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倒産しているのか、していないのかという事実確認のために、取材するケースが多いので、取材前は分かっていないことが大半です。

質問の仕方は工夫しますが、「倒産をしたんじゃないかという噂を聞きました」というふうに聞きに行って、事実だと認める場合もありますし、「倒産してないよ」と言われる場合もあります。そこを確認して、わかったら情報を配信します。

倒産には、裁判所の管轄下で行う「法的整理」と債権者同士が話し合って行う「私的整理」があります。

このうち、「法的整理」にはまず、清算型の「破産」と「特別清算」があります。

「破産」では、社長や役員が代理人弁護士などを通じて「破産します」と裁判所に申し立てると、破産管財人の弁護士が裁判所によって選任され、残った財産を債権者に公平に配当されるようにします。その後会社は完全になくなります。

再建型といわれる手続きがあります。再建型には「民事再生法」「会社更生法」があります。

では、同じ再建型の会社更生法民事再生法の違いは何ですか?

担保権者の取り扱いなど細かい違いはあるのですが、一般的には例えばJAL日本航空)は2010年に会社更生法の適用を申請し、再建しましたね。

会社更生法は事業規模が大きく社会的になくなったら困るような会社に対して行われることが多い手続きです。

帝国データバンクの倒産の集計では、この4種類の法的整理を対象としています。4種類ありますが、約9割は「破産」です。

はれのひ」の本店は横浜にあったので、(私の)直接の管轄ではなかったんですけど、破綻前に弊社には支払い遅延の話も寄せられていたんです。

ただ、よくよく見てみると、店舗数を急速に増やしていて、急拡大した会社なんですね。

へえー。

店舗を増やしていたら「あ、景気がいいんだな」、「順調なんじゃないか」と思うかもしれないですけど、店舗を増やす分、設備投資にお金がかかってるんですよ。

なるほど。

増やした店舗にお客さんが入らなければ、採算が取れないじゃないですか。お金を借りて設備投資したのに、借入金を返せなくなる。

はれのひ」は、粉飾決算していたことが発覚するんですけど、決算書の賃借対照表(BS)上では、売掛金棚卸資産をかなり水増ししていました。粉飾決算ではよくある手口です。

棚卸資産とは?
企業が抱えている在庫や原材料などのこと

売掛金とは?
後払いで商品を販売した時の未収代金のこと

棚卸資産は、回転期間といって在庫がどのくらいの期間をかけて販売されたかを示す数字が財務分析によって出せるんですが、同業種で黒字が出ている企業の回転期間と比較してみて、異常に長かった場合、架空在庫を上乗せしていることが疑われます。

ちょっと難しくなってきました。

はれのひ」の場合、同業の貸衣装レンタル業の黒字企業の平均回転期間が0.6カ月であったのに対し、「はれのひ」は約3.52カ月と異常に長かったんです。

でも「てるみくらぶ」って、消費者に直接被害が及んだケースで、社会的にも注目される倒産だったのでとても意識しましたね。

末期になると、こういうチラシを打って「現金一括キャンペーン」をやっていました。

「企業が倒産するかもしれない」という予兆はどんなところに表れるんですか?

まず、「はれのひ」のようなケースでは、事業を急拡大させるなど無理が生じて業績が悪化するということが予兆ですね。

設備投資が過大で利益につながらなかったケースです。そのほか、小売店の「大安売り」のように頻繁にセールを行うようになることも予兆のひとつです。

セールって聞くと余裕があるのかなって思うんですけど、逆なんですね。

そう、むしろ逆で、在庫がだぶついていて売りさばきたいのが理由だというケースも多いですね。

その次に何をするかというと「経営改善」に取り組みます。

リストラ、つまり人員削減や不採算店舗の閉鎖、不採算事業の撤退や縮小などです。

人員削減か・・・

それでも経営改善が進まないと「赤字経営」が続くようになります。そして、資金繰りに余裕がなくなると、金融機関へリスケジュール(返済猶予)を要請します。

ここでとどまることができないと、資金繰りが一層厳しくなります。そうなると取引先へ条件変更…あ、条件変更って聞いたことありますか?

条件変更…ですか?

支払いに関する条件や、仕入れに関する条件を変更してもらうように要請するんです。

会社間の取引では、例えば、月末締めで翌月末払い、支払いサイクル1カ月などと、条件が決まっているんです。

ですが、余裕がなくなってくるとそのサイクルを延長してもらう。つまり、仕入先(支払先)の企業に対して、「1カ月後の支払いを、もう1カ月後に延ばしてもらえないか」とかですね。

それから「資産売却」ですね。現金が足りないから、自社ビルを売却して現金を手元に残すといった方法が挙げられます。そういった方法で経営を改善しようと試みます。

いろんなところに表れてくるんですね。

それでも、上手くいかないと赤字が累積して金融機関からの信用も低下して、新たな資金の借り入れが難しくなり、債務者区分が正常先から要注意先などに落ちたりします。

債務者区分とは?

金融機関が融資先を返済能力に応じて区分したもの。「正常先」「要注意先」「破綻懸念先」「実質破綻先」「破綻先」に分けられる。

その後、資金繰りがひっ迫して取引先への支払いや銀行への返済が遅れるといった現象が生じてきます。そうなると給与遅配や高額な報酬をもらっている役員の人たちが退職し始めたり。

そうしたなか、スポンサーが現れて買収されたり、メインバンクが立て直しのための事業計画を見てお金を出しましょうってなると経営改善に戻って、健全な状態に戻ることもありますし、赤字経営との間で行ったり来たりするケースもあります。

スポンサーが決まらなかった場合は?

どうしようもなくなってくると、支払いの遅れがずっと続くので債権者たちが、担保がついていない物件や資産があるとそこを押さえに行くんですね。

みんながそうやって回収しようとすると取り付け騒ぎのようになります。だから裁判所の管理下の状態にするわけです。

就活生だと内定取り消しがどの段階で起こるのかが気になります。

ぎりぎりまで会社は実情を隠すと思うので、どの段階とは一概に言えないんですが、てるみくらぶの場合は2017年3月27日に裁判所から破産手続き開始の決定を受けて、その日に4月入社予定の内定者約50人を集めて内定取り消しの説明をしましたね。

怖すぎです!

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くら寿司」、「蔦屋書店」、「ユニクロ」、「JR上野駅」。今月、建物の外観や内装のデザインを「意匠権」として保護する新たな制度が始まり、この4つの店舗や駅が登録されました。「意匠権」で外観や内装のデザインを保護するとはどういうことなのでしょうか。経済産業省特許庁を担当している永田真澄記者に聞きます。

知的財産権の1つです。知的財産権には、技術的なアイデアである発明を保護する「特許権」、商品やサービスの名前やロゴマークを保護する「商標権」などがあります。これとならんで、デザインを保護するものを「意匠権」と言います。

意匠権」は、もともと、家電や日用品、自動車などの物品のみを対象にしていましたが、法改正によって新たに店舗などの建物の外観や内装が保護の対象に加わりました。こうした新しい意匠権として登録されたのが上に挙げた4件なんです。

意匠権の歴史は古く、明治政府によって1889年に施行されました。工業化が急速に進む中、模倣された粗悪品が出回ったことから法律が制定され、最初に登録されたのは、織物の柄のデザインだったそうです。

今回登録された東京 浅草にあるくら寿司の店舗を訪ねてみました。店内は白木で建てられたやぐらが存在感を放っていました。世界的なデザイナーに監修を依頼し、「江戸の祭り」をテーマに建設したそうです。

広報の担当者は、「海外展開を進めるうえでの旗艦店として位置づけ、店舗の空間からも日本のすし文化を感じてもらいたい」と話していました。

また、横浜市にあるユニクロの店舗は、建物の外観が登録されました。地上3階建ての店舗は切り崩した山の斜面のような形状になっていて、屋外は、遊んだり休憩できたりするスペースとなっていいます。会社では、赤ちゃんからお年寄りまで幅広い世代が買い物だけでなく、遊んでもらえるような店舗になったとしています。

企業にとって提供する商品やサービスだけでなく、店の外観や内装も重要になってきているからです。最近は街を歩いていても独創的なデザインの店舗を見かけるようになりました。

蔦屋書店の店内
企業の間で店内での過ごし方も含めてブランド価値として打ち出す戦略が広まる中、店舗のデザインの模倣を防ぎ、保護していく必要性が高まっているんです。

制度を所管する特許庁は、今回の法改正を制度開始以来の抜本的な改革だとしています。

特許庁によりますと、受け付けが始まったことし4月から半年間で合わせて336件が出願されたということです。審査が済んだものから、順次、登録される見込みです。

5年前、全国展開するコーヒーチェーンが、店の外観や店内の席の配置などが極めて似ているとして、別のコーヒー店を裁判で訴えたケースがあります。当時は内装のデザインを保護する制度がなかったため、原告側が模倣されたということを立証する必要があり、大きな負担となりました。

今回の制度によって店のデザインをめぐる紛争を事前に防ぐことにもつながります。企業の間でデザインへの関心が高まり、魅力的な店舗が増えていくことを期待したいと思います。

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