の地磁気が逆転した痕跡を残していて、茨城大学国立極地研究所などのグループは地球の一時代を代表する地質学の基準である「国際標準地」に登録するよう国際学会に申請していました。

17日、韓国で開かれた国際学会の理事会での投票の結果、登録が認められ、およそ77万年前から12万年前までの地質学上の時代を千葉県にちなんで「チバニアン」と名付けることが決まりました。

地質学では、地球のおよそ46億年の歴史を、「国際標準地」などを基準に117の時代に区分していますが、日本の地層を基準にして時代が決められたのは初めてです。

チバニアン」の時代は、人類であるホモ・サピエンスが誕生した時期を含むなど地球の歴史の中でも重要な時期を含んでいて、今後、高校の地学の教科書にも「チバニアン」の記載がみられることになりそうです。

チバニアン」は、ラテン語で「千葉時代」という意味で、77万4000年前から12万9000年前までの地質学上の時代を指します。

千葉県市原市で確認された地層を時代の境界の基準である「国際標準地」として登録して時代を定めたもので、これまでは「中期更新世」と呼ばれてきました。

基準となった地層は、77万4000年前に海底で堆積したもので、この地層の前後には、この時期に地球の地磁気が逆転するという特殊な現象の痕跡が残されていました。

地球には、方位磁石が反応するように、N極とS極がありますが、この地層の中の鉄を含む粒子の分析結果から地磁気が数千年をかけて向きを変え、逆転した様子が確認できたということです。

地磁気の逆転現象は、現在までの360万年の間に少なくとも15回あったと考えられていて、およそ77万年前の逆転は、その中で最後の逆転だということです。

地質学の専門家で作る国際学会である国際地質科学連合は、地球の歴史を117の地質時代に区分していて、その基準となる「国際標準地」の登録はヨーロッパや中国が多く、日本の地層が登録されるのは初めてのことになります。

チバニアン」の時代は、氷河期と比較的温暖な間氷期が10万年単位で繰り返され、私たち人類であるホモ・サピエンスが誕生したとされるおよそ30万年前から20万年前も含まれる重要な時期で、今後、高校の地学の教科書にも「チバニアン」の記載がみられることになりそうです。

チバニアン」と命名することが決まったことを受けて、東京 立川市国立極地研究所で、申請チームが記者会見を開き、リーダーを務める茨城大学の岡田誠教授は「申請チームのリーダーを引き継いでから6年半で、申請してからは2年半となり、なんとかたどりつけました。この日が来ることをなかなか想像できなかったので、感無量です」と感想を述べました。

そして、学問的な意義について「地質学は外国で決められた時代の名前を暗記することが多かったが、自分たちで時代の名前をつけて世界基準にするなど、身近な学問であることを示すことができたと思っている。また、登録された地層はこの時代を研究する際に最も優れた地層であることが証明されたので、この時代を調べる世界の研究者と共同研究が行われることになり、世界に開かれた地質学が展開できるきっかけになる」と語りました。

#地質学