ソフトバンク株が約2カ月ぶり安値、親会社が保有株約22%を売却へ https://t.co/0eyPQW461m
— ブルームバーグニュース日本語版 (@BloombergJapan) 2020年8月31日
国内通信大手のソフトバンクの株価が約2カ月ぶりの安値を付けた。親会社のソフトバンクグループが最大22%の保有株式を売り出すと発表し、需給悪化を嫌気する売りが先行した。
株価は31日の取引で一時、前週末比3.4%安の1382.5円と3営業日続落し、7月9日以来の安値水準となった。対照的に、ソフトバンクG株は一時3.5%高の6622円と上昇。
ソフトバンクGは28日、ソフトバンクの株式最大約10億2800万株(28日終値換算で1兆4700億円規模)を国内外で売り出すと発表した。売出価格は9月14日にも決定し、受け渡しは9月23-25日のいずれかの日となる。
ソフトバンク株の売り出しは2018年12月の上場後初めてで、売り出し後のソフトバンクGの保有株比率は現在の61.5%から40%に低下する。ソフトバンクGの発表によると、今回の売り出し以降、ソフトバンク株を追加売却する意向はない。新型コロナウイルスの感染拡大で市場環境が不透明な中、柔軟に手元資金を拡充していく考えも示した。
ジェフリーズ証券アナリストのアツール・ゴヤール氏はリポートで、ソフトバンクGによる売り出しは「想定外だった」と指摘。ソフトバンクGの株主にとっては良い兆候だが、ソフトバンクの株主にとってはそうではないとし、これだけ大規模の株式を売り切ることも「容易ではないだろう」との見方を示した。
ソフトバンクは28日、同時に1000億円(発行済み株式の1.68%)を上限とした自社株買いを行うと発表した。取得期間は10月1日から2021年3月31日まで。
ソフトバンクGは、前期(20年3月期)にファンド事業が大幅な赤字に陥ったことから、4兆5000億円の資産売却を進めており、既に4兆3000億円を調達している。ソフトバンク株の売り出しで、調達規模は6兆円近くに達することになる。
ソフトバンクGの4-6月期決算は、TモバイルUS株の売却関連利益などを計上し、純利益は前年同期比12%増の1兆2557億円と四半期ベースで過去最高となった。