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 何しろ国会答弁はしどろもどろ。簡単な質問にも答えられず、役人が作った資料をめくりつづけ、その資料も読み間違える。

 見かねた自民党の先輩議員たちから、「聞かれたことだけ簡潔に答えればいい」と忠告を受けても、答弁に立つとフリーズし、岸田文雄・首相や後藤茂之厚労相が代わりに答弁する場面が就任以来続いている。

 当事者意識がないから弁解も多い。

 小池百合子東京都知事が岸田首相に追加接種の前倒しを要請した際には、堀内氏は翌日の会見で「接種しなければならない人が圧倒的に増えますよね。(8か月から6か月に)2か月前倒しすることによって接種体制をとるのが大変になってくる」と否定的だった。

 だが、批判を浴びた岸田首相が高齢者などへの前倒し接種の方針を決めると、堀内氏は一転、「私は一斉に6か月に拡大したほうが良いと主張した。だが、配送量との兼ね合いもあった」と弁解したことが報じられている。

 ついには岸田首相が官邸で開いたワクチン対策会議にも呼ばれなくなり、いまや“みそっかす大臣”扱いされているのだ。

 夫・光一郎氏は山梨県を中心に鉄道、バス、遊園地「富士急ハイランド」などのリゾートを経営する富士急グループの総帥、夫の父は労働大臣や通産大臣を歴任し、宏池会(現在の岸田派)会長を務めた堀内光雄氏だ。義父の地盤を継いだ堀内氏はいわば「岸田派のプリンセス」と言っていい。

 昨年の自民党総裁選では“プリンセス”としての存在感を示した。岸田氏の総裁選届出人を務め、こちらも宏池会会長だった加藤紘一氏の娘・鮎子氏(代議士)とともに岸田氏の付添人として両脇を固めて当選の瞬間を見守った。

 元時事通信政治部長で政治ジャーナリストの泉宏氏が指摘する。

「岸田氏は若手議員の頃、加藤の乱【*】に加わって造反組となったが、その後、堀内派に入れてもらった。彼女は自民党の党員・党友獲得数で毎年1位か2位と多くの党員票を持っている。もちろん富士急のバックがあってのことでしょうが、その力で岸田氏は総裁選党員投票で山梨の3票の枠を独占できた。総裁選の論功行賞と堀内家への恩返し、さらに女性重視をアピールするために大臣に起用された」

【*2000年11月に第2次森喜朗内閣打倒を目指し、自民党加藤紘一氏、山崎拓氏らが起こした倒閣運動】

“情実人事”そのものだ。

 堀内氏は名門出身の“お嬢様”だ。

 父は富国生命社長、父方の祖父は日本開発銀行総裁や日本航空会長などを歴任して「財界四天王」と呼ばれた小林中氏。母方を辿ると大久保利通の5世の孫で、吉田茂・元首相や麻生太郎・副総裁とも縁戚にあたる。

 幼稚園から大学まで学習院で学び、大学時代は秋篠宮皇嗣の同級生。当時、「皇太子(今上天皇)のお妃候補」にも名前があがったことがある。現在、夫との間に2男がいるが、長男は佳子さまの“婿候補”として取り沙汰されたこともある。

 ただし、もとからの政治家志望ではなかった。皆川巖・山梨県議が出馬の経緯を振り返る。

「義父の堀内光雄さんが引退する時、息子の光一郎さんは富士急の経営があると出馬を固辞したんです。それで困って後援会婦人部が詔子さんを説得したんですよ。それまで子育てで一生懸命でしたから本人も戸惑っていたが、一度決断したら行動力がすごい。

 県議の我々も行かないような地方の小さな行事にも参加し、丁寧に頭を下げる。上場企業の社長夫人で、人に頭を下げなくても幸せな人生を送れるのに、何でああまでできるのか。総裁選の時にも、集会で司会と進行役を引き受けていました。そりゃ岸田さんも恩に着ますよね」

 そして政治家としての評価をこう言う。

「大臣としてまだまだ勉強しなくてはならないことは確かでしょうが、山梨ではすごい人気です

 派内の評判も悪くない。岸田派中堅議員の話だ。

「堀内さんは人柄がいい。女性議員の中には何にでも“私が”と出しゃばる人や、相手にマウントを取りたがる人、逆に媚びるタイプがいるが、彼女はかつての派閥会長の嫁という立場を振りかざすことが一切なく、むしろ周囲に気を遣いすぎるくらい。経験不足でワクチン対応や拙い答弁を批判されているが、派内の評判は落ちていません」

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