https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

アメリカ軍は去年8月30日、アフガニスタンから部隊の撤退を完了し「アメリカ史上、最も長い戦争」ともいわれた20年におよぶ軍事作戦に終止符を打ちました。

アメリカ軍が撤退したあとのアフガニスタンでは、実権を握ったタリバンが治安を担っていますが、敵対する過激派組織IS=イスラミックステートがイスラムシーア派のモスクや住民への攻撃を活発化させていてテロは収まっていません。

そうした中、アメリカ政府は今月1日、アメリカがアフガニスタンで軍事作戦を行うきっかけとなった2001年の同時多発テロ事件に、深く関わったとされる国際テロ組織アルカイダの指導者、アイマン・ザワヒリ容疑者を潜伏先の首都カブールで殺害したと発表しました。

これに関連してアメリカなどからは、タリバンザワヒリ容疑者をかくまっていたという見方が出るなど、アルカイダとのつながりが今も続いていると指摘されていて、アフガニスタンが再びテロの温床になるのではないかという懸念も強まっています。

アメリカが国際テロ組織アルカイダの指導者ザワヒリ容疑者を無人機で殺害したとされるアフガニスタンの首都カブール中心部の現場は、およそ1か月たった今も、タリバンの戦闘員が周辺を封鎖していて緊張感が漂っています。

メディアは付近で取材や撮影をすることができず、その理由についてタリバンは「捜査のための証拠を保存している」と説明しています。

現場周辺に住む男性は「無人機による攻撃があった当日は爆発のような音が聞こえ、外に出ると白い煙が立ち上っていた。爆発があった地区はタリバンによる警備が厳重で前から立ち入りができなかったが、いまも近づくことはできない」と話していました。

アフガニスタンイスラム主義勢力タリバンの暫定政権で報道を担当する幹部、ムジャヒド氏は、首都カブールでNHKの取材に応じ、アメリカが国際テロ組織アルカイダの指導者、ザワヒリ容疑者をカブールで殺害したと発表したことについて「滞在していたとは知らなかった」と述べ、アルカイダとの関係はないと改めて否定しました。

ムジャヒド氏はザワヒリ容疑者がカブールに来た経緯について調べているとしたうえで「攻撃があった場所はすべてが灰と化し、遺体も認識できない状況だった」と述べ、ザワヒリ容疑者が殺害されたのか今も確認できていないと主張しました。

そのうえでアフガニスタンは山間部が多くアルカイダが隠れようと思えば可能かもしれない。だが、われわれの土地がテロリストに再び使われることはなく、それを許さないとアメリカや他国に約束してきた」としてアルカイダとの関係を断ち切ったと改めて述べるとともに、アフガニスタンが再びテロの温床になるのではないかという、国際社会の懸念を否定しました。

アフガニスタン情勢に詳しい、テロ対策専門家のアクタール・アリ氏は「タリバンは、これまでも国連など国際機関からアルカイダとの関係を指摘されているが、権力を掌握したあともアフガニスタンの土地をテロリストに使わせないというアメリカとの合意を守ることができていない」と述べ、タリバンがいまだにアルカイダと密接につながっている可能性があるという見方を示しました。

そして「タリバンが統治を適切に行わなければテロリストは増殖していく」とアフガニスタンが再びテロの温床となる危険性をはらんでいると警鐘を鳴らしました。

そのうえでアリ氏は「タリバンは国際社会の批判に対し、みずからの行動によって証明しなければならない。テロリストにその土地を使用させたりすれば、地域は不安定化していく」として、アフガニスタンの安定化に向け、タリバンみずからがテロ組織との関係を断絶し、近隣国を含め国際社会と協調していくべきだと指摘しました。

国連安保理では29日、アフガニスタンの人道状況について会合が開かれ、人道問題を担当する国連のグリフィス事務次長が報告しました。

この中で事務次長は、アフガニスタンでは1900万人近くが深刻な食料不足に直面し、このうち600万人は飢餓の危機にひんしていること、推定で100万人以上の子どもが命を脅かす深刻な栄養失調に苦しんでいることなどを説明し、国際社会に対して支援を呼びかけました。

アフガニスタンで実権を握ったイスラム主義勢力タリバンは女性の権利を制限していると、国際社会は批判を強めています。

グリフィス事務次長も「事実上の当局も役割を果たさなければならない。少女たちが教育を受けることを認めるべきだ」と述べ、事態の改善を求めました。

会合で欧米各国は、タリバンと国際テロ組織アルカイダとのつながりを指摘し、直接の支援をするべきではないとの意見が相次ぎましたが、ロシアや中国は、欧米側の資産凍結が人道状況を悪化させていると主張し、非難の応酬となりました。

d1021.hatenadiary.jp

#南アジア