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日本の民事裁判の手続きのIT化は海外と比べて遅れていると指摘されていて、政府は2025年の全面実施に向けて口頭弁論や訴状の提出のオンライン化を進める方針です。

この一環として、ことし2月から一部の裁判所で民事裁判の争点整理など非公開の手続きにウェブ会議が導入されましたが、東京地方裁判所で先月行われた件数は速報値で400件と40件だった3月の10倍に急増していることが分かりました。

東京地裁はウェブ会議が急増した背景に新型コロナウイルスの感染拡大による関係者の意識や行動の変化があるとみて、さらに活用を進めていく方針です。

東京地方裁判所の後藤健民事部所長代行者は新型コロナウイルスの影響で、結果として弁護士の意識が変わり使ってもらえるようになったのではないか。より迅速で適正な裁判ができるようになることを期待している」と話しています。

ウェブ会議は、これまでに東京・大阪など13の地方裁判所知的財産高等裁判所で導入され、年度内にすべての地方裁判所の本庁で運用が始まる予定です。

国境を越えたオンラインでの経済活動が広がるなか、日本の民事裁判のIT化は海外と比べて遅れていると指摘され、政府は裁判手続きのIT化を喫緊の課題と位置づけています。

日本の民事裁判では訴状や証拠書類、判決文などはすべて紙ベースでやり取りされ、証人も法廷に出廷し、裁判官の前で証言することが原則になっています。

世界銀行が2017年に発表した「ビジネスのしやすさ」の各国ランキングの「裁判所の手続き」の項目で日本は190か国の中で48位、OECDに加盟する35か国の中では23位とされ、経済界からは「日本の司法手続きはあまりにも書面主義・対面主義に偏り、海外と比べIT化が遅れている」という声が出ていました。

裁判手続きのIT化に関する政府の検討会の委員を務め、海外の事情に詳しい日本大学の杉本純子教授によりますと、アメリカやシンガポールや韓国ではオンラインで民事裁判の訴状を提出したり、事件の記録を確認したりするシステムがすでに整備されているということです。

杉本教授は「日本の裁判手続きのIT化は諸外国と比較すると、周回遅れどころか、2周くらい遅れている状況だが、図らずも新型コロナウイルスの影響で一歩前進したと感じている。先行する諸外国の事例も参考に日本に適したIT化を進める機会にすべきだ」と話しています。

政府は2025年までに民事裁判の手続きの全面的なIT化を目指していて、ことし2月からは東京や大阪など一部の裁判所で争点整理など非公開の手続きにウェブ会議が導入されました。

今後はオンラインでの提訴や訴訟記録や判決文の電子化ウェブ会議を利用した口頭弁論の実現などを目指し、2022年度をめどに必要な法改正を行う予定です。

一方、日本の民事裁判では弁護士を付けずに訴えを起こす「本人訴訟」が認められていることから、高齢や経済的な理由などでパソコンを使えない人をどのようにサポートするかや、電子化された記録の改ざんや情報漏えいを防ぐためのセキュリティー対策が課題とされています。

裁判のIT化の問題に詳しい鷹取信哉弁護士は、「高齢者や障害者、経済的に恵まれない人などいわゆるIT弱者をどのようにサポートしていくかが非常に大きな課題だ。弁護士会がサポートするにしても場所や費用の問題など解決すべき問題は多いと思う」と話しています。

#法律

この調査は、日本生産性本部が感染拡大による働き方や意識の変化を調べるために今月上旬にインターネットを通じて行い、1100人が回答しました。

それによりますと、企業の従業員で自宅やカフェなどを利用して週に1日でもテレワークをしている人は全体の18%にとどまりました。

日本生産性本部では、テレワークの導入は大企業を中心に広がっていて、地方や中小の企業では、IT環境の整備が追いついていないことなどからテレワークの利用が進んでいないのではないかとしています。

一方、自宅でテレワークをしている人に「仕事の効率が上がったか」を尋ねたところ、
▽「効率が上がった」、「やや上がった」が合わせて50%、
▽「効率が下がった」、「やや下がった」が合わせて49%でほぼ同数でした。

日本生産性本部の柿岡明上席研究員は「家族と過ごす自宅では仕事がしづらいと感じている人も多いのではないか。テレワークの導入に向けた企業への支援に加えて、多くの人が利用できるサテライトオフィスの普及も必要だ」と話しています。