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イギリスのトラス政権は大型減税を柱とする経済対策を打ち出しましたが、先週23日、巨額の国債増発を表明したことから財政悪化への懸念が広がり、国債の価格が下落し利回りが急激に上昇しました。

また、通貨ポンドもドルに対して急落し、一時、1972年の変動相場制に移行したあとの最安値を記録しました。

こうした状況を受けてイングランド銀行は28日、イギリスの長期国債の一時買い入れを開始すると発表しました。

期間は今月28日から来月14日までで、買い入れの上限は示さず、必要な規模で実施するとしています。

また、来週から予定していた保有国債の売却は、来月末まで延期するとしています。

今回の決定についてイングランド銀行は声明で、「市場の機能不全が継続したり悪化したりすれば金融の安定性に重大なリスクが生じる」としており、金融市場の安定を図るねらいです。

英政府が財源の裏付けのない減税を発表するという「大きな賭け」に出たことで、イングランド銀行(英中央銀行)は次回定例会合で少なくとも1ポイントの利上げが必要になったと、アリアンツの首席経済顧問を務めるモハメド・エラリアン氏が述べた。

  クワーテング財務相の成長促進に向けた構造改革とエネルギー価格安定化は正当な政策だが、財源のない減税はこの2つの効果を損ない、むしろ逆効果だと、エラリアン氏がブルームバーグテレビジョンとのインタビューで語った。

  国際通貨基金IMF)は27日、英政府に減税計画を見直すよう呼び掛けていた。大型減税の発表は市場を驚かせ、英国株と債券市場の急落で少なくとも5000億ドル(約72兆円)の損失を引き起こした。

IMFも英経済対策を批判-対象絞らず格差拡大の恐れ、経済動向注視

  エラリアン氏は、英政府が状況を安定させたいならば、大型減税を延期し成長政策についてより多くの情報を提供すべきだと論じた。

  さらに英中銀の利上げによって、「経済見通しと不平等に大きな影響」を持つであろう価格動向の一部を巻き戻すことができるとの見方を示した。

  同氏によれば、英国の家計は借り入れコスト上昇と資産への負の影響、リセッション(景気後退)懸念による所得への影響、食品などのインフレによって打撃を受けている。

  「この4つが同時に家計と企業の両方を襲い、大きなダメージはないと考えるのは難しい。政府が今すべきなのは、状況を再び制御することだ」と語った。


原題:El-Erian Says BOE Needs a Full Point Hike on UK’s ‘Big Gamble’(抜粋)

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