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イエレン米財務長官は22日、バイデン大統領が再任を指名したパウエル連邦準備理事会(FRB)議長は長期的に重要な役割を果たし、インフレが「エンデミック(一定地域で普段から継続的に発生する状態)」にならないことを確実にするだろうと述べた。

同長官はCNBCで、パウエル氏の再任指名とブレイナード理事の副議長指名は議会から幅広い支持を得られるだろうと指摘。両氏には最大雇用と物価安定の維持というFRBの2つの責務(デュアルマンデート)のバランスを取るために「適切な判断を下す」能力があると確信しているとした。

また「われわれはインフレを強く懸念する必要がある。大半の米国人が食料を買いに行ったり、自動車にガソリンを入れたりする際にインフレを目の当たりにし懐具合を確認しており、懸念すべき水準に達している」と言及。需給の不均衡と経済的なボトルネックがインフレ要因であり、解消する必要があるとした上で、インフレが「エンデミックにならないように、FRBは長期的に重要な役割を果たさなければならず、そのためにパウエル氏は頼りになる」とした。

米経済は現在、堅調に成長しており、来年も継続するだろうが、失業率の低下や家計の貯蓄増大などを考慮して金融政策による支援がどの程度必要なのかを判断するのはFRBだと強調。市場を見る限り、インフレが米経済で長期的に持続したりエンデミックになったりすることはないとの確信が得られるとした。

さらに気候変動は「金融機関に大きなリスクをもたらす」ことから、FRBがストレステスト(健全性審査)の一環として気候変動の分析を盛り込む準備を整えていると明かした。

イエレン米財務長官は22日、来年後半にはインフレが落ち着くとの見通しを示した。雇用が増え、消費者の需要がモノからサービスにシフトし、サプライチェーンの問題が収まるとしている。

  同長官はオンライン形式で開かれた商業会議所関連のイベントで、米消費者物価指数(CPI)が2022年7-12月(下期)に前月比で約0.2-0.3%上昇になるとみていると述べた。

  今月発表された10月のCPIは前月比0.9%上昇だったが、これは新型コロナウイルスパンデミック(世界的大流行)で生じた結果だと指摘。パウエル連邦準備制度理事会FRB)議長続投とブレイナード理事の副議長昇格の人事をバイデン大統領が決めたことを踏まえ、米金融当局が1970年代のようなインフレを回避できると確信していると語った。

  前FRB議長であるイエレン長官は70年代のインフレに再び見舞われる「心配はしていない」と話した。

原題:Yellen Sees Monthly Inflation Back in 0.2% Range Later in 2022 (抜粋)

米連邦準備制度理事会FRB)のパウエル議長は22日、雇用増加を後押しし、消費者物価の急速な上昇を抑制するため、金融当局の「ツールを活用する」と明言した。バイデン大統領はこの日、パウエル議長の再任とブレイナード理事の副議長昇格を発表した。

  バイデン大統領はホワイトハウスで今回の人事について発表。同席したパウエル議長は、「高インフレが家計に大きな打撃を与えていることは承知している。特に、食品や住宅、交通手段といった生活に欠かせない部分でのコスト上昇への対応能力が相対的に低い人々には厳しい状況だ」と指摘。「われわれは、経済と力強い労働市場を支援するとともに、インフレ高進が定着しないようツールを活用していく」と語った。

  パウエル氏に続いて発言したブレイナード氏は「米労働者を金融当局での職務の中心に据えることを約束する」と表明。「つまりそれは、仕事と給与の行方を誰もが意識する今の状況においてインフレ率を押し下げるということだ」と付け加えた。

原題:Fed’s Powell, Brainard Stress U.S. Inflation Battle Is Priority(抜粋)

バイデン米大統領連邦準備制度理事会FRB)の次期議長にパウエル現議長を再指名し、ブレイナード理事を副議長に昇格させる人事を行った。米国が約30年ぶりの高インフレに見舞われ、新型コロナウイルス感染拡大の影響が長引く中で、金融当局の一貫性を重視した。

バイデン氏、金融当局に「安定と独立性が必要」-パウエル議長再任で

  ホワイトハウスが22日に人事を発表した。バイデン政権は、米経済がコロナ禍から抜け出すのに尽力してきたパウエル氏に報いると同時に、消費者物価の急上昇から景気回復を守る任務を同氏に委ねた。また、前任の大統領が起用したFRB議長を続投させるという慣例の復活も、今回の人事は意味する。共和党員であるパウエル氏については、上院での承認が円滑に進む公算が大きい。ただ、民主党進歩派は失望しているかもしれない。パウエル氏は1期目の指名公聴会では賛成84票、反対13票で承認された。

  ブレイナード理事は退任するクラリダ副議長の後任として指名されたが、金融規制強化を支持してきたことから、指名公聴会で上院共和党からの反対に遭う可能性がある。ブレイナード氏は議長ポストに関してバイデン大統領から面談を設定されていたことが、事情に詳しい関係者の話で明らかになっている。また、銀行監督担当の次期副議長の有力候補とも目されていた。こちらの副議長職はまだ埋まっていない。

  ホワイトハウスの声明によれば、バイデン氏は銀行監督担当の副議長ポストおよび空席となっている他の理事ポストについて、12月初旬以降に発表を行っていく予定。

  グラント・ソーントンのチーフエコノミスト、ダイアン・スウォンク氏は「米連邦準備制度にとって不確実な状況が続いてきた中、今回の人事はつかの間の確実性を与える」と指摘。「パウエル、ブレイナード両氏は、米金融当局が不平等の是正に重心を移すのに貢献してきたパワフルなコンビだ」と述べた。

  上院銀行住宅都市委員会のブラウン委員長(民主)と、同委の共和党筆頭理事であるトゥーミー議員はいずれも、パウエル氏の再任を支持する考えを示唆した。

インフレとの闘いが最優先事項-パウエル、ブレイナード両氏が強調

  バイデン大統領は自身の決定について、パウエル、ブレイナード両氏に19日に伝えていた。大統領は声明で「パウエル、ブレイナード両氏はインフレを低水準にとどめ、物価の安定を維持し、完全雇用を実現することに重点を置いており、それがわが国経済をかつてなく強いものにすると確信している」と説明した。

  チャールズ・シュワブのチーフ債券ストラテジスト、キャシー・ジョーンズ氏は、パウエル議長が再指名されたことで「市場は明らかに米金融当局がテーパリング(資産購入の段階的縮小)のペースを加速させ、利上げ開始のタイミングを前倒しする可能性に目を向けている」と、ブルームバーグテレビジョンで述べた。

パウエル氏続投、メルトアップ市場では望み通り-市場関係者の見方

大きく異なる2期目

  パウエル議長の2期目は、1期目とは大きく異なるものになる。経済は回復しつつあるが、インフレは高進し、新型コロナ感染件数は高止まりしている。サプライチェーンの制約も強い不透明感につながっている。

  こうした状況は、パウエル議長の主導で米金融当局が2020年に公表した新たな戦略に課題を突き付けている。この戦略の下、当局は従来ペース以上の景気拡大を容認し、それによって雇用と賃金を押し上げることを狙っていた。特に、社会的に取り残された労働者や少数派に恩恵が及ぶことを意図していた。

  しかし物価の高騰を受け、米金融当局の引き締め策が後手に回っており、昨年打ち出した金融政策の新たなフレームワークが現在の環境にそぐわなくなっているとの批判も招いている。

原題:Biden Keeps Powell as Fed Chief, Names Brainard Vice Chair (4)(抜粋)、Biden Keeps Powell as Fed Chief, Elevates Brainard to Vice Chair(抜粋)

バイデン米大統領は22日、パウエル連邦準備理事会(FRB)議長(68)を続投させる方針を決めた。新型コロナウイルス危機に迅速に対応した手腕を評価した。インフレが高止まりする中、金融政策の継続を重視した決定となる。

上院で承認されれば、任期は1期目の任期が切れる来年2月から4年となる。

バイデン大統領はさらに、次期FRB議長の有力候補だったブレイナード理事(59)を副議長に指名した。

バイデン大統領は記者団にコメントを送付し「まだまだやるべきことはあるが、この10カ月間で米国民が仕事に戻り、経済が再び動き出したことで、われわれは目覚ましい進歩を遂げた。この成功は、私が追求してきた経済政策と、FRBが取った断固とした行動の証しだ」と述べた。

さらに「今年の経済面での成功の拡大継続を望むのであれば、FRBの安定と独立性維持が必要」とし、「パウエル、ブレイナード両氏が米国に必要な強力なリーダーシップを発揮すると全幅の信頼を置いている」と言明した。

その後の指名正式発表では、バイデン大統領は、コロナ禍で「休止した経済は成長で世界をリードする経済に移行した」とし、パニックに陥った市場を落ち着かせたパウエル氏の「安定したリーダーシップ」と最大雇用を支える金融政策に対する信念を評価。「適切な人材であると確信している」と言明した。

FRBの安定性と独立性が必要」とも強調。「パウエル氏は前政権下で先例のない政治的干渉に立ち向かい、整合性および信頼性を維持した」と称賛した。

指名を受けたパウエル、ブレイナード両氏は共に、高インフレが米国の経済と家計に甚大な影響を及ぼしているとの認識を示した。FRBが今後、急激な物価上昇の制御を政策の最優先事項に設定する可能性がある。

パウエル氏が再任されるとのニュースを受け、米株価、米債券利回り、ドルは総じて上昇した。

パウエル氏は民間部門出身の弁護士で、2012年にオバマ元大統領にFRB理事に起用された。18年にはトランプ前大統領の指名を受け、議長に就任した。20年初めのパンデミック(世界的大流行)初期、迅速かつ積極的な金融政策を実施し、深刻な不況を回避したと評価された。

ホワイトハウスとしては、最近のインフレ高進によって不確実性が高まる中、パウエル氏再任によって、FRBのトップ交代による政治的リスクを避ける狙いもあったとみられる。

ブレイナード氏は経済学博士号を取得したエコノミストで、クリントンオバマ元政権下の金融政策立案で主要な役割を担った後、過去7年間はFRB理事として、金融政策に加え、金融規制や気候変動など幅広い分野で手腕を発揮した。

また、10月以降空席となっている金融規制担当の副議長ポストと他のFRB理事人事について、バイデン大統領は12月初旬に発表する計画としている。

金融規制担当の副議長はこれまでクォールズFRB理事が兼任していたが、10月に任期満了となった。クオールズ氏は12月末に退任する。

FRB副議長の指名を受ける前、ブレイナード氏が金融監督を巡り、クォールズ氏の後任になるとみられていた。アナリストによると、現時点ではラスキンFRB理事やアトランタ地区連銀のボスティック総裁、銀行監督当局である通貨監督庁(OCC)のスー長官代行、リャン財務次官らが候補に挙がっているという。

こうした中、民主党のウォーレン上院議員は、パウエル氏の2期目続投に反対票を投じると改めて表明した。

ブレイナード氏の副議長への指名については支持を表明し、金融規制担当の副議長ポスト人事は「極めて重要」という見方を示した。

ウォーレン議員はこれまでに、パウエル氏がFRBを率いるには「危険な人物」で、金融システムを効果的に規制できなかっただけでなく、FRB当局者の倫理的な失態に対応することもできなかったと批判している。

しかし、パウエル氏は上院で超党派の支持を得ていることから、ウォーレン議長の反対票が承認獲得に影響する公算は小さいとみられる。

バイデン大統領は22日、中央銀行にあたるFRBの人事を発表し、来年2月に任期が切れるパウエル議長を再任すると明らかにしました。

パウエル議長は、トランプ前政権時代の2018年に議長に就任し、新型コロナウイルスの感染が急拡大した去年3月には、ゼロ金利量的緩和からなる大規模な金融緩和策を導入して、経済の下支えに努めてきました。

与党・民主党の急進左派からは、金融機関の規制や気候変動問題への取り組みが不十分だとして再任を支持しない声もありましたが、バイデン大統領はこれまでの手腕を評価した形です。

また、民主党内で女性議長に推す声が上がっていたFRBのブレイナード理事については、副議長に指名するとしています。

バイデン大統領は声明で「2人が物価の安定や雇用の改善に向けた取り組みで経済をこれまでになく強くしてくれると確信している」などと期待を示しました。

今回の人事は、議会の承認を経て正式に決まります。

FRBは今月、量的緩和の規模の縮小を始め、コロナ禍の危機対応からの政策転換を進めていますが、アメリカ経済はインフレ懸念が強まっていて、パウエル議長は景気の回復を維持しながら物価上昇を抑えていく課題に向き合うことになります。

アメリカのバイデン大統領は22日、指名した2人とともにホワイトハウスで記者会見を開きました。

この中で、バイデン大統領は「パウエル議長が家庭や経済が直面するインフレの脅威に対処し、最後までやり遂げるのにふさわしい人物だと確信している」と述べ、パウエル議長の手腕に期待を示しました。

一方、再任の指名を受けたパウエル議長は「高いインフレは食料などの必需品の費用の増加に対応できない家庭に打撃を与えてしまう。経済と強い労働市場を支えながら、さらにインフレが続かないようにするための手段を活用していく」と述べ、インフレへの対処に取り組む姿勢を強調しました。

また、副議長に指名されたブレイナード理事も「私の仕事は、働く人たちを中心に据えることだ。耐久力のある景気回復を作り出すためにパウエル議長と一緒に取り組んでいく」と述べ、意欲を示しました。

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