https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

公文式は基礎的な計算が速く正確にできるようにするための、効率的な手段にすぎません」

公文式には英語や国語もありますが、創業者が築き上げた公文式の神髄である算数・数学を前提に話しますと、公文式が求める能力は三つ。一つ目は、大量の計算問題を速く正確に解ける処理能力、二つ目は、いやな作業もコツコツ続けられる忍耐力、三つ目は、与えられた課題に疑いをもたない力です。この三つが身につくと、日本の受験システムに適応するうえで、大きな利点になります」

「いま教育界でブームなのが“非認知能力”。目標に向かって努力する力や他人とのコミュニケーション力など、点数化できない能力のことで、大雑把にいえば“人間力”です。公文式で忍耐力ややり抜く力が身につけば非認知能力の向上にもつながる、とも言えるじゃないですか。公文式をきちんとこなせるようになれば、自学自習の姿勢が身につくのは事実です」

公文式のメリットは両刃の剣。学習プログラムは計算力の向上に特化され、図形や文章問題はなく、思考力の鍛錬にはつながりにくいからです。もともと、あくまでも高校受験レベルまでの代数をスラスラと解けるようにするために開発されたものですから」

公文式とはそれ以上でも以下でもない。学習の報酬が“理解するよろこび”よりも“先に進む達成感”にされていて、試行錯誤を繰り返して思考力を鍛える本質的な意味での学びとは異なります。先ほど“受験システムに適応する”云々と言ったのも皮肉を込めていて、効率的に点数をとるのは人間の能力の一部にすぎないじゃないですか」

「先に教材をどんどん進めることに快感を得られる子には向きますが、じっくり考えるのが得意だというタイプの子には、あまり向きません。親も“公文をやりなさい”と言うだけでなく、子どもを上手く乗せながら勉強習慣を身につけさせたりする必要があります」

来年4月から高校で使われる教科書の検定が終了し新たな必修科目「情報1」や「公共」などの教科書の内容が初めて明らかになりました。プログラミングや主権者教育に加え、生徒が主体的に考え対話を通じて学びを深める内容が特徴となっています。

今回の高校の教科書検定には298点の教科書が申請され、文部科学省の検定意見による修正を経て「歴史総合」で不合格の1点と「英語コミュニケーション1」で申請を取り下げた1点を除き合格しました。

今回の検定では来年春から導入される新しい高校の学習指導要領での大幅な科目再編に伴い、新たに必修科目となった「情報1」の教科書が登場し、プログラミングの基本やデータ活用などについて学ぶ構成になっています。

また、40年続いた「現代社会」の廃止に伴い公民の必修科目となった「公共」は主権者教育に加え生徒みずから実際に社会にある課題の解決を考えられるよう多様なテーマが扱われています。

地理歴史では日本と世界の近現代史を中心に学ぶため再編された「歴史総合」のほか「地理総合」も必修科目になり初めての検定が行われました。

今回の教科書では生徒が主体的に考え対話を通じて学びを深める「アクティブ・ラーニング」と呼ばれる学習方法に対応し、さまざまな資料を題材に議論を促す内容が特徴となっています。

また、領土については学習指導要領の改訂で「地理総合」と「公共」「歴史総合」で北方領土沖縄県尖閣諸島、それに島根県竹島について扱うべき内容が明記されました。今回の検定では、これに伴う意見が19件つき記述の修正を経て「地理総合」と「公共」で初めてすべての教科書に「日本固有の領土」と記載されました。

このほか新型コロナウイルスの記述が初めて盛り込まれたほか、延期された東京オリンピックパラリンピックそれにSDGsジェンダーに関する記述も多く見られました。

合格した教科書は各地の教育委員会などの採択をへて来年4月から全国の高校で使われます。

今回の教科書では世界中で感染が拡大した新型コロナウイルスについても初めて記載されました。新型コロナウイルスについては6教科8科目の27点の教科書で扱っていて社会への影響も幅広く紹介されています。

このうち「公共」や「情報」では新型コロナウイルスの感染拡大でSNSに紙類が不足するという誤った情報が流され、店頭のトイレットペーパーやテッシュペーパーの品薄になったことが取り上げられています。

また、緊急事態宣言によって不要不急の外出自粛要請やショッピングモールや映画館など多くの人が訪れる施設への休業要請が行われ、百貨店が臨時休業を決めるなど経済への影響も紹介されています。

このほか「歴史総合」では「パンデミックの脅威」と題し14世紀に世界各地で流行したペストや、第一次世界大戦中に流行したスペイン風邪などとともに新型コロナウイルスが紹介され、空港でサーモグラフィーで発熱をチェックする様子なども盛り込まれています。

今回の教科書では民主主義や近隣諸国との関係をアイドルグループやヒット曲から考えたり、戦争を題材にしたアニメを通じて学ぶなど身近なテーマとして引き付ける工夫も見られました。

歴史総合のある教科書では、民主主義を考える特集の中でアイドルグループ櫻坂46に名前を変える前の欅坂46の写真とヒット曲「サイレントマジョリティー」の歌詞の一部が掲載されています。

この中では「『声をあげないことは賛成しているのと同じ』であること、意思表示せず『大衆』でいることへの疑問を投げかけるメッセージを伝えている」と紹介されています。

また、ほかの歴史総合の教科書では女性アイドルグループ「TWICE」が取り上げられ、韓国、日本、それに台湾出身のメンバーで構成されていることが紹介されています。

ここでは「日韓の間では、植民地支配をはじめとする歴史認識をめぐって対話と葛藤が続いている」としながら、大衆文化を通じて世界の人々の相互理解は深まっていくのか考えさせる内容となっています。

一方、映画「この世界の片隅に」や「火垂るの墓」の1シーンを紹介する歴史教科書もあり、この中では戦争が人々の生活にどのような影響を与えたか考えるよう投げかけています。

東京大学大学院 教育学研究科 小玉重夫教授(主権者教育に詳しい)
・新しい学習指導要領を反映した今回の教科書について
「みずから探究し対話的で深い学びを実現していくという方向で学力の捉え方や授業の構造の捉え方を大きく変えていくことになります。特に新しい科目、公共では生徒自身が将来、主権者、市民としてみずから考え議論することが経験できるよう授業が変わるので、教科書もそういった工夫がなされているのではないか」
・生徒どうしや先生との議論や対話が増えることについて
「身近な貧困や差別それにジェンダーや性的マイノリティの問題など日々暮らしている中で疑問に思っていても、声をあげづらかったり人の意見を聞く機会がなかったりする問題も実は声に出してみることができるんだということに気付いてほしい」
・政治的な問題を扱う授業は選挙年齢が引き下げられるまで国が制限をしていたことについて
「政治を取り上げないことが政治的中立性だと考える向きもありますが、むしろ世の中には対立がありそれを認識することが本当の意味での政治的中立性です。高校の先生は萎縮せず、これを機に世の中で起きている論争的な問題や政治的な課題も生徒に示し議論していくことが重要で、教育の自由を広げていくきっかけとなればいい」

韓国が「トクト(独島)」と呼んで領有権を主張している島根県竹島について「地理総合」と「公共」で初めてすべての教科書に「日本固有の領土」などと記載されたことを受けて、韓国外務省の報道官は30日午後、声明を出しました。

この中で「歴史的、地理的、国際法的に明白に韓国固有の領土であるトクトに対する荒唐無稽な主張が含まれた教科書について日本政府が再び検定を通過させた」などと強く抗議し、即刻是正するよう求めました。

また韓国外務省はソウルにある日本大使館の相馬総括公使を呼んで抗議しましたが、相馬総括公使は日本の立場について説明したということです。

新必修科目「情報1」

新しい学習指導要領で科目が刷新される「情報」では新たに必修化された「情報1」の教科書が6社から12点申請され、いずれも合格しました。

現在の「情報」は
▽情報モラルなど知識が中心の「社会と情報」と
▽プログラミングも手厚く扱う「情報の科学」の
どちらかを選択することになっていて、プログラミングを学ぶ生徒はおよそ2割となっています。

新たな学習指導要領では「情報1」と「情報2」に再編され、このうち「情報1」は新たに必修化されプログラミングやデータ活用を文系理系を問わずすべての生徒が本格的に学ぶようになります。

「情報1」 教科書のポイントは?

今回合格した教科書では、プログラミングの単元でコンピューターが得意とする繰り返し計算を使ってプログラムを作成する実習など実践的な内容が盛り込まれています。
また、データ活用の単元ではネット通販の購入履歴やスマホの閲覧履歴などビッグデータの活用が社会に欠かせなくなっている現状などが紹介されています。
さらに、社会にあるさまざまな情報をわかりやすく伝える手法として表やグラフのほかトイレや非常口などに使われる「ピクトグラム」いう絵文字のマークの活用など情報デザインの単元も設けられていました。

このほか「ネットリテラシー」もすべての教科書で扱われ「フェイクニュース」や「ファクトチェック」について触れる教科書も多くありました。

「情報1」 先行授業の高校では…

東京都立町田高校では先行して「情報1」の内容を取り入れた授業を行っていて、すべての1年生がプログラミングを学んでいます。

生徒たちは
▽コンピューターが処理する計算の特性を学んだうえで
▽実際に動かすためのプログラムのコードの書き方を習得してきたということで
今月下旬の授業で1年間の成果が発表されました。
それぞれの生徒が自分でコードを書いた作品を披露し合い、キーボードで数字を入力すると
▽大吉や凶などが表示されるおみくじをイメージした作品や
▽ラッキーカラーを表示する占いをイメージしたものなどが見られました。

授業を受けてきた男子生徒は「やり直したり調べたりして大変でしたが思いついたコードでちゃんと動くとうれしいし、達成感もありました」と話していました。

小原格 指導教諭
「『情報』の科目はただコンピューターやプログラミングの機能を学ぶのではなく、目的の達成に何が必要でどう組み立てればよいのかを論理的に考える力を身につけることが重要になる。コンピューターやAIがどんなに進歩しても最終的に意思決定をするのは人間。新しい教科書にはプログラミングを通して自分で問題解決ができるよう上手に誘導する内容であることを期待したい」

新必修科目「公共」

現代社会」の廃止に伴い新たな必修科目として設けられた「公共」の教科書が8社から12点申請され、いずれも合格しました。
新しい学習指導要領で必修科目となった「公共」は社会に参画する際に必要になる知識や現状を理解したうえで、実際の社会の課題と向き合い解決する力を身につけることを目指しています。

選挙権年齢や成人年齢の18歳への引き下げを踏まえ、高校生にとって政治や社会がより身近になることを背景に主権者教育も一つの柱となっています。

「公共」 教科書のポイントは?

今回、多くの教科書で現実社会の課題を検討したり生徒どうしで議論したりするための工夫が充実しています。

▽この中では各国の労働をめぐるデータから「ワークライフバランス」をどう実現すべきか生徒自身に考えさせたり
生命倫理の観点から「安楽死尊厳死を認めるべきか」と題して話し合わせたりする内容も盛り込まれています。
また、18歳で選挙権を持つことを踏まえ実際の投票を意識した内容も重視されています。

▽例えば初の「非自民」となった7党1会派の連立による「細川内閣」と自民党公明党の連立による安倍内閣、それにイギリスやドイツの例を紹介しながら生徒自身にどのような政権の在り方が望ましいか考えさせるページもあります。

「公共」 教科書作成の会社 ねらいは?

新たに設けられた必修科目「公共」の教科書を作った都内の教科書会社は、40年続いた「現代社会」にはなかったような思考力を養う内容や議論を促す構成を目指したといいます。
教科書にはシミュレーションを通じて参加型の授業を行いやすいよう組まれたページが設けられ、選挙権年齢が18歳に引き下げられたのに伴い模擬選挙を体験できるよう紹介しています。
この中では、実際に投票するまでの意思決定の流れがイメージできるように
▽報道や街頭演説などを通じて争点を知ることや
▽政策を比較するための正確な情報収集が必要だとして
2017年の衆議院選挙の際に実際に使われた政党のマニフェストや実際の新聞の紙面を掲載するなどしています。
また、請願に関するページでは意見や要望を議会や行政に届ける重要な手段の1つだとして
▽インタビュー調査などを通して地域の課題を見つけることや
▽話し合いをもとに請願書をどうまとめるかなど
“模擬請願”の機会を通じて生徒たちが具体的な行動に移しやすいよう手順が示されています。

東京書籍 高校社会第一編集長 三光穣さん
「社会にどのように関わっていくか意識できるよう多様な意見の中で話し合いを重ねていくことが公共の目指すところだと思い、どういった視点を提示しどのように考えてもらうかなどかなりの時間をかけて検討した。学習を通して知識を学ぶとともに思考し、具体的な課題に関して自分の考えを育んでほしい」


d1021.hatenadiary.jp

#勉強法