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アフガニスタンでは去年8月15日、治安の維持などにあたってきたアメリカ軍が撤退を進める中、タリバンが首都カブールを制圧し、その後暫定政権を発足させました。

暫定政権はみずからの解釈によるイスラム法に基づいた統治を進めていて、女性が外出する際には顔や体を布で覆うよう指針を示したほか、日本の中学校と高校にあたる学校に通う女子生徒の授業については「環境が整っていない」などとして今も認めていません。

国連などは再三にわたり事態の改善を求めていますが、タリバンは応じていないため、これまでに政権を承認した国はありません。

アフガニスタンでは国家予算の大半を国際社会からの支援で賄ってきましたが、支援が滞っていることなどで経済は悪化し、食料不足も深刻となっています。

WFP=世界食糧計画は、アフガニスタンの国民の2人に1人にあたる1890万人が食料不足に陥るおそれがあるとして強い危機感を示しています。

こうした中、タリバンは海外資産の凍結解除や支援を求めていますが、国際社会は女性の権利が制限されているなどと批判を強めていて、今後、人権問題への対応が焦点となります。

アフガニスタンイスラム主義勢力タリバンが権力を掌握してから15日で1年となるのを前に、アフガニスタンの人権をとりまく状況に関する特別報告者などの国連の人権の専門家が12日、連名で声明を発表しました。

声明では「2021年8月以降、私たちは数多くのタリバンによる人権侵害を見てきたが、特に、女性と少女が社会から事実上消し去られ、組織的に抑圧されていることは深刻だ。差別と暴力はいかなる理由でも正当化されることはない」とした上で、「タリバンが行動の仕方を変え、人権への義務を順守するよう、国際社会がもっと動かなければアフガニスタンの人々の未来はとてつもなく暗いものとなる。事実上の統治者である彼らは国際的な承認と正当性を求めているが、人権の尊重に大きな歩み寄りを見せない限り承認に向けた道筋に乗るべきではない」と訴えています。

その上で、タリバンに対して、国際人権法や国際人道法を順守し、少女や女性の教育や就業といった権利を尊重するほか、少数民族の権利の擁護などを要求しています。

アフガニスタンではタリバンによる権力の掌握以降、国際社会からの支援が滞り、海外資産の凍結も続いていることから、経済が悪化しています。

首都カブールの26歳の男性は「若者の血が流れる戦争がなくなり、状況は以前より良くなったが、経済の悪化で収入は半減し、なんとか生きていくしか方法はない」と治安は改善したものの、生活が苦しい現状を訴えました。

また、62歳の男性は「私も家族も仕事を失い、給料もない。人々は仕事がないと文句を言っている。多くの人がトルコやイランなど国外に行こうとしている」と話していました。

経済の悪化で物乞いをする人の姿もカブールでは目立つようになっています。

このうち30代の女性は働き手だった夫を爆弾テロで亡くし、残された3人の子どもと生きていくため、物乞いをしているということです。

女性は「10歳になる息子も路上で靴磨きをして稼いでいるが、収入は十分ではない。娘の1人は障害がある。物乞いするのは良くないと分かっているが、ほかにどうすれば生きていけるというのか」と話していました。

経済の悪化は、子どもたちの将来の夢にも影を落としています。

首都カブールに住むロエドさん(12)は、毎日朝7時から午後4時まで市内の交差点で物乞いをしています。

エドさんが2歳のとき、父親が武装勢力に殺害され家族はばらばらとなり、3年前、祖母と姉の3人でカブールにやってきました。

高齢の祖母や、姉を働かせるわけにもいかず、ロエドさんは学校に通うこともなく、物乞いをして一家を支えています。

しかしタリバンが権力を掌握して以降、経済が悪化したため収入は減り、今は以前の半分になりました。

さらにアパートの家賃も支払うことができず大家から立ち退くよう迫られています。

エドさんは「小麦や食べ物の値段が上がり、買えなくなった。学校に行って、エンジニアになりたかったが家族を食べさせていかなければならないので、夢はかなわないだろう」と話していました。

祖母のズレカさんは「子どもたちを養っていけるのか分からず、毎晩、泣いています。誰も助けてくれないし、どうすればよいというのか」と出口の見えない状況を悲観していました。

アフガニスタンでは、去年8月にタリバンが権力を掌握して以降、国民の一部から治安はやや改善したとの声があがる一方で、タリバンと敵対する過激派組織IS=イスラミックステートがタリバンの関係者やイスラムシーア派の住民などへの攻撃を活発化させています。

このうち、首都カブールでは、今月5日と6日に相次いで爆発があり、少なくとも10人が死亡しました。

また国際テロ組織「アルカイダ」をめぐって、アメリカは今月1日、カブールに潜伏していた指導者、ザワヒリ容疑者を殺害したと発表し、アルカイダとの関係断絶を強調してきたタリバンは、爆発について調査する方針を示しました。

国際社会はタリバンに対し、アフガニスタンを再びテロの温床にしないよう求めていることから、タリバンが今後どのように説明し、対応するのかが注目されます。

アフガニスタン情勢に詳しいペシャワル大学のイルファン・アシュラフ助教授は、タリバンの暫定政権について「タリバンはいまだ過激な組織ではなくなったことを示すことができておらず、国民とのよい関係も構築できていない。世界はアフガニスタンで何が起こっているか、チェックし続ける必要がある」として、ロシアによるウクライナ侵攻などによってアフガニスタンへの関心が低下する中、この地域が不安定化しないよう、国際社会が引き続き関心を持ち続けるべきだと強調しました。

また、タリバンとの関係が指摘されている国際テロ組織アルカイダについてイルファン助教授は「アメリカなどへの脅威にはなっていないが、アフガニスタンを拠点に別のグループと協力することも可能で、将来的に世界の脅威になるおそれがある。アフガニスタンでは過激派組織IS=イスラミックステートの活動が活発化していて、アルカイダとISのメンバーがともに行動する可能性もある」としてアフガニスタンが再びテロの温床となることに警鐘を鳴らしました。

タリバンの暫定政権は、みずからの解釈によるイスラム法に基づいた統治を進めていて、日本の中学校と高校に当たる学校に通う女子生徒に対する授業の再開を今も認めていません。

こうした中、ユニセフは15日、新たな報告書を発表し、女子生徒の教育がこの1年、制限されたことによる経済的損失は、アフガニスタンの2020年のGDP国内総生産の2.5%に相当する5億ドル、日本円にして660億円余りに上ると指摘しました。

そのうえで、全員の女子生徒が中等教育を終え労働市場に参加できた場合のアフガニスタン経済への貢献は生涯に換算すると、少なくとも54億ドル、日本円にしておよそ7200億円に上るとしています。

また、報告書では、女子生徒が登校できないことで、これまでユニセフが学校で提供していた栄養支援や衛生に関する情報が届きにくくなるなど経済面以外でのマイナスの影響も挙げています。

ユニセフの担当者は「教育はすべての子どもたちの権利であるだけでなく、アフガニスタンの将来の成長の基盤だ」として一刻も早く女子生徒を教育の場に戻すよう訴えています。

タリバンが権力を掌握して1年となる中、アフガニスタンのアブダリ駐日大使がNHKのインタビューに応じ「前政権が崩壊したことで、アメリカの同時多発テロ事件以降、20年にわたり続けられてきた努力が打ち砕かれた。アフガニスタンは大きく変わってしまった」と述べました。

そのうえで「去年以降、貧困のレベルは深刻さを増している。人々は飢餓にも直面している。アフガニスタンの人々が置かれた状況に対処するには、国際社会の関与が不可欠だ」と述べ、国際社会に支援を訴えました。

また「国際社会がアフガニスタンへの関与をやめれば、暴力による脅威が潜在的に高まっていく」と指摘し、アフガニスタンが再びテロの温床とならないよう警鐘を鳴らしました。

アブダリ大使は前政権下で、政権の要職を歴任したあと去年、駐日大使に就任し、タリバンが権力を掌握した去年8月以降も大使を続けています。

現在、東京のアフガニスタン大使館ではタリバンの暫定政権から財政的な支援を受けておらず、大使館では大使のほかに外交官1人と数人のスタッフが、在日アフガニスタン人の生活支援などの業務を行っているということですが、厳しい運営が続いています。

インドでは15日、イギリスから独立してから75年を迎え、首都ニューデリーでモディ首相が国民に向けて演説を行いました。

モディ首相は「独立から数十年がたち、インドは世界から期待のまなざしを向けられるようになった。インドは25年後までに先進国にならなければならない」と述べ、独立から100年となる2047年までに先進国の仲間入りを目指す決意を表明しました。

そして「インドは世界の製造業の拠点に成長している。それは輸入に頼らない自立したインドの基礎となる」と述べ、外国からの資本を呼び込み、ものづくり国家の実現を目指す「メイク・イン・インディア」構想を推し進めていく姿勢を強調しました。

また、モディ首相は「国内ではさまざまなスタートアップ企業が出てきている。支えているのは貧しい農村出身の若く、才能ある人材だ」と述べ、若い人材を活用して医療や保健の分野を含む幅広い分野でデジタル化を進めていく考えを示しました。

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