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何故ならば、消費者というのは文字通り“消費”者なので、消費のプロフェッショナルなのである。10円安い卵を求めて、1キロ離れたスーパーに行く主婦、というのも決して珍しい存在ではないことからもそのことがわかるだろう。価格感応度が高いのである。

一方で、消費者が「売る」ときはプロフェッショナルではない。実際、ブックオフに本を持っていき、「全部1円です」と言われても、持ち帰るのが面倒なので全て売ってしまう人間がほとんどである。

消費者が「売る」ときは、売却の一回性が働くので、価格相場に詳しくなりようがない。一方、買取業者側は複数回の取引をしているので、相場観を理解しているわけである。

ガリバーという中古車屋は、「買取専業」という新しいビジネスモデルで大きく成長した。

これは、利益の源泉が「消費者からの買い取り」にあることを見抜き、そこにフォーカスすることで利益率を高めることに成功したからなのである。

このガリバーの成功要因は「買取専業」を掲げたことであった。ガリバー以前の中古車屋は、「高価買取」と「安価販売」を同時に謳うというやや矛盾した業態であったが、ガリバーは買取専業にして、買い取った車は業者間のマーケットに流してしまうことで、「消費者から買い取る」というコアバリューに注力することができた。

消費者が「売る」ときに、値段について真剣に考えていないのは、モノだけではなく、自分自身についても同様である。

ほとんどの日本の労働者の給料は、実質的には、「所属する業界×業界内でのランク×役職・雇用形態」によって決定されており、それに疑問を持つ人はさほど多くはない。逆に言うと、企業が労働者から「労働力」を買うときにもチャンスがある、ということである。

この労働力を取りまとめて売る、というのは極めて原始的なビジネスで、例えば山口組が港湾労働者の派遣業から発達したように、わかりやすくマージンを抜くことができるビジネスである。

そして、このビジネスを現代風にしたのが、規制緩和の波に乗った派遣事業者であり、クラウドワークスやランサーズを始めとしたクラウドソーシング系のビジネスであると言える。

ここまで読んできた皆さんは、単純な疑問が湧くだろう。それは、「何故、直接雇用しないのだろうか」ということである。直接雇用してしまえば、仲介業者への手数料を支払う必要がないため、2割程度は支払いを削減できるはずである。

労働力取りまとめ業の本質的な価値、それは「労働者の質のスコアリング」「すぐに、大量に手配できる」「解雇規制への対応」の3点である。日本市場においては特に、労働者保護のための解雇規制が極めて厳しい。

リストラを行うためには、整理解雇の4要件を満たしていないと、合法的な解雇とはみなされない。具体的には、①人員整理の必要性、②解雇回避努力義務の履行、③被解雇者選定の合理性、④解雇手続の妥当性の4つの要件が満たされている必要があり、日本における合法的な解雇のハードルは極めて高いと言える。

このことが逆に、派遣業への強いニーズを生んでおり、労働力のニーズがなくなる可能性がある場合、その仕事に対して正社員を雇用したくない、というニーズが働くのである。

また、正社員であればAさんの給料を、同じ部署のBさんの給料の3倍にする、というのは実質的に極めて困難であるが、フリーランスであれば可能である。

このような、流動性の提供とダイナミックプライシングが、法人にとっての労働力取りまとめ業のニーズであると言えるだろう。

「労働力を取りまとめて売る」ということが、商売のテンプレートとして有益だということはわかったが、だからといって「とにかく人を集めれば安泰」というわけではもちろんない。

例えば、労働力を取りまとめて手数料を抜くビジネスとして真っ先に思い浮かぶのは、「聖域なき構造改革」と銘打ち、小泉内閣の時に行われた規制緩和を背景に急成長した「パソナグループ」だろう。

小泉内閣のブレーンと言われ、規制緩和を進めた張本人である竹中平蔵が会長を務めるパソナであるが、事業規模は大きいものの、営業利益率は極めて低い状態である。また、市場からの評価としても、親子上場をしている子会社のベネフィット・ワン時価総額を大きく下回り、市場からの評価を受けている状態とは言い難い。

というのも、派遣業自体は元々儲かるビジネスであるが、近年の派遣法の改正により、労働者保護の声が高まり、労働者派遣の期間が同一社員同一部署であれば原則3年までとなるなど、法律が厳格化されている。

また、それ以上に、元々パソナは「ホワイトカラーの派遣」というのが事業の根幹にあるが、これはRPA(ロボティック・プロセス・オートメーションなど、業務効率化の波がきている昨今の社会情勢の煽りをもろに受ける。

つまり、ホワイトカラーで働きたい人は余っており、労働者取りまとめ業も特色がないと生き残りづらくなっているのである。

ホワイトカラー1つとっても、このような特定のニーズにおけるプロフェッショナル人材を集めて派遣するビジネスがあれば、今後伸びる可能性は高いと考えられる。

もう1つは、マクロの人口動態からの逆算である。日本の人口動態は今後ますます逆ピラミッドになっていくため、一生懸命汗をかく必要のある労働スキルを持った人材が、今後重宝される社会になる。

冷静に考えてみると、一応エクセルが使えます、とりあえずVLOOKUPが使えますというレベルのホワイトカラー労働者よりも、トイレを直すことができるスキルのほうが遥かに希少なのである。

そして、その結果として値段もつきやすいのは、少し考えて見ればわかるだろう。これまでは肉体労働は賤業として安く見積もられていたが、地位の逆転現象が起きる日は近い。

むしろ水道工事のような、肉体労働的な要素と専門知識をかけ合わせた仕事にキャリアを切り替え、1日に何件もトイレの詰まりを直すキャリアを選んだ方が確実に、そして長期的に金を稼ぐことができるだろう。

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