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先生はその刪修に当たって、「義命の存する所」と、「万世の為に太平を開かむと欲す」の二点を挿入されたほか、陛下の重いお言葉として文章についても手を入れられた。

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わが国の前途に思いをめぐらすとき、私は一夜、沛然として大地を打つ豪雨に、心耳を澄ます思いであります

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「沛然」とは雨が激しく降る様子を指す。

心耳と言う言葉。安岡正篤氏が、添削にあたり、「心」という字を入れたという。

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作品としての詩の第一の要件は、
  いかに統一生動しているか
という点にある。言い換えれば、能く内面的造化的であって、くだくだしい事件的外面的でないことである。
 広瀬淡窓詩話に、父は生前俳句が好きであったが、こんな話を聞かされたことがある。ある門人が海鼠の句を作って師に見せた。
  板の間に 下女とり落す 海鼠かな
師は一見して直に道具建てが多いと却下した。そこで弟子は沈吟して、これを、
  板の間に とり落したる なまこかな
とした。師は、うん大分好くなった。しかしもう一息だとまた返した。苦吟の果てに、弟子が持って来たものは、
  とり落し とり落したる なまこかな
となっていた。善哉、初めて師はこれを許したと。

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一度、聡明叡智にしてよくその性を尽くす者、その間に出づるあれば、則ち天必ずこれに命じて、もって億兆の君師(くんし)と為し、これをして治めてこれを教え、もってその性に復らしむ(かえらしむ)。

然し我々は次第に天地人間から分隔して(これも実は偉大な創造分化なのであるが)己私に執着して誠に叛(そむ)き易い。その為に折角の性を傷(そこな)って天と断つの不明に陥った。
そこに諸々の悪が蔓(はびこ)る。「唯天下の至誠のみ能く性を尽くすことを為す」である。

内訟とは自分の煩悩を自分の良心に訟(うった)えることである。

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