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米アクティビストファンドのRMBキャピタルは、在京テレビ局のテレビ朝日ホールディングスに対し、株主として提案する地上波放送の電波返上を含む経営改善策を公表する方針だ。企業の中長期的な経営戦略に注目が集まる株主総会シーズンに問題提起することで、ほかの株主を含めた幅広い議論を促進する狙いがあるとしている。

  ブルームバーグが入手した資料によると、RMBはテレ朝HDについて、収益性の低下が予想される地上波への投資を抑制し、インターネットなど新たなチャンネルやコンテンツ創出に重点投資を進めるべきだと指摘。

  地上波放送のために割り当てられている電波帯域の返上検討を含め、視聴無料の地上波中心の事業モデルからの転換を急ぐべきだとしている。地方局ネットワークの位置付けは再考するよう求めている。

  また、持分法適用会社である東映との資本関係のねじれ解消も求めた。現在は株式を持ち合っているため、東映保有のテレ朝HD株を自社株買いで取得することで支配関係を明確化し、同社主導でシナジーを追求するべきだと提案。映画、アニメーション、テーマパーク事業を持つ東映は重要なコンテンツ創出源で、テレ朝HDの中核事業になる可能性があると期待を示している。

  RMBは、テレ朝HDの株価が過去数年低迷しており、本来の価値が十分に反映されていないと指摘。自己資本利益率(ROE)の伸び悩みや広告市場の構造変化などを理由に挙げ、大胆な経営改革が必要だとした。テレ朝HDの直近の株価純資産倍率(PBR)は0.47倍と、解散価値の半分以下。電通の調査によると、2019年にインターネット広告費が初めてテレビメディア広告費を上回った。

  RMBは26日に開催予定のテレ朝HDの定時株主総会で20億円を上限とした自社株買いを株主提案済み。約1%の株式を保有しているという。テレ朝HDの取締役会は、強力なコンテンツの制作力強化などのために戦略投資をしており、本業の利益水準の拡大によって株主価値の向上に努めるなどとして提案に反対を表明している。

  テレ朝HD傘下のテレビ朝日は16年4月にサイバーエージェントなどと共同で開局したインターネットテレビ局「Abema(アベマ)」事業に36.8%出資。広告収入やプレミアム会員への課金などで収益化を目指している。55.2%を出資するサイバーエージェントの決算資料によると、アベマを柱とするメディア事業の20年1-3月期の営業損失は42億円と、開局以来赤字が続いている。

  RMBは三陽商会の経営陣の大幅な刷新を求めて定時株主総会で株主提案を行うなど積極的に企業と対話をする投資スタイルで知られる。テレ朝HDの広報担当者にコメントを求めたが、現在のところ回答は得られていない。

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