https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

中国政府の主導でことし6月末に施行された「香港国家安全維持法」は、国の分裂や政権の転覆、外国の勢力と結託して国家の安全に危害を加える行為などを取り締まるもので、施行からこの半年間でおよそ30人が逮捕されました。

このうち、中国に批判的な論調で知られる新聞「リンゴ日報」の創業者、黎智英氏は今月11日に起訴され、香港政府トップの行政長官が指定した裁判官によって審理が行われています。

また、先月には中国が決定した新たな基準に基づいて、議会に当たる立法会の民主派議員4人の資格が取り消されるなど、政府に批判的な言論や政治活動は封じ込められています。

また、学校現場では中国への帰属意識を高めるための愛国教育が強化されるなど、中国による統制は香港社会にも及んでいます。

言論や表現の自由など香港の自治を保障した「一国二制度」の形骸化が進む中で、香港中文大学がことし10月に発表した市民700人余りを対象に行った調査では、全体の4割以上が「海外への移住を考えている」と答えるなど、香港を離れて海外への移住を希望する人が増えています。

香港国家安全維持法の施行から半年間で、およそ30人がこの法律に違反したとして逮捕され、このうち4人が起訴されました。

この中では、SNSや外国メディアとのインタビューを通じて国際社会に香港の民主化運動への支援を呼びかけてきた「リンゴ日報」の創業者、黎智英氏が「外国勢力と結託して国家の安全に危害を加えた罪」に問われています。

また、残る3人はいずれも香港の独立を主張したり、あおったりした「国家分裂の罪」に問われています。

逮捕された人の多くは香港の独立を主張していると見なされたスローガンを叫んだり、プラカードを掲げたりして「国家の分裂」をあおった疑いが持たれ、抗議活動の現場で逮捕されています。

このほか、黎氏とともにことし8月に逮捕された周庭氏や李宇軒氏などの民主活動家は、外国勢力と結託して国家の安全に危害を加えた疑いが持たれ、いずれも捜査が続いています。

このうち、周氏は別の抗議活動に関連し、今月2日、禁錮10か月の実刑判決を受けて収監されたほか、李氏は逮捕後の保釈中に台湾に密航しようとして中国当局に捕らえられ、中国・深※センで拘束中で、国家安全維持法違反以外でも当局の厳しい追及の対象となっています。

一方、国家安全維持法では、中国政府が設けた出先機関「国家安全維持公署」が香港政府を監督・指導するとされています。

このうち、外国勢力が介入する複雑な事案や、香港政府が法律を執行することができないといった重大な状況では、中国の法律に基づいて捜査や起訴、裁判を行うことも認められていますが、これまでのところ、中国本土に移送され、捜査や裁判に至ったケースはありません。

※センは「土」へんに、つくりは「川」

香港国家安全維持法の施行以降、この法律による取締り以外にも、政治活動への締めつけが強まっています。

とくに、去年からの抗議活動に関連して、許可されていない集会に参加したなどとして逮捕・起訴される人が相次いでいて、1人で複数の裁判を抱える人も少なくありません。

このうち、香港で毎年6月4日に開かれてきた天安門事件の追悼集会では、香港政府が新型コロナウイルスの感染防止を理由に初めて開催を許可せず、その場に集まった市民団体の李卓人代表や民主活動家の黄之鋒氏、それに当時の民主派の議員など合わせて26人が起訴されました。

また、去年6月に警察本部周辺で行われた大規模な集会への参加をあおったなどとして起訴された黄之鋒氏や周庭氏は、それぞれ禁錮13か月半と禁錮10か月の判決を受け、これまでの同様の事件に比べて刑が重すぎるとの批判が高まりました。

一方、法律の施行で香港での活動が難しくなった民主活動家や、暴動罪などで起訴され厳しい刑が予想されるデモの参加者の間では、イギリスやアメリカなど海外に逃れる動きが広がっています。

政治活動への締めつけが強まる中で、民主派の人たちは従来の活動の見直しを迫られています。

香港の立法会の元議員で民主活動家の李卓人さん(63)が代表を務める市民団体は、1989年に中国・北京で起きた天安門事件の関連資料を展示する記念館を運営し、中国本土ではタブー視されている事件の真相を伝える活動を続けてきました。また、事件が起きた6月4日には毎年、大規模な集会を開き、香港から中国の民主化を訴えてきました。

団体では、こうした活動が「香港国家安全維持法」によって取締りの対象になり、記念館の閉鎖を命じられる事態に備えて、展示資料をデータベース化して保存する作業を始めました。

李さんは「法律は多くの市民に恐怖を植え付けた。国家安全維持法は何でもできる法律で、人々に密告までさせるのでみんな怖くて声を上げることができない。これは中国共産党の一貫したやり方だ」と話していました。

李さん自身、現在、無許可の集会の参加をあおったなどとして、合わせて9つの罪で起訴されていて「恐怖や不安はあるが、私たちに残されているのは反抗の意志を収監されることで表明することしかない。それでどんな効果が得られるのか考える余裕もないが、責任を背負って歩み続けなければならない」と話していました。

香港の市民の間では、「香港国家安全維持法」の施行後、日常の言動も問題視されるのではないかという不安が広がっています。

このうち20代の女性は「社会の雰囲気は悪くなりました。これまでは何を言ってもそれほど気にすることはなく、比較的自由に発言できましたが、毎日、さまざまな人が捕まったというニュースを見るようになり、以前は問題がなかったことにも注意するようになりました」と話していました。

また、20代の男性は「ニュースを見ていると不公平なことが多いと感じます。法律に違反しても、しなくても、自分も同じような目に遭うのではないかと不安に思います」と話していました。

香港国家安全維持法は、海外での行為も取締りの対象になるとしていて日本に住む香港出身者の中にも取締りをおそれて「香港に戻れない」と考える人も出ています。

このうち、李※イ棠さん(27)は、2年前に来日し、都内の時計店で働いていますが去年6月、香港で条例の改正案に反対する大規模なデモが起きたことをきっかけに、東京で抗議活動などに参加するようになりました。

香港国家安全維持法が施行されたあとは、香港出身の仲間たちが取締りを警戒して顔や名前を隠して活動する中、李さんは顔を出して記者会見などを行い抗議の声をあげてきました。

ことし9月には、スイスのジュネーブで行われた国連の人権理事会にも出席し、中国政府に対して香港国家安全維持法の撤廃を求めるよう国際社会に支援を呼びかけました。また、今月中旬には都内で仲間とともに香港の抗議デモに関する展示会を開催し、李さんはみずから来場者に日本語で説明しました。

李さんは香港国家安全維持法で違反とされる可能性がある「香港を取り戻せ」というスローガンが書かれたTシャツをあえて着て、来場者に対して言論の自由が失われつつあると、訴えていました。

一方、李さんは香港の警察が海外に住む民主活動家らを指名手配したなどとメディアで伝えられる中、自分も香港に戻れば日本での活動が問題視されて当局に拘束されるおそれがあると懸念を強めています。

こうした状況について、李さんは「最初の段階では、香港に戻れないことは頭になかった。もう自由に親に会えない、自由に香港にいる友達に会えないということを考えるたびにショックでしかありません」と話しています。

そのうえで日本での活動は今後も続けたいとしていて「今、香港で抗議活動ができない以上、日本で活動する意味があると思う。これからも、香港人の思いを日本で伝え続けたい」と話しています。

※イは「王」へんに、つくりは「韋」

#反中国#対中露戦#習近平伏魔殿体制=旧体制

d1021.hatenadiary.jp