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アフガニスタンでは2020年2月にアメリカと反政府武装勢力タリバンが結んだ和平合意に基づき、現地に駐留するアメリカ軍がことし5月から本格的に撤退を進めています。

和平合意を受けてタリバンアフガニスタン政府との間で去年9月から停戦協議を行っていますが、戦闘はその後も続いていて、最近では北部の要衝クンドゥズなどで大規模な攻撃をしかけて支配地域を拡大させています。

こうした中、タリバンの幹部の1人、スハイル・シャヒーン氏が27日までにNHKの単独インタビューに応じました。

シャヒーン氏はアメリカ側の複数の関係者と水面下で接触を続けているとしたうえで「和平合意では、アフガニスタン政府との停戦協議の開始から3か月以内にアメリカが戦闘員の解放や幹部への国連の制裁解除に向け取り組むことになっていた」と述べて、アメリカに合意の履行を求め続けていると強調しました。

アメリカのバイデン政権はことし9月までに軍を完全撤退させた後も治安の安定と和平の実現に向けて支援を続けるとしていますが、勢力を拡大させているタリバンとしてはアメリカに対して揺さぶりをかけた形です。

アメリカとタリバンの和平合意を受けて、アフガニスタン政府とタリバンは去年9月から停戦に向けた協議をカタールのドーハで断続的に行ってきました。

しかし、速やかな停戦を求めるアフガニスタン政府に対して、タリバンイスラム法に基づく国の統治を目指すことが先決だとするなど、停戦の条件や政治体制の在り方をめぐって対立し、協議は難航しています。

こうした中でもアフガニスタン各地では政府とタリバンの戦闘が続いているほか、過激派組織IS=イスラミックステートなどによるテロが相次いでいて、国連によりますと、ことし3月までの半年間に亡くなった民間人は1467人と、去年の同じ時期と比べて177人増えました。

タリバンの幹部はNHKの取材に対してイスラム法に基づいた統治の在り方を最優先に協議を進めたが、政府が取り合わない」として政府側の対応を非難する一方、アフガニスタン政府の関係者はタリバンが主張するイスラム教の原理主義的な考え方が交渉の妨げになっている」と話していて、協議の先行きは不透明な情勢です。

タリバンが支配地域を拡大していることに関連して、アメリカの有力紙ウォール・ストリート・ジャーナルは23日アメリカ軍の撤退から早ければ半年でアフガニスタン政府が崩壊する可能性があるとアメリカの情報機関が分析した」と伝えました。

アメリカの情報機関の複数の関係者の話として、アフガニスタン政府はアメリカ軍の撤退から2年程度は存続すると予測していたものの、タリバンの急速な勢力拡大を受けて分析を見直した可能性があると報じています。

アフガニスタンでは、現地に駐留するアメリカ軍が同時多発テロ事件から20年となることし9月までに完全撤退することになっていますが、撤退が本格的に始まった先月以降、反政府武装勢力タリバンが支配地域を拡大させるなど治安が悪化しています。

こうした状況について、アフガニスタンのアブダリ駐日大使はNHKのインタビューで「暴力は減るどころか増えているのが現状だ。そしてそれはタリバンがまだ誠実ではないことを意味している」と述べました。

その一方でアブダリ大使は、アフガニスタン政府として和平への道筋をまとめたロードマップを発表しているとしたうえで、「ボールはタリバン側にあり、彼らがこの公平な案に合意すれば平和は訪れるだろう。日本にはすべての当事者が交渉のテーブルにつくよう力を尽くしてほしい」と述べ、和平の実現に向けて日本の協力が不可欠だという認識を示しました。

さらにアブダリ大使はアフガニスタンタリバンの手に落ちれば、90年代のように地域を越えて世界全体が不安定になる。これは国際的な責任だ」と述べ、軍を撤退させるアメリカや日本を含む国際社会に対して着実に支援を継続するよう改めて求めました。

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