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今回公開されたのは2009年7月から12月までの議事録で、政権交代旧民主党を中心とした鳩山政権が誕生した時期です。

前の年の「リーマンショック」で落ち込んだ景気は回復傾向にありましたが、物価の下落が続き、その年の11月、政府は日本経済はデフレに陥っていると判断しました。

しかし、同じ日に開かれた日銀の会合では「デフレだ、デフレだと繰り返せば、国民は、デフレだと感じてしまうものだ」とか、「ことばがひとり歩きしてしまう」という発言が出席者から相次ぎ、デフレという表現を使えば個人や企業の心理を悪化させかねないと、対応に苦慮した様子がうかがえます。

白川方明総裁も「日銀が以前から示している判断と異なっていない」と述べ、「デフレ」の表現を使うことには消極的な姿勢を示しました。

結局、白川総裁は、その後、ゆるやかなデフレに陥っているという認識を示し、翌、12月には臨時の会合を開いて、さらなる金融緩和に踏み切りました。

日銀は、その時から10年以上たったいまも大規模な金融緩和を続けていますが、2%の物価上昇の目標には届いていません。

日銀は今月20日と21日に開いた金融政策決定会合で、出席者から出た主な意見を29日、公表しました。

このときの会合で日銀は大規模な金融緩和策を維持し、黒田総裁は会見で、消費税率引き上げのあとの個人消費の落ち込みについて「減少は一時的なもので増加基調は維持されている」という見解を示しました。

ただ、会合では去年10月以降の国内の経済指標が振るわず楽観できない情勢だとか、個人消費の回復の足取りが弱く、消費者心理をみる指標は、前回、6年前の税率引き上げの時より改善の勢いが鈍いと、影響を懸念する意見が相次いでいたことが分かりました。

さらに、大規模な金融緩和策による低金利が長期化したことで、金融機関の収益が悪化するなど、金融緩和の「副作用」も注意深く見ていく必要があるといった意見が出ていました。

日銀は、消費税率引き上げに伴って消費の低迷が長引かないかどうかを点検しながら、今後も政策を検討することになりそうです。