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太平洋島しょ国の周辺海域で漁船による違法操業が問題となるなか、キリバス海上保安当局が日本の海上保安庁から初めて派遣された職員に立ち入り検査のしかたなどを学びました。

この訓練は、キリバスの首都タラワで、先月19日から1週間にわたって初めて行われました。

キリバス当局の職員たちは巡視船に乗り込み、海上保安庁の3人の職員から違法な操業を行う漁船などへの取締りを想定し、立ち入り検査のしかたを学びました。

また、小型のボートで接近して船に乗り込む訓練も行われました。

漁業資源が豊富なキリバスの周辺海域では近年、違法操業する漁船が増えている一方、海上保安当局の職員はおよそ40人で巡視船も1隻しかなく、どう効果的に取締りを行うかが課題となっています。

こうした中、海上保安庁は「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて2017年から専従部門を設け、支援に力を入れていて今回の訓練が行われました。

キリバス警察海洋部のトム・レドファン船長は「海上保安庁キリバスにきてくれたことは画期的なことだ。訓練では多くの新しいことを学ぶことができた」と話していました。

海上保安庁西村一星課長補佐は「取締りの際に相手を制圧するための武術を教えてほしいなど具体的な要望もあった。装備などのハード面と今回のようなソフト面の支援を両立させて必要な支援を実施していきたい」と話していました。

太平洋地域の島しょ国に支援拡大

太平洋地域の島しょ国には伝統的に親日の国が多く、日本は近年、こうした国々に対して、支援を拡大しています。

キリバスに対してはおととし、新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、国際的な枠組み「COVAXファシリティ」を通じてワクチンを提供しています。

ことし1月には2国間関係の重要性が増しているとして、キリバス日本大使館を開設しました。

また、日本は太平洋地域の国や地域と連携を深めるために3年に1回、首脳らが参加する「太平洋・島サミット」を開催していて、各国で課題となっている海洋安全保障や気候変動などについて意見を交わしています。

さらに、ことし6月に決定したインフラ輸出の新たな戦略で、太平洋島しょ国を重点地域の一つに位置づけ、基幹インフラ整備に取り組むほか、アメリカやオーストラリア、インドとともに海底ケーブルの整備や高速・大容量の通信規格、5Gのネットワーク構築に向けた協力を推進するとしています。

背景に存在感強める中国の影響

日本が、キリバスを含めた太平洋島しょ国への支援に力を入れている背景にこの地域で存在感を強めている中国の影響があります。

キリバスは4年前の2019年9月に、同じ地域にあるソロモン諸島に続いて台湾と断交し、中国と国交を樹立しました。

さらに巨大経済圏構想「一帯一路」を掲げる中国から、港湾施設や滑走路の整備などで投資や支援を受けるなど、中国との協力関係を深めています。

中国としてはキリバスが広大なEEZ排他的経済水域を持ち、水産資源や海底資源などが豊富なことから開発を支援することで、資源を確保したい思惑があるとみられます。

さらに中国は、この地域で軍事面での関与を強めていると指摘される動きもみせていて、去年4月にはソロモン諸島と安全保障協定を結んだと発表しました。

こうした中、アメリカのバイデン政権も去年7月、キリバスなどに大使館の開設を目指すことを明らかにするなど太平洋地域の島しょ国との関係強化に動いています。

専門家「中国とは異なる支援を」

インド太平洋地域の安全保障に詳しい明海大学の小谷哲男教授は、中国が太平洋島しょ国との関係強化を図る背景について「太平洋島しょ国のEEZ排他的経済水域で、中国が漁業をしやすい環境を整えることや海底資源の開発をねらっている可能性が考えられる。経済面と安全保障面で多くの利益を得ることができるとの観点からこの地域を強く重視してきた」と指摘します。

そのうえで「日本としては地理的に非常に遠いところにあるため外交上の関心を維持し続けることが難しいのが実情で、中国がその隙をつくような形で影響力や存在感を増してきた」と分析しています。

一方で、日本にとってこの海域は重要なシーレーンで、太平洋地域の安定が日本の平和と繁栄に非常に重要であると指摘し、今回の海上保安庁の支援について「太平洋島しょ国としてもみずからの海域を守るため、海上での犯罪の取締りや災害救援の能力を高めたいという希望がある。海上保安庁は非常に重要な役割を果たすことができると思う」と述べ、中国とは異なる形で相手国のニーズを踏まえた支援を続けていくことが重要だと指摘しています。

太平洋島しょ国の海上保安機関職員が来日 研修も

太平洋島しょ国の海上保安機関の職員たちが来日し、日本の海上保安官から不審船への立ち入り検査や相手から抵抗された際の対処のしかたを学びました。

横浜市で行われた研修は、今月5日にJICA=国際協力機構のプログラムの一環で実施され、太平洋島しょ国のソロモン諸島パプアニューギニアなど12か国から合わせて17人が参加しました。

研修では違法操業の疑いがある漁船や不審な船に対する立ち入り検査で、相手に抵抗された際の対処方法について海上保安庁の職員から直接、指導を受けました。

この中では、抵抗する相手を制圧する際、危害を加えずに取り押さえる方法や、相手から襟をつかまれた時の対処のしかたなど実践的な動きを学んでいました。

太平洋島しょ国周辺の海域では、違法操業が問題となっていて、海上保安庁は「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けてこうした分野での支援を進めています。

パプアニューギニア当局の参加者は「今回学んだ技能を活用することで、武器の使用を最小限にできると思う」と話していました。

また、ソロモン諸島当局の参加者は「こうした訓練は貴重な機会だ。習った技能は自分の国でも非常に役立つと思う」と話していました。

#日里(違法操業取り締り訓練)

ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナで犠牲となった市民の身元の特定が課題となる中、ウクライナの警察官が来日し、日本の警察から指紋やDNAのデータ管理など専門的な手法を学びました。

来日しているのは、ウクライナの国家警察の警察官10人で、ロシア軍の攻撃で亡くなった市民の身元の特定に必要な技術などを日本の警察から学ぼうと訪れています。

10日は、都内の施設で歓迎の式典が開かれ、はじめに警察庁の筒井洋樹長官官房審議官が、東日本大震災などで亡くなった人の身元の確認を日本の警察が行ってきた経験について触れたうえで「震災と戦災という違いはあるが、ご遺体を1日も早くご家族のもとにかえすことは警察の共通の責務だ」と述べ、ウクライナの警察を支援していく考えを示しました。

これに対し、視察団の団長のオレクサンドル・シュルハ氏は「ウクライナの国民は毎日戦争で苦しめられている。今回の視察は、非常に有益なものになると思う」と述べ、謝意を示しました。

このあと一行は、麻布警察署で、指紋採取の実習に臨むとともに、指紋やDNAなどの情報をいつでも照合できるよう、データベースで管理していることなど専門的な手法を学びました。

ウクライナの警察官らは、今月13日からは福島県警察本部の科学捜査研究所などを訪れ、震災で亡くなった多くの人たちの身元の特定をどう進めてきたか、当時の経験について聞き取ることにしています。

#ウクライナ復興支援(日本・警察・身元特定技術)

政府が半導体サプライチェーン=供給網の強化に向けて、生産拠点の誘致を進める中、国内各地で半導体に関連した生産拠点の新設や増強の動きが出ています。

一方で、半導体は洗浄などの工程で大量の水を使用するため、工業用水の確保が課題になっています。

このうち、台湾のTSMCソニーグループなどと共同で熊本県に建設する工場では地下水を利用する予定です。

第2工場の建設も検討される中、地域住民の間では、地下水への影響も懸念されていて熊本県は、工業用水の利用に必要な設備の建設を検討しています。

こうしたことから経済産業省は生産拠点の誘致とあわせて、インフラの整備も重要だとして、工業用水の利用に必要な浄水場や送水管といった設備の建設に対し、補助金を支給する新たな制度を設ける方針を固めました。

今後、民間企業に運営を委託して経営の効率化を図る事業者を支援するなど、具体的な制度の検討を進めます。

新規建設への補助金は工場の海外移転などの影響で需要が減少傾向にあったため、7年前の平成28年度以降は停止されていましたが、半導体を中心に生産拠点の国内回帰が進む中、新たな制度へと転換することになります。

#半導体(工業用水確保・インフラ整備・補助金

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#外交・安全保障