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2015年9月の「関東・東北豪雨」では、茨城県常総市で鬼怒川の堤防が決壊するなどして、茨城県内で3人が死亡し、13人が災害関連死に認定されたほか、住宅およそ1万棟が水につかりました。

住宅が浸水する被害を受けた常総市の住民など31人は、決壊や越水した2か所について「国の河川管理が不適切だった」などとして、国に対して3億5800万円あまりの賠償を求めていました。

これに対し、国は「上流と下流のバランスを総合的に考えながら計画的、段階的に整備を進めていた。河川管理に問題があったとは言えない」などとして、訴えを退けるよう求めていました。

22日の判決で水戸地方裁判所の阿部雅彦 裁判長は、2か所のうち越水した若宮戸地区について国の河川管理に問題があったと認め、原告のうち9人に賠償するよう命じる判決を言い渡しました。

若宮戸地区では川沿いの砂丘林が業者の開発にともなって掘削されていましたが、判決では、砂丘林が堤防の役割を果たしていたと認めたうえで「国は安全上重要な砂丘林が掘削されないよう河川区域に指定する義務があったがそれを怠った」と指摘しました。

水害に関する裁判で国の河川管理の責任が認められるのは異例です。

関東・東北豪雨では、2015年9月10日、発達した積乱雲が帯状に連なる「線状降水帯」が関東や東北にかかり、上流で記録的な豪雨となった鬼怒川が氾濫。

茨城県常総市では堤防が決壊するなどして被害が出ました。

逃げ遅れて救助された人は4000人を超え、茨城県内で3人が死亡、13人が災害関連死に認定されています。

被害が集中した常総市は、およそ3分の1が水没。

住宅地で1週間以上浸水が続くなど生活への影響も、大きなものとなりました。

被害から3年後、被災した住民たちは「鬼怒川の堤防が低く、被害が出るおそれがあると知りながら、国は適切な対策をとらなかった」などとして、3億円余りの損害賠償を求める訴えを起こしました。

国は、原告の主張はいずれも認められないとして全面的に争います。

新型コロナの感染拡大を受け、公開の弁論が開かれない時期もありましたが、去年8月には裁判官と原告側、それに被告の国側の3者で氾濫現場の視察が行われました。

裁判は、ことし2月に結審。

原告側が「国の堤防整備は、安全性が不足している場所を優先しないなど、進め方が不合理だった」と訴えたのに対し、国は「上流と下流のバランスを総合的に考えながら計画的、段階的に堤防の整備を進めていた」などと反論し、国の整備計画の合理性が争われました。

今回の訴訟で主な争点となったのは、茨城県常総市の主に2つの地区について、鬼怒川の堤防の整備計画などが適切だったかどうかです。

<上三坂地区>
決壊が起きた上三坂地区について、原告側は、国が地盤沈下で堤防の高さが低くなっていたのを知りながら、堤防の整備を、ほかの地域よりも優先するなどの対策をとらなかったのは不合理だと主張していました。

これに対し、国は、
▽用地の調査など、堤防の整備に向けて調査を進めていたほか、
▽上流と下流のバランスを総合的に考えながら計画的、段階的に整備を進めていたと反論していました。

<若宮戸地区>
越水が起きた若宮戸地区については、この地区で行われた砂丘林の掘削作業について、国の責任などが争われました。

原告側は、業者が太陽光パネルを設置するために堤防の代わりになっていた砂丘林が削られたと主張。

そのうえで、国が砂丘林を河川区域に指定し、業者による掘削などを自由にできない区間にするべきだったと訴えました。

これに対し、国は、砂丘林を河川区域に指定していないからといって、整備計画が不合理であるとはいえず、堤防を造る計画を立てたうえで作業を進めていたなどと反論していました。

東京電力の株主たちは、原発事故が起きたために廃炉作業や避難者への賠償などで会社が多額の損害を被ったとして、旧経営陣に対し、22兆円を会社に賠償するよう求め、今月13日、東京地方裁判所は旧経営陣の責任を認めたうえで、元会長など4人に合わせて13兆3210億円の賠償を命じました。

これを受けて、株主側の弁護団は22日に記者会見し、元会長などの財産を差し押さえる「仮執行」の手続きをするよう、東京電力に要請したことを明らかにしました。

今回の判決では仮執行が認められていて、手続きをすれば速やかな賠償に向けて、判決の確定を待たずに、元会長などの預金や不動産を差し押さえることが可能だということです。

河合弘之弁護士は「判決に仮執行の宣言がついたのは、裁判所の怒りや正義感の表れだ。東京電力が本当に反省しているというなら、旧経営陣を擁護するのではなく仮執行をするべきだ」と話していました。

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