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南太平洋のニューカレドニアは大小の島々からなる人口およそ27万の地域で、19世紀にフランスが併合しましたが、貧富の格差などへの不満を背景に先住民族の「カナック」を中心とする独立運動が活発化しました。

独立の賛否を問う住民投票は、フランス政府と独立賛成派などが1998年に結んだ協定に基づき、12日、行われたもので、即日開票されます。

ニューカレドニアは電気自動車のバッテリーなどに使われるニッケルの世界有数の産地で、経済的な重要性も高いほか、フランス軍も基地を置き、インド太平洋戦略を進めるフランスにとって重要な拠点となっています。

一方、ニューカレドニア周辺の太平洋地域の島しょ国では、中国がインフラなどさまざまな分野への投資を通じて関係を深めています。

住民投票はこれまで2回行われ、いずれも反対が多数を占めましたが、2回目は賛成票の割合が増えました。

今回、さらに伸びるのではないかという見方もありますが、賛成派は新型コロナウイルスの影響で準備ができていないなどとして延期を求め、ボイコットを呼びかけています。

投票の結果、独立することになれば、太平洋地域の島しょ国との関係を深めている中国の影響力がさらに強まる可能性があるという見方もあって、結果に関心が集まっています。

フランス領のニューカレドニアは、オーストラリアの東、南太平洋にある大小の島々からなる地域で、人口はおよそ27万です。

さんご礁の海が広がり「天国に一番近い島」とも呼ばれる日本人にも人気のリゾート地です。

19世紀半ばにフランスが併合し、20世紀前半にかけては凶悪犯や政治犯流刑地とされましたが、希少金属のニッケルが見つかったことで鉱山開発が盛んになり、ヨーロッパや日本を含むアジアから多くの労働者が移住しました。

一方で1960年代から、権利の回復を求める先住民族の「カナック」を中心に植民地支配からの独立を目指す運動が活発化し、1980年代には貧富の格差などに対する不満を背景に、治安部隊との間で死傷者を伴う衝突にまで発展しました。

その後の1998年、フランス政府と独立派などが、20年後までに独立の賛否を問う住民投票を実施することなどを定めた協定を結びました。

この中では、独立が否決された場合でもさらに2回、住民投票を行うことができるとされています。

この協定に基づいて2018年11月、1回目の住民投票が行われ、反対56.7%、賛成43.3%でした。

また去年10月に行われた2回目の投票では反対53.3%、賛成46.7%と、いずれも独立への「反対」が「賛成」を上回り、過半数を占めました。

ただ、去年の賛成票は前回よりも3ポイント余り増え、差は狭まっていました。

今回は協定に基づく最後の投票ともなり、結果に関心が集まっています。

フランスはインド太平洋地域に多くの海外領土を持ち、この地域での排他的経済水域アメリカに次ぐ2番目の広さがあります。

このためヨーロッパの中でもいち早く、2018年にインド太平洋戦略を打ち出し、海洋進出を強める中国を念頭に、日本をはじめ、各国との連携を強めていて、ニューカレドニアにあるフランス軍の基地は重要な拠点となっています。

またニューカレドニアは天然資源にも恵まれ、とりわけ電気自動車のバッテリーの原材料として需要も高まっている希少金属の一種、ニッケルの世界有数の産地です。

その最大規模の輸出先が中国となっています。

中国はパプアニューギニアソロモン諸島、フィジーなど、ニューカレドニア周辺の島しょ国で、インフラ整備や経済支援などを通じて影響力を強めています。

このためニューカレドニアが独立すると中国の進出が本格化し、その影響力が強まる可能性が指摘されています。

太平洋地域の情勢に詳しいフランスの専門家、バスチャン・バンドンディク氏は「もしニューカレドニアが独立すれば、中国の衛星国になるだろう。なぜならフランスが守ってくれなくなるからだ。こうした事態は南太平洋のほかの国々でも起きている」と分析しました。

そのうえでフランスへの影響についてニューカレドニアがあることで、フランスは太平洋地域での外交や経済、軍事面での活動が可能になっている。もし独立することになれば、フランスは最も重要で戦略的な海外領土を失うことになる」と述べ、フランスは戦略の見直しを迫られるという見方を示しました。

今回の住民投票についてフランスのメディアは、投票の結果、ニューカレドニアが独立すれば、中国の影響力が強まる可能性があると警戒する見方を伝えています。

このうちフランスの有力紙「フィガロ」は今月3日、電子版で、オーストラリアの潜水艦の開発計画をめぐってフランスとアメリカなどの関係が一時ぎくしゃくしたことを取り上げ「太平洋地域における中国の拡張主義的な野心を勢いづかせてしまった」と指摘しました。

そのうえで「ニューカレドニアが独立した場合、中国の影響下に入るリスクが各方面から指摘されている」と伝えています。

ニューカレドニアの情勢に詳しい専門家は、仮に独立賛成派が勝利し、ニューカレドニアが独立した場合、中国の影響力が強まる可能性があると指摘しています。

南太平洋では近年、中国が主にインフラ建設への支援や投資によって影響力を強めています。

太平洋島しょ国 地域には14の島国のほか、ニューカレドニアポリネシアという2つのフランス領があり、このうちソロモン諸島キリバスがおととし、相次いで台湾と断交し、中国と国交を結びました。

ニューカレドニアの情勢に詳しいオーストラリアのシンクタンク「ローウィー研究所」のアレクサンドレ・ダヤント氏は「ニューカレドニアでは中国の進出をフランスが抑えてきたため、中国の影響力は現時点では少ない」と分析しています。

しかしその一方で「仮に独立した場合、中国にとって最大の利点は、現地で産出されるニッケルを通じた経済面での接近だ。フランスが完全に去ればニューカレドニア政府は財源不足に陥り、中国に支援を求めることも考えられる」と述べ、ニッケルの取り引きなどを通して中国の影響力が強まる可能性があるとの見方を示しました。

ニューカレドニアでも新型コロナウイルスの感染拡大によって多くの犠牲者が出たことから、住民投票にあたって、先住民を中心とする独立賛成派は「伝統に従い、喪に服す期間が必要だ」として、投票日を延期するようフランス政府に求めました。

しかしフランス政府がこの要請に応じなかったため、賛成派は支持者に投票をボイコットするよう呼びかけていました。

現地では賛成派が住民投票で敗北した場合、暴動を起こすのではないかという不安が高まり、フランス政府は本国から警察や軍を派遣し、警備を強化しています。

投票日前日の11日、最大都市ヌーメアの政府の庁舎や市場の周辺では警察官らが巡回し、警戒に当たっていました。

ニューカレドニア日本人会の理事で、30年近く現地で暮らす高橋リサさんはNHKの取材に対して「前回や前々回の住民投票と比べると街の中は本当に静かで、逆に怖いくらいだ。投票の翌日以降、暴動が起きないか心配している」と話していました。

フランス国営テレビは開票の途中経過として、日本時間の午後8時すぎ、開票率およそ95%の段階で、独立反対が96%以上と圧倒的多数を占めていると伝え、ニューカレドニアはフランスにとどまることになりました。

独立賛成派は新型コロナウイルスの影響で準備ができていないとして延期を求め、ボイコットを呼びかけていたことが影響したとみられます。

ニューカレドニア希少金属・ニッケルの世界有数の産地で、仮に独立することになれば、太平洋地域の島しょ国との関係を深めている中国の影響力がさらに強まるとも指摘され、結果に関心が集まっていました。

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