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今月15日にトンガ付近で発生した大規模な海底火山の噴火についてトンガ政府は、これまでに3人が死亡し、多くのけが人が出たほか島々で家屋が倒壊するなどの被害が出ていると発表しています。

現地では津波によって海底ケーブルが損傷したことで、今もなお電話やインターネットの通信が困難で、離島も数多くあることから被害の全容がつかめない状況が続いています。

こうした中、周辺国による支援が本格化していて、オーストラリアとニュージーランド20日から軍の航空機や艦船で飲料水や通信機器などの支援物資を届けているほか、日本の自衛隊の輸送機が22日にも飲料水を届ける予定です。

またニュージーランド軍は、港の被害状況を調査するための人員を現地に派遣し、今後の支援活動に向けて船が安全に着岸できるかどうか調査を進めています。

ただトンガでは、新型コロナウイルスの厳しい水際対策を続けていることから各国は人との接触を避けて支援物資を引き渡すなどの対応を求められていて、支援活動と感染対策をどう両立させるかが課題になっています。

FAO=国連食糧農業機関は、トンガの基幹産業である農畜産業と水産業について、従事している世帯の85%にあたるおよそ1万2000世帯が、今回の大規模な海底火山の噴火の影響を受けたと推定されることを21日明らかにしました。

具体的には、降り注いだ火山灰や津波による浸水などによって、サツマイモなどの野菜や果物の農地、豚や鶏などの家畜などに被害が出ているとみられるということです。

また沿岸部は、海底火山からの噴出物や津波によって運ばれたがれきで損傷したり汚染されたりしている可能性が高いとしています。

トンガは近年、サイクロンなどの自然災害にたびたび見舞われ、人口のおよそ23%が食糧難に陥っていたところに今回の噴火が追い打ちをかけることが懸念されています。

FAOの担当者は「全体像はまだ分かっていないが、トンガが短期と長期の支援を必要とすることは明らかだ。今回の災害は深刻で、ぜい弱な地域社会が立ち直れるよう支援活動を強化していく」とコメントしています。

トンガを支援するため、およそ5000リットルの飲料水を載せた航空自衛隊のC130輸送機2機20日、愛知県の小牧基地を出発しました。

このうち1機は21日午後、オーストラリア東部の活動拠点に到着し22日にもトンガに入って飲料水を届ける予定です。

そして、防衛省は支援物資をできる限り迅速に現地に届けるため、鳥取県にある航空自衛隊美保基地のC2輸送機2機を追加で派遣することを決めました。

1機は早ければ22日、もう1機は23日にも出発し、それぞれ飲料水や火山灰を取り除くための高圧洗浄機などを輸送するということです。

また防衛省は、輸送艦おおすみについても高圧洗浄機などの支援物資を送るため現地に派遣することにしていて、準備が整い次第出発させることにしています。

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#気象・災害

オーストラリア南東部ビクトリア州の港には、大手機械メーカー「川崎重工業」が世界で初めて建造した液化水素の運搬船「すいそ ふろんてぃあ」が到着し、21日に記念の式典が開かれました。

式典には日本とオーストラリアの政府や企業の関係者およそ160人が参加し、テイラー エネルギー・排出削減担当相が「オーストラリアは、日本というすばらしいパートナーと共に、新たなクリーンエネルギーの供給で世界をリードする」と期待を示しました。

現地では日本とオーストラリアの企業が連携して「褐炭」と呼ばれる石炭を燃やし、水素を取り出す実証実験を進めています。

取り出した水素はマイナス253度に冷やして液化すると体積が800分の1に縮小され、大量輸送が可能になるということで、2030年ごろの商用化を目指しています。

川崎重工業現地法人の川副洋史メルボルン事務所長は「資源が豊富なオーストラリアで日本の技術を用いて新しいエネルギーを作り出し、世界の温暖化対策に貢献したい」と話していました。

液化水素を積んだ運搬船は、来月日本に戻る見通しです。

防衛省によりますと、22日午後、トンガの空港に到着したのは、20日愛知県の小牧基地を出発した航空自衛隊のC130輸送機1機で、飲料水およそ2600リットルを届けたということです。

トンガの支援をめぐっては、別のC130輸送機1機もオーストラリア東部の活動拠点に到着していて、今後、飲料水を運ぶことにしているほか、C2輸送機2機も飲料水や火山灰を取り除くための高圧洗浄機などを輸送することになっています。

防衛省は、海上自衛隊輸送艦おおすみ」も、支援物資を送るため現地に派遣することにしていて、「トンガの一日も早い復興のため、オーストラリアなどと連携して全力で取り組む」とコメントしています。

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#オセアニア