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アメリカや中国の4月から6月までのGDP国内総生産の伸び率はマイナスとなっていて、加速するインフレの影響などで世界経済がさらに減速するのではないかという懸念が強まっています。

アメリカ 景気後退の懸念も

先月28日に発表されたアメリカのことし4月から6月までのGDPは、実質の伸び率が年率に換算してマイナス0.9%と2期連続のマイナスとなりました。

アメリカの中央銀行にあたるFRB連邦準備制度理事会が記録的なインフレを抑えこむために利上げを急ピッチで進めたことが主な要因です。

この3か月間にアメリカでは住宅投資が大幅に減少したほか、これまで堅調だった個人消費の伸びも鈍化し、FRBの利上げによる影響が鮮明になるなか、景気後退も強く意識されています。

中国 ゼロコロナ政策で成長が大幅減速

また、中国の同じ時期のGDPは、内閣府による試算で伸び率が前の3か月と比べて年率マイナス10.0%となりました。

ゼロコロナ政策のもと、最大の経済都市・上海で厳しい外出制限がとられ、サプライチェーンが混乱したことが主な要因で、飲食店の営業制限など各地で感染対策が強化されたことで個人消費が冷え込みました。

感染拡大を受けて、武漢で都市封鎖が行われたおととし1月から3月以来の低い水準で、経済成長が大幅に減速しています。

ユーロ圏 4~6月はプラスも経済の減速避けられないという見方も

一方、先月29日に発表されたドイツやフランスなどユーロ圏19か国の4月から6月までのGDPは、実質の伸び率が年率でプラス2.8%となりました。

感染症対策の行動制限が緩和され旅行やレジャーなどが回復したためで5期連続のプラスとなっています。

ただ、域内最大の経済国、ドイツではエネルギー価格高騰の影響もあって、伸び率が0%に落ち込んでいます。ユーロ圏でも記録的なインフレに歯止めがかからず、ヨーロッパ経済の減速は避けられないという見方も出ています。

このように世界的な景気減速への懸念が強まるなか、日本経済の先行きについても慎重な見方が多くなっています。

内閣府が15日発表したことし4月から6月までのGDPの速報値は、物価の変動を除いた実質の伸び率が前の3か月と比べてプラス0.5%となりました。これが1年間続いた場合の年率に換算するとプラス2.2%で、3期連続のプラスとなりました。

主な項目では、GDPの半分以上を占める「個人消費」は、直前の3月にまん延防止等重点措置が解除され、外出する人が増えたことで外食や宿泊といったサービス消費を中心に回復し、前の3か月と比べた伸び率はプラス1.1%となりました。

また、企業の「設備投資」はデジタル化を進めるための投資が活発に行われたことでプラス1.4%でした。

さらに公共事業などの「公共投資」がプラス0.9%となったほか、「輸出」も金属製品や鉄鋼などの輸出が伸びてプラス0.9%となりました。

一方、民間の「住宅投資」は資材価格の高騰などを背景にマイナス1.9%と4期連続のマイナスとなりました。

GDPを実額ベースにすると年換算で542兆円と、コロナ前、2019年の10月から12月までの3か月を上回り、内閣府はコロナ前の水準を回復したと説明しています。

また、ことし4月から6月までの名目のGDPは年率換算でプラス1.1%となりました。

GDPは3期連続のプラスとなりましたが、足もとでは物価の上昇に加えて新型コロナの感染第7波で消費マインドにもかげりが見えていて、先行きは不透明な状況となっています。

内閣府は15日に公表したGDPのデータにあわせて、国土交通省が国の基幹統計である「建設工事受注動態統計」を不正に処理していた影響が、どの程度あったのかを試算として示しました。

それによりますと、名目のGDPは、2018年度と2019年度がそれぞれ0.1ポイント未満、2020年度と2021年度はそれぞれ0.1ポイント、本来より伸び率を引き下げていたということです。

このため、内閣府は過去にさかのぼってGDPのデータを修正しました。

データの不正な処理によって、GDPの数値に影響が出たことについて、斉藤国土交通大臣は、15日の閣議のあとの記者会見で「国民の皆様にご迷惑をおかけしたことを改めて深くおわび申し上げる。政府全体と、よく連携を取りながら、統計改革を進めていきたい」と述べました。

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