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WMO=世界気象機関は、世界の平均の海面水位が2021年までのおよそ30年間に10センチ余り上昇し、近年その速度は増しているなどとする報告書を発表しました。

WMOは18日、世界各国の気象当局や研究機関などから提出されたデータを基に、2021年の世界の気候の現状についての報告書を発表しました。

それによりますと、1993年から2021年までの間に、世界の平均の海面水位は10.2センチ上昇し、近年、その速度は増しているということです。

報告書は、南極などの氷の厚い層、氷床がとけて海に流れ込み、海水の量が増えていることなどが理由だとしていて、海水面の上昇は、沿岸部に住む何億人もの人に大きな影響を与えるおそれがあるとしています。

WMOのターラス事務局長は、会見を行い「世界の平均の海面水位は20年前は年間2ミリ程度の上昇だったが、最近では年間4.5ミリの上昇を観測していて、記録的な上昇だ」と警鐘を鳴らしました。

WMOの今回の発表は、ことしエジプトで開かれる国連の気候変動対策の会議「COP27」の議論にも影響を与えそうです。

今回の報告書の取りまとめにあたった、WMO=世界気象機関の後藤敦史専門官は「海面の水位が上昇すると、沿岸地域では高潮や浸水のリスクが高くなる。海に囲まれた日本も例外ではなく、平均的な海面の高さが上がれば上がるほど、台風が来た時の高潮のリスクも高くなるし、砂浜の消失による観光資源や生態系への影響も考えられる」と指摘しました。

そのうえで、「温暖化の進行に伴い、日本でも大雨の強度や頻度が強まる傾向がある。日本では、まもなく梅雨や台風のシーズンを迎えるが、気候変動の影響で、過去に経験した雨量を超える大雨が降る可能性もあるということも念頭に、気象情報を最大限に活用して備えてほしい」と話していました。

#気象・災害