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5日のニューヨーク株式市場ダウ平均株価の終値は、先週末に比べて373ドル98セント高い、3万3527ドル19セントでした。

ニューヨーク市場は先週金曜日が休みだったため、3連休明けの取り引きとなりましたが、幅広い銘柄に買い注文が出て、ダウ平均株価は3月29日につけた終値を上回って史上最高値を更新しました。

先週発表されたアメリカの3月の雇用統計で雇用者数の伸びが市場の予想を大きく上回り、アメリカ経済の回復スピードが加速しているとの見方が広がりました。

また株価の重しとなっていた長期金利の上昇も抑えられているとして、IT関連銘柄も大きく値上がりしています。

市場関係者は「これまで回復が遅れてきた雇用の改善が進んでいるとの期待が膨らみ、サービス、観光、航空業などの業績回復が見込まれている。感染再拡大が依然リスクだが、ワクチンの普及と追加の経済対策が追い風になっている」と話しています。

国際舞台に復帰
イエレン米財務長官は、法人税率の面で世界の主要国が協調する重要性を訴えた。国際通貨基金IMF)・世界銀行の春季会合を控えた会議で演説し、米国の「国際舞台」への復帰をアピール。米国が主導する形で20カ国・地域(G20)が法人税における適切な最低税率を見いだすことが重要だとの認識を示し、各国が税率引き下げ競争に走るのをやめるよう訴えた。

明確なコミュニケーションを
IMFは米金融当局が予想外に引き締めを実施すれば、金利上昇と新興国市場からの資金流出を招く恐れがあると指摘し、中央銀行には市場との明確なコミュニケーションが必要だと強調した。新興国市場へのセンチメントを悪化させないよう、先進国の中銀は将来の金融政策を巡って明確で透明なコミュニケーションを取ることが可能だと指摘した。

非製造業が過去最高
米供給管理協会(ISM)が発表した3月の非製造業総合景況指数は63.7と、1997年の統計開始後の最高。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の全てを上回った(予想中央値59)。業況と新規受注の指数が過去最高だった。コロナ禍の打撃が最も大きかった業種が盛り返した形で、全18業種で活動が拡大。中でも娯楽・レクリエーション、卸売り、鉱業の伸びが目立った。

撤回
ゴールドマン・サックス・グループは約半年前に始めたドル安を見込む取引をやめ、顧客への助言も撤回した。同社の為替チームは「戦術的退却」と題したリポートで、オーストラリア・ドルニュージーランド・ドルを含むG10資源国通貨のバスケットに対し勧めてきたドルのショート(売り持ち)ポジション構築を解消した。米国債利回りの上昇でドルが買われ、ヘッジファンドやその他の投資家もドル安見込みを撤回している。

アラムコ資産
米投資会社アポロ・グローバル・マネジメントを中心とした投資家グループは、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコ保有する石油パイプラインの約100億ドル(約1兆1000億円)相当の権益を買収することを目指している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。関係者らによれば、アポロのコンソーシアムには米国と中国の投資家が含まれる見通しで、最終提案を行う候補に残った。

イエレン米財務長官は5日、過去30年にわたる法人税率引き下げ競争に終止符を打つために、20カ国・地域(G20)に対し法人税に世界的な「最低税率」を設定することで合意するよう働きかけていると述べた。

イエレン氏はシカゴ国際問題評議会で行った講演で、今週の国際通貨基金IMF)と世界銀行の年次総会に参加する機会を利用し、気候変動、新型コロナウイルスワクチン配布、世界的な景気回復支援などを巡る議論の進展を促したいと表明。

「税金を巡る競争による圧力をなくす」必要があるとし、各国政府が「必須の公共財を賄い、危機に対応するために十分な財源を確保できる安定的な税制度」を整備することが重要と述べた。

これとは別に米財務省当局者は記者団に対し、世界的な法人税の最低税率を効果的にするには、主要国の合意が必要と指摘。米国は企業が租税回避地に利益などを移転しないよう、国内的な税制度を利用するとし、他の主要国もこうした対応を取るよう呼び掛けると述べた。

世界的な最低法人税率の設定は、バイデン大統領がこのほど発表した約2兆ドルのインフラ投資計画の主要な柱の一つ。同計画の下、バイデン政権は米国の法人税率の28%への引き上げを提案している。

イエレン長官はこの日の講演で、先進国はパンデミック(世界的大流行)の影響を受けた経済をうまく支えたとの認識を示しながらも、まだ勝利は宣言できないとし、低所得国に対する一段の支援が必要と指摘。「力強い回復を支援し、世界的な不均衡の台頭を防ぐために、パートーナー国に対し強力な財政策を維持し、支援を尚早に引き揚げないよう呼び掛ける」と述べた。

このほか、IMFの準備資産である特別引き出し権(SDR)を6500億ドル増強すれば、新型コロナ禍で打撃を受けている世界の最貧国に十分な財源が行きわたると指摘。

米経済については、失業率は実質的にはなお9%近辺にあるため、バイデン政権が打ち出した1兆9000億ドルの景気刺激策や、約2兆ドルのインフラ投資計画などでインフレ圧力が高まるとは考えていないと述べた。

イエレン米財務長官は、法人税率の面で世界の主要国が協調することの重要性を訴えた。トランプ前政権時代の単独行動主義的な政策からの転換を進める中、世界におけるリーダーシップ復活ならびに同盟国の信頼回復を目指す取り組みの一環。

  イエレン長官は5日、国際的な経済政策に関する初の主要な演説で、米国の「国際舞台」への復帰をアピール。中国の名前を挙げつつ、競争環境を公平なものにするため米国には「世界市場での強力なプレゼンス」が必要だと述べた。

  長官は国際通貨基金IMF)・世界銀行の春季会合を控えたシカゴ国際問題評議会(CCGA)の会議で、「米国第一が米国単独ということであっては決してならない」と言明。「世界におけるリーダーシップと関与の欠如は、米国の機関と経済を脆弱(ぜいじゃく)にさせる」と指摘した。

  イエレン氏はトランプ前政権の4年間について、米国を「自ら孤立化させ、米国が築いた国際秩序から後退させた」と批判した。

  多国間による新たなアプローチでは、まず初めに米国が主導する形で20カ国・地域(G20)が法人税における適切な最低税率を見いだすことが重要だとの認識を示した。イエレン氏は、税率引き下げにより各国が企業を引き付けようと競う世界的な「最低税率へのレース」をやめるよう訴えた。

  同氏は「競争力とは、米国に本社を置く企業が国際的な合併や買収で他の企業にどう対抗するかだけではない」と強調。「政府が安定的な税制を持ち、必要な公共財への投資や危機への対応に十分な歳入を得られるようにし、全ての国民が政府の財政負担を公正に分かち合うことでもある」と述べた。

  また、他の主要国に対しては、「力強い回復を促し、世界的な不均衡の発生を回避するため」に強力な財政措置を継続して財政支援を拙速に引き揚げることのないよう求めた。

インフレ圧力には懐疑的

  演説後の質疑応答では、先月成立した1兆9000億ドル(約210兆円)規模の経済対策がインフレ圧力を引き起こすことはないとの見解を繰り返し、今後数年間は低金利が続くとの見方を示した。

  イエレン氏は、同経済対策が「インフレ圧力を招くということには極めて懐疑的だ。米経済は依然として約900万人の雇用を失った深い穴の中にある」と指摘。その上で「ワクチン接種プログラムがこれまで通り進み、成功すれば、来年には完全雇用に戻れると期待している」と述べた。

原題:Yellen: ‘I Strongly Doubt’ Relief Will Stoke Inflation Pressure, Yellen Declares End to Trump’s Global Retreat, Eyes Tax Deal (1)(抜粋)

これはイエレン財務長官が5日に、オンライン形式で行われた経済フォーラムで明らかにしました。

この中でイエレン財務長官は「世界では30年間にわたって法人税率を引き下げる競争が行われてきた」と述べ、各国が企業を誘致するために競い合ってきた法人税率の引き下げが、逆に国の税収基盤を弱らせていると指摘しました。

そのうえで「最低税率の導入によって、グローバル企業への課税をより公平に行うことが、世界経済の発展につながる」と述べ、引き下げ競争を止めるために、主要国の間で共通の最低税率を設定するよう提唱しました。

アメリカのバイデン政権は先に発表した巨額のインフラ投資の財源を確保するために、法人税率を引き上げる方針を示していて、今回の発言はこうした国内の事情も踏まえたものとみられます。

イエレン財務長官は日本時間の7日、予定されているオンラインによるG20=主要20か国の財務相中央銀行総裁会議でも、国際的な税制の枠組みについて言及する見通しです。

アメリカのイエレン財務長官が、主要国の間で法人税の最低税率を共通で設定するよう提唱したことについて、麻生副総理兼財務大臣は、各国が進める国際的な新たな課税ルールの議論に、プラスの材料になるという認識を示しました。

世界各国に展開して利益をあげる巨大IT企業などに対する新たな課税のルールについて、OECD経済協力開発機構の加盟国を中心に137の国と地域でつくるグループは、各国で導入する法人税の「最低税率」の水準などについて、ことし半ばまでの合意を目指して議論を進めています。

こうした中、アメリカのイエレン財務長官は、5日に開かれたフォーラムで、主要国の間で最低税率を設定するよう提唱しました。

これについて麻生副総理兼財務大臣は、6日の閣議のあとの記者会見で「法人税の引き下げ競争を止めるためにもいい流れだ。イエレン財務長官の発言で解決に向けた動機が出てきたことは一歩、前に進んだと理解すべきだ」として、新たな課税のルールの議論にプラスの材料になるという認識を示しました。

一方で、麻生大臣は「国際課税に関しては百何十の国を相手に議論している。『これでまとまった』と言えるほど、単純な話ではない」と述べ、議論がまとまるには、一定の時間がかかるという見通しを示しました。

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