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防衛省は、北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射されたと午後1時前に発表しました。日本の領域には飛来せず、EEZ排他的経済水域内にも落下しないものと推定されるとしています。防衛省は「昨今の北朝鮮による弾道ミサイル等のたび重なる発射は日本を含む国際社会全体にとっての深刻な課題であり、国民の生命・財産を守り抜くため、引き続き情報の収集・分析および警戒監視に全力をあげる」としています。

海上保安庁は、北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射されたと午後0時38分に発表したのに続いて、2発目が発射されたと午後0時43分に発表しました。

海上保安庁によりますと、いずれも日本の排他的経済水域の外側に落下したとみられるということです。

韓国軍の合同参謀本部は、北朝鮮が15日午後、中部の内陸から日本海に向けて弾道ミサイルと見られる2発を発射したと発表しました。飛しょう体の種類や飛行距離などについて、アメリカ軍とともに詳しい分析を進めています。

また、韓国軍は「監視と警戒を強化しながら米韓で緊密に協力し、万全の態勢を維持している」と説明しています。

北朝鮮はことし3月、巡航ミサイルと推定される2発を発射したのに続いて、4日後には東部のハムギョン(咸鏡)南道ハムジュ(咸州)付近から日本海に向けて2発の短距離弾道ミサイルを発射しています。

また、今月11日と12日には新たに開発した長距離巡航ミサイルの発射実験に成功したと13日、発表しました。

発表では、ミサイルは北朝鮮の領土や領海の上空を2時間余り飛行して「1500キロ先の目標に命中した」としています。

政府高官は記者団に対し「日本のEEZ排他的経済水域や領空に入っていないことは確認している」と述べました。

そのうえで記者団が「発射は1発か、複数か」と質問したのに対し「それも含めて分析している。NSC国家安全保障会議の閣僚会合を開催するかどうかは検討中だ」と述べました。

外務省幹部はNHKの取材に対し「日本のEEZ排他的経済水域内には落下していないとみられ、日本の安全保障には影響しないと考えている。先に北朝鮮が発表した巡航ミサイルの発射実験もそうだが、国際社会の目がアフガニスタンに向いている中、挑発的な行為で北朝鮮に目を向かせたいのではないか」と述べました。

韓国軍の合同参謀本部の発表によりますと、北朝鮮は15日午後0時34分と39分、ピョンヤンから北東におよそ80キロ離れたピョンアン(平安)南道のヤンドク(陽徳)付近から、短距離弾道ミサイル2発を発射しました。

飛行距離はおよそ800キロ、高度はおよそ60キロだということで、韓国軍とアメリカ軍は詳しい分析を進めています。

韓国の通信社 連合ニュースは、ロシアの短距離弾道ミサイル「イスカンデル」を改良した「北朝鮮版イスカンデル」だという見方を伝えています。

北朝鮮は今月11日と12日に新たに開発した長距離巡航ミサイルの発射実験に成功したと、13日発表したばかりで、ミサイル開発を推し進める方針に変わりはないと示した形です。

一方、韓国では15日、SLBM=潜水艦発射弾道ミサイルの発射実験が行われました。

立ち会ったムン・ジェイン大統領は「きょうの発射実験は北の挑発に対応したものではない」としながらも「ミサイル戦略の増強こそ北の挑発に対する抑止力になる」と述べました。

韓国の大統領府や国防省によりますと15日、国防科学研究所の試験場で、ムン・ジェイン大統領やソ・ウク(徐旭)国防相らも立ち会うなか、SLBMの発射実験を行ったということです。

ミサイルは3000トン級の潜水艦に搭載されて水中から発射され、計画どおり飛行したあと目標に正確に命中し、発射実験は成功したとしています。

潜水艦からSLBMの発射に成功したのは、アメリカやロシア、中国などに続いて7か国目で今後、軍に配備される予定だということです。

ムン大統領は、北朝鮮が15日に行った弾道ミサイルの発射との関連について「きょうの発射実験は北の挑発に対応したものではない」と述べ、発射実験は事前に計画されていたものだと説明しました。

一方で「韓国のミサイル戦力の増強こそ、北の挑発に対する確実な抑止力になりうる。今後も北の戦力に対抗し、圧倒できるよう強力な防衛力を備えて最善を尽くしてほしい」と述べたということです。

北朝鮮もことし1月と去年10月の軍事パレードで、新型とみられるSLBMを公開するなど開発を続けていて、韓国側の動きに反発することも予想されます。

防衛省によりますと、北朝鮮は15日午後0時32分ごろと午後0時37分ごろ、内陸部から少なくとも2発の弾道ミサイルを東方向に発射したもようです。

このミサイルについて、政府は発射直後の情報に基づいて日本の排他的経済水域の外に落下したと推定されると発表していましたが、防衛省関係者によりますと、その後の分析によって100キロ未満の低い高度を、変則的な軌道でおよそ750キロ飛しょうし、排他的経済水域の内側の日本海に落下したとみられることがわかったということです。

北朝鮮弾道ミサイルが日本の排他的経済水域の内側に落下したとみられるのは、おととし10月2日以来です。

防衛省は、今回発射されたミサイルの性能や飛しょうしたコースなどについて引き続き、詳しい分析を進めています。

北朝鮮弾道ミサイルが日本の排他的経済水域に落下したとみられるのは、おととし10月2日以来です。

防衛省によりますと、このときは日本海に面する東部のウォンサン(元山)から発射されたミサイル1発がおよそ450キロ飛行して、島根県島後沖の排他的経済水域に落下しました。

このとき発射されたミサイルについて、防衛省は、新型のSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルで、射程が2000キロ程度となる可能性があると分析しています。
北朝鮮が発射した弾道ミサイルの種類について韓国の通信社・連合ニュースは「北朝鮮版イスカンデル」という見方を伝えています。

このミサイルは、低空で飛行して変則的な軌道で落下するロシアの短距離弾道ミサイル「イスカンデル」に形が似ているのが特徴です。

連合ニュースは複数の韓国政府消息筋の話として「高度を下げたあとに再び上昇する『プルアップ』と呼ばれる変則的な動きが捉えられた」として、「ことし3月25日に日本海に向けて発射されたものと同じ種類とみられる」と報じています。

3月に発射されたミサイルについて韓国国防省は飛行距離がおよそ600キロ、高度がおよそ60キロだったとしていて、北朝鮮は発射の翌日に「新型戦略弾道弾」の発射実験と発表していました。

北朝鮮から発射された弾道ミサイルについて、政府は、15日午後0時32分と0時37分ごろ、内陸部から、少なくとも2発を東方向に発射し、発射直後の情報に基づいて排他的経済水域の外に落下したと推定されると発表していました。

これについて、岸防衛大臣は、今夜、防衛省で記者団に対し「発射された弾道ミサイルは、従来から北朝鮮保有しているスカッドの軌道よりも低い高度、最高高度で約50キロメートル程度を、変則軌道で約750キロ程度飛しょうし、日本海上に落下したものと推定される」と述べました。

そして、落下地点について現時点では能登半島沖の舳倉島の北約300キロ程度の、日本の排他的経済水域の内側と推定されると明らかにしました。

そのうえで、岸防衛大臣は、「防衛省として引き続き、関連情報の収集と分析に努めるとともに、これまで以上に、警戒監視に万全を期していく。アメリカや韓国をはじめとして関係国と緊密に連携しながら、国民の命、平和な暮らしを断固として守り抜いていく」と述べました。

中国の王毅外相はベトナムカンボジア、それにシンガポールに続いて、14日から韓国を訪れていて、15日午前、ソウルでチョン・ウィヨン外相と会談しました。

会談の冒頭で王外相は、中韓両国の国交樹立から来年で30年になることについて「両国は密接に交流して戦略的パートナー関係を構築してきた」と述べたうえで、さらなる関係強化をはかる考えを示しました。

これに対し、チョン外相は「朝鮮半島の完全な非核化と恒久的な平和定着という共同の目標達成のため、両国は核心的なパートナーとして緊密に協力してきた」と強調し、韓国政府の対北朝鮮政策を引き続き支持するよう求めました。

朝鮮半島情勢をめぐっては、北朝鮮が長距離巡航ミサイルの発射実験に成功したと発表し、日米韓の高官は14日に最新の情報を共有し、引き続き連携を強化する方針を確認しています。

会談に先立ち、韓国の通信社 連合ニュースは、米中関係に関連した意見も交わされるとみられると伝えていて「王外相が韓国と米国の接近をけん制する可能性もある」という見方も報じています。

中国の王毅外相は、ベトナムカンボジア、それにシンガポールに続いて、14日から韓国を訪れていて、15日午前、ソウルでチョン・ウィヨン(鄭義溶)外相と会談し、両国の関係強化について意見を交わしました。

このあとムン・ジェイン大統領と会談し、韓国大統領府によりますと、ムン大統領が北朝鮮との対話再開に向けて中国の協力を求めました。

これに対して、王外相は朝鮮半島の非核化と南北関係の発展を支持する立場だとしたうえで、引き続き建設的な役割を果たしていくとする考えを示したということです。

このあと王外相は、チョン外相と昼食をともにしましたが、韓国の連合ニュースによりますと、昼食の直前に北朝鮮弾道ミサイルを発射し、これについて王外相は立場を示さなかったということです。

連合ニュースは「北朝鮮王毅外相が韓国にいる間にミサイルを発射した。韓国政府が朝鮮半島の平和に向けた役割を中国に頼むなかで、中国の立場を難しくしかねないとみることもできる」と伝えています。

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