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北朝鮮の国営メディアは、韓国に脱北した人物が北朝鮮南西部のケソン(開城)に違法に戻ったうえ、新型コロナウイルスに感染している疑いがあることから、北朝鮮はケソンを完全に封鎖したうえで、最大限の緊急態勢をとることを決めたと先月26日に伝えました。

こうした中、6日付けの朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は5日、ピョンヤン平壌)で党政務局の会議が開かれ、キム委員長も出席し、ケソンの防疫状況や、現状についてまとめた報告書を分析したと伝えました。

会議では、封鎖された地域の住民の生活を安定させるため、食糧や保障金の支給などに関する緊急措置をとるよう担当部門に指示したということです。

北朝鮮としては、感染の拡大防止に万全を期す姿勢を打ち出すとともに、厳しい経済状況が続く中、国民生活に配慮する姿勢もアピールするねらいがありそうです。

 北朝鮮の権力構造は、金正恩を中心に3人の「女三銃士」が支えていることは、もはや周知の事実です。夫人の李雪主(リ・ソルジュ)、妹の金与正(キム・ヨジョン)、そして金正恩が寵愛している歌手の玄松月(ヒョン・ソンウォル)の3人がそれです。

 昨年までは夫人の李雪主が序列1位だったのですが、今年の初めくらいから金与正が注目されるようになり、メディアにしばしば登場しています。しかしながら最近、序列が変わったというニュースが伝わってきました。

 北朝鮮の高官は、玄松月「1号宅」と呼んでいます。もはや玄松月は歌手というよりは、金正恩と始終同伴し、彼を最も至近距離でサポートするキーパーソンである。そのことを「1号宅」という呼び名は物語っています。

 簡単に玄松月の経歴を紹介しておきましょう。生まれ年は定かではありませんが、1978年説が有力です。歌手であり軍人(陸軍大佐)であり、朝鮮労働党中央委員会委員という政治家としての顔もあり、2018年のシンガポールでの米朝首脳会談には金正恩に同行しました。

 本来、朝鮮では「宅」という言葉は、その家の夫人を指す意味で使われてきました。日本の「奥方」と似たような言い方ともいえます。

 金正恩の父親の金正日は、正室の金英淑(キム・ヨンスク)がいるにもかかわらず、美貌の映画女優である成ヘ琳(ソン・ヘリム)を見初めました。

 そして、対外的に彼女の存在を知られないようにするため、「5号宅」と呼ばせていました。第5夫人という意味ではなく、彼が5という数字を好んでいることに起因しています。喜び組は中央党5課、そして不倫相手の女性にも「5号宅」という呼称をつけたのでした。

 ところで、5号宅になった当時の成ヘ琳には夫がいました。その上、成ヘ琳は金正日よりも6歳年上でしたが、実年齢よりも幼く見える童顔。可愛らしい女優でした。人妻とはいえ、最高権力者・金日成の息子の求愛を断るわけにはいきません。

 夫と別れた彼女は1969年、中城(チュンソン)洞15号官邸に入り、金正日の妻となったのでした。

 そのようなこともあり、金正恩玄松月を自分の女だからぞんざいに扱わず、礼を尽くして接し敬えと宣布しました。玄松月「自分の女」という立場を与えたのでした。

 李雪主は家庭内で金正恩を補佐するのに対し、玄松月は執務室で金正恩をサポートする存在で、役割分担ができています。金正恩が仕事の悩みなど腹を割って話し、助言を求める相手が彼女だともいえます。

「1号宅」になったということは、もう北朝鮮の誰も、あの金与正でさえも、むやみに楯突くことができず、李雪主が敢えて喧嘩を売ろうものなら返り討ちに遭う結果になるでしょう。つまり、玄松月金正恩の最側近であり、存在そのものが権力を持つキーパーソンだといえるのです。

 北朝鮮75年史の中でも、玄松月ほどいわば超高速で独裁者にとり入った例はありません。金正恩があからさまに玄松月を昇進させ、公に常に傍へ置いて執務するようになったのですから、北朝鮮の人々の間で噂にならないはずはありません。

 金正恩の「1号宅」になって以降、彼女に意見する肝が据わった者は北朝鮮にはいなくなりました。彼女は誰よりも金正恩と最も長い時間を共にし、最も親密に、そして真のナンバー2としての役目を果たすでしょう。

 これまでは、玄松月についてあれやこれやと噂しても、金正恩と関係ない話であれば、国家安全保衛部も取り締まることはありませんでした。しかし、金正恩の「1号宅」として公認された現在、玄松月の噂は党の唯一思想体系確立の10大原則(最高規範、憲法に相当)に抵触することになりかねず、彼女のことを話題にするのには細心の注意を払わねばなりません。

 そして玄松月は、金正恩の子女を育てる李雪主とは違い、国家運営、治世関係上、もっとも金正恩の近くにいるので、幹部連中は金正恩に取り入るために、玄松月に接近するでしょう。

 今後は玄松月に認められなければ出世も仕事もできないという、新たな政治風土が作り上げられることになりそうです。

 金正恩をめぐる女三銃士の激しい序列争いは、すでに始まっていると言えます。金正恩がフェイク(影武者)であるならば、その後を襲う存在になるのか、あるいは……。いずれにせよ、女達の駆け引きから目が離せません。

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