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イエレン米財務長官は7日の上院財政委員会で、国内インフレは高止まりするとの見方を示し、バイデン政権が予算案で今年のインフレ見通しを引き上げる可能性があると示唆した。

米国は「許容できない」水準のインフレに対処しているとした上で、「インフレは高止まりすると予想しているが、低下することを強く望んでいる」と語った。

ここ数カ月の消費者物価指数(CPI)伸び率は8%を超え、40年超ぶりの高水準を記録、バイデン政権の2023年度予算案の予想値を大幅に上回っている。

イエレン長官はバイデン大統領が提案した歳出法案に盛り込まれている処方薬や環境に優しいエネルギーへの取り組みなどの措置は、国民のコスト削減に役立つと指摘。「米国は現在、許容できない水準のインフレに加え、パンデミックに起因する供給網の混乱に伴う向かい風、ロシアのウクライナ侵攻に起因する石油・食料市場への供給の混乱の影響など、マクロ経済上の課題に直面している」と述べた。

<「一過性」の誤り>

イエレン長官は昨年、インフレは一過性ですぐに終息すると予想したことは「誤り」だったと認め、共和党議員から非難を浴びた。この問題を巡っては、8日の下院歳入委員会の公聴会でさらに厳しい追及を受けることになる。

自身もパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長議長も、すぐに沈静化すると考えていたインフレを描写するのに「おそらく一過性よりも良い言葉を使うことができただろう」とした。

また、「インフレは一過性だと発言したとき、経済や世界のサプライチェーン混乱の要因となった複数の新型コロナウイルス変異株と戦うことになるシナリオは想定していなかった」と述懐。「ロシアのウクライナ侵攻が食糧やエネルギー価格に及ぼす影響も想定していなかった」とした。

その上で「労働市場の力強さを損なわずにインフレ圧力を抑制するには、連邦準備理事会(FRB)の金融政策運営を補完する適切な予算スタンスが必要になる」とし、バイデン政権の2023年度予算案は「赤字を削減し、債務による経済的な負担を軽減するという意味で、賢明で財政的に責任のある投資」になるとの考えを示した。

原油価格の圧力>

イエレン長官は、米は主要なエネルギー生産・輸出国ではあるものの、石油価格の変動から身を守ることは「事実上不可能」であるため、再生可能エネルギーへの移行を進める必要があると述べた。

また、ロシアへの経済的圧力を高める取り組みについては、ロシアの石油収入を制限する方法について欧州各国と「極めて積極的に」議論していることを明らかにした。

このほか、国際的な法人税の最低税率を15%とすることを含む世界的な税制改革の促進に注力しているとし、米議会が国際的な法人税最低税率を承認することを期待していると述べた。

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