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南アフリカの国営の電力会社「エスコム」は、国内のほぼすべての電力を供給していますが、与党ANC=アフリカ民族会議の長期政権が続く中で汚職がまん延し、負債は日本円で3兆円に膨れ上がっています。

その結果、設備の改修や維持に回す資金が足りなくなり、去年12月以降、各地でかつてない大規模な停電がたびたび起きています。

国民や経済界の不満が高まる中、28日、最大都市のヨハネスブルクでは、急進左派の野党が抗議デモを行い、数千人が参加して、ラマポーザ大統領や国営企業の担当閣僚の辞任を求めました。

デモ隊は、エスコムの本社ビルの前にも押しかけましたが、近くの信号も停電で消えている状況でした。

南アフリカでは、国営の航空会社も同じように汚職によって経営が行き詰まっていますが、政府がこうした国営企業税金を投入して救済していることから、権力者が国家の基幹産業を私物化しているとして、「国家の横領」を意味する「ステート・キャプチャー」とまで呼ばれています。

こうした中、国の債務も増え、政府が示したことしの経済成長率の見通しは0.9%にとどまるなど、混乱が広がっています。

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