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上皇后さまは、20日、86歳の誕生日を迎えられました。

上皇后さまは、ことし3月末、皇居から東京 港区の仮住まい先に移り、新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される中で外出したり知人を招いたりするのを控え、上皇さまとお二人で静かな日々を過ごされています。

宮内庁によりますと、医療従事者などの懸命の努力や、感染リスクがある中で日常生活を支える人々の献身に心を寄せ、生業を制限され、スポーツや音楽などの活動を自粛する人たちの置かれた厳しい状況を案じられています。

一方で、ことし5月以降、ほぼ毎日、午後に体温が37度を超え、翌朝平熱に戻る原因不明の症状が続いていて、最近では、乳がんの手術後のホルモン療法によると思われる左手の指のこわばりなども見られるということです。

そうした中、日々の時間の大半を高齢となった上皇さまに寄り添って支えることに費やし、上皇さまに不自由がないよう、日々を楽しくお過ごしになれるようきめ細かく心を配られているということです。

以前から続けている朝食後の上皇さまとの本の音読や、多くの人たちから寄せられる手紙や著書などに目を通されることも日課となっています。

また、上皇さまとの朝夕の散策では、これまでの日々を振り返ったり、庭に咲く花々を眺めたりして穏やかな時間を過ごし、時には、疫病から人々を守るとされる「アマビエ」が描かれた民間機が上空を飛行しないか見上げられたりすることもあるということです。

上皇后さまのことしの誕生日は、新型コロナウイルスで多くの人たちが厳しい状況にあることも踏まえ、祝賀行事は見送られ、ご家族とのお祝いの膳も囲まれないということです。

上皇后さまの誕生日にあたって、宮内庁は、上皇后さまが上皇さまとともに仮住まい先の仙洞仮御所で過ごされている様子を初めて映像で公開しました。

この映像は、今月5日の夕方、お二人で東京 港区の仙洞仮御所の庭を散策された際に撮影されたものです。

庭には、キンモクセイの木が植えられていて、上皇ご夫妻は、香りたつ木を眺めながらにこやかな表情でことばを交わされています。

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