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サイバー攻撃によって、企業や研究機関などの高度な機密情報が相次いでねらわれているほか、盗み出したデータをもとに金銭を要求するケースも出ていて被害が深刻化しています。

警察庁は来年度、大幅な組織改正を行って、新たに「サイバー局」を設ける方針で、全国の警察との連携やサイバー攻撃に関する情報の収集・分析の体制を強化するとしています。

また、重大なサイバー犯罪に対応する専門部隊を新たに設け、全国から専門知識を持った捜査員など、およそ200人を集めて独自に捜査にあたることにしています。

これまでは、都道府県警察がそれぞれサイバー犯罪の捜査にあたってきましたが、国の直轄の部隊を置くことで、世界各国との連携や捜査技術の向上も期待できるということです。

警察庁は、組織改正に関する費用を来年度予算の概算要求に盛り込むことにしています。

警察庁によりますと去年1年間に国内で確認されたサイバー攻撃に関係するとみられる不審なアクセスは、1日当たり6506件にのぼっています。

2016年の1692件に比べておよそ4倍に増え過去最多になりました。

最近はランサムウェアと呼ばれる悪質なプログラムでパソコンに保存してあるデータを勝手に暗号化し、復元と引き換えに金銭を要求する手口も相次いでいます。

警察庁によりますと、ことしに入って全国の警察には企業などから少なくとも41件の被害の相談が寄せられているということです。

さらに、ことし4月には中国人民解放軍の指示を受けたハッカー集団が、JAXA宇宙航空研究開発機構など日本のおよそ200の企業や研究機関などに対し大規模なサイバー攻撃を行っていた疑いが明らかになり、国レベルが関与する攻撃にどう対応するかが課題になっています。

海外では重要なインフラがサイバー攻撃を受けるケースも起きていて、先月にはアメリカ最大級の石油パイプラインがロシアに拠点を置くハッカー集団から攻撃され一時、ガソリンの供給不足が起きる事態になりました。

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