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知床半島の沖合で沈没した観光船「KAZU 1」(19トン)は水深およそ120メートルの海底で見つかり、海上保安庁海上自衛隊が船内に取り残された人がいないか水中カメラによる捜索を続けていますが、潮の流れが速いうえに視界も悪く難航しています。

このため海上保安庁は、より深い海への潜水が可能な「飽和潜水」と呼ばれる方法で海底での捜索を行うことを決め、特殊な技術をもつ民間業者と8億7700万円で契約し、早ければ今月中にも捜索を始めることにしています。

海上保安庁の潜水士が潜ることのできる深さが60メートルほどであるのに対し、飽和潜水は、潜水士の体を深海の高い水圧に慣らしながら潜る方法で、深さ100メートルを超える海中での作業も可能になるとされています。

国土交通省は、海底での捜索を進める一方、船体をどのように引き上げるかについても今後検討することにしています。

第1管区海上保安本部などによりますと、現場海域に向かっているのは、海上保安庁が契約した「日本サルヴェージ」から業務委託を受けた会社が所有する「新日丸」で、2日夕方、鹿児島県の港を出港しました。

早ければ今月上旬にも現場海域に到着し、遠隔操作できる無人潜水機を使って沈没した船の内部や周辺を調査し行方不明者の捜索を行うことにしています。

一方今回の事故で海上保安庁は2日、北海道斜里町にある観光船の運航会社「知床遊覧船」の事務所などを業務上過失致死の疑いで捜索しました。

通常、船舶事故の捜査は、船長や船員などの当事者を対象に、操船の状況を調べて過失などを認定しますが、関係者によりますと、捜索令状を取るにあたって、過失の疑いがあるとした対象は「KAZU 1」の豊田徳幸船長に加え、会社の桂田精一社長が含まれているということです。

これまでの海上保安庁の調べで、事故当日に桂田社長と豊田船長が天気が荒れる可能性があると認識しながら出航を決めたうえで、海が荒れた場合は引き返す「条件付きの運航」を申し合わせたことがわかっていて、海上保安庁は判断に問題がなかったか捜査する方針です。

そのうえで、船長による判断に加え、社長の指示や権限がどこまで当日の運航に影響を与えたかなどについて詳しく調べることにしています。

先月23日、知床半島の沖合で乗客・乗員26人を乗せた観光船「KAZU 1」(19トン)が沈没した事故では、これまでに乗客14人が死亡、12人が行方不明となっています。

事故のあと開かれた家族説明会で、運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長が「私の落ち度について」と題した文書を配っていたことが分かりました。

この中で桂田社長は、運航基準によれば観光船は航行ルートの13地点で通過時刻や天候、波の高さなどを事務所に連絡する必要があったのに、事故当日はこうした連絡のやり取りや記録を行っていなかったとしています。

さらに、安全管理規程では、運航管理者である桂田社長は船の航行中、原則として事務所にいる必要があったのに、当日は病院に行くため事務所を離れ、ほかの社員に船長と連絡を取って航行状況を把握するよう指示も出していなかったということです。

そのうえで「運航基準通りにKAZU 1の運航を行っていれば、早期に帰港するなど事故の発生を回避できた可能性はあった」などと、運航基準に違反したことを認めて謝罪しています。

一方、第1管区海上保安本部は2日に会社の事務所などを業務上過失致死の疑いで捜索したのに続いて、3日も関係先を捜索するなど捜査を進めています。

今後、会社の安全管理体制に問題がなかったかや、天候が荒れる可能性を認識していながら出航を決めた当日の判断の妥当性などについて調べることにしています。

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弥生時代の大規模な集落跡が残る佐賀県吉野ヶ里遺跡で、3日から、10年ぶりに発掘調査が始まりました。

吉野ヶ里遺跡で歴代の王の墓とされる北墳丘墓の西側にある区域は、神社があったため、これまで調査の対象となっていませんでした。

これまでに神社の移転が終わり、今回、4200平方メートルほどの区域で、3日から新たに発掘調査が始まりました。

現地で行われた式典で、佐賀県の山口知事は「遺跡の心臓部分の2年間にわたる発掘調査が始まります。世紀の発見につながるかもしれません」と期待を寄せました。

このあと現場では作業員が鎌やスコップで土を少しずつ削り、弥生時代の土器やかめ棺の一部とみられるものが確認されました。

発掘調査は一般に公開されていて、吉野ヶ里遺跡の発掘に長年携わってきた佐賀城本丸歴史館の七田忠昭館長は「特別な身分の方に関わるものが出てくる可能性がある。発掘現場は公開されているので、皆さんも重要な発見に立ち会う可能性が高いです」と話していました。

#アウトドア#交通