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イングランド銀行(英中央銀行)は、26日の外国為替市場でポンドが対ドルで急落し過去最安値を更新したことを受け、市場環境について声明を発表するかどうか依然として決めかねている。事情に詳しい関係者が明らかにした。

英ポンドが最安値、追加減税方針でフラッシュクラッシュか (2)

  関係者によると、イングランド銀は市場に対する注視を続けている。ロンドン金融街のトレーダーやエコノミストらは、ポンドや英国債相場を安定させるために同中銀は緊急利上げに踏み切る必要があるかもしれないと話す。

  イングランド銀行はコメントを避けた。

  これに先駆け、スカイニューズはイングランド銀が本日中に声明を発表する見通しだと、情報源を明らかにせず報じていた。トラス首相の報道官は同日午前、日々の市場の変動にはコメントしないと語ったが、与党・保守党の複数の議員は政府の経済計画を巡り神経質になった市場を落ち着かせるため、中銀が緊急利上げで介入する必要があるかもしれないとの見方を示した。

英中銀、11月会合で200bp余りの利上げも-短期市場織り込む (1)

原題:Bank of England Still to Decide If It Will Comment on Pound(抜粋)

Bank of England Expected to Make a Statement Today: Sky News (1)

UK Tories Look to BOE to Step In to Halt Panic Over the Pound(抜粋)

マクロヘッジファンド運営EDLキャピタルの創業者、エドゥアール・ドラングラード氏は、イングランド銀行(英中央銀行)がポンドと英債券市場を安定させるため行動を迫られるとの見方を示した。英政府が表明した財政政策や追加減税方針に反応し、ポンドと英国債は急落している。

英国債急落、2年債利回り一時56bp上昇-緊急利上げ求める声も

英ポンドが最安値、追加減税方針でフラッシュクラッシュか (2)

  これまで既にポンド下落に賭けていたドラングラード氏は、同通貨の値下がりを受け一夜にして利益を確定させた。同氏はポンド下落を見込んだポジションの5分の1を維持しているとしたほか、利上げが見込まれるとして英国株の下落を見込んだポジションを取っていると明らかにした。同氏は英政策金利について、最終的に10%を超える可能性もあるとみている。

  ドラングラード氏は26日のインタビューで、「イングランド銀は空想の世界にいるようだ」とし、「イングランド銀が行動を遅らせればそれだけ、危険度は高まる。緊急会合の開催を余儀なくされると思うが、とにかくベイリー総裁は辞任すべきだ」と述べた。

  短期金融市場は現在、減税によりインフレが高進すると予想。イングランド銀による次回11月の金融政策会合での最大150ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)利上げを織り込んでいる。これは、前回会合で決定した利上げ幅の3倍だ。英政策金利は現在2.25%。

原題:Hedge Fund That Shorted The Pound Now Bets Against UK Stocks(抜粋)

イングランド銀行(英中央銀行)副総裁のジョン・グリーブ氏は26日、英国の外貨準備はポンドを下支えする手段としては有効でないとの見方を示した。BBCラジオに語った。

トラス新政権が大型減税策などを発表し、財政悪化懸念からポンドは急落。この日アジア時間に最安値を付けた。

グリーブ氏は、外貨準備は通貨を支える2つの方法のうちの一つで、もう一つは金利だと指摘。「通貨市場の規模に比べれば、外貨準備はさほど多くない。したがって効果的な武器とは見なされないと思う」と語った。

英国の外貨準備高は8月末時点で807億ポンド(868億4000万ドル)。ドルやユーロに対するポンド下落で今月は外貨準備高が押し上げられると見られている。

世界に金融危機の嵐が吹き荒れていた2007年から08年にかけ、一人のヘッジファンドマネジャーがボラティリティートレーディングで27億ドル(現在の為替レートで約3900億円)の利益を上げ、一躍時の人となった。現在のスティーブン・ディグル氏は史上最安値に沈んだポンドに買いを入れている。

  同氏は26日、「小型ファンド」の資産10%をポンド買いに費やした。ドルで利益を得て、ポンドでコストを賄う企業の株を中心とした英国投資の資金調達がその目的だ。同氏が電子メールで明らかにした。銘柄名やファンドの規模には言及していない。

  「トレーディングの底値を言い当てることはしない。そんなことは誰にも分かるはずがない」と、シンガポールを拠点にするディグル氏は言う。「しかし5年、あるいは10年平均と比べれば今のポンドは非常に割安だ」と指摘した。

英ポンドが最安値、追加減税方針でフラッシュクラッシュか (2)

  ディグル氏が2001年に共同創業したボラティリティーファンド「アルトラディス・ファンド・マネジメント」は、07年と08年に大もうけしたことでその名を知られるようになった。同氏のファミリーオフィス、「バルピス・インベストメント・マネジメント」は後にバイオテクノロジーベンチャーニュージーランドのアボカド農園、ドイツの不動産など幅広い資産に投資。中でも欧州の軍需関連企業への投資は、ロシアのウクライナ侵攻で株価が急伸した。

  ディグル氏はポンド買いが単なる投機的な取引ではないとし、会社の英投資がポンドを必要としているためだと説明。「政府の経済対策に対する荒れた反応」が正当化される理由は分からないと記した。

  英国の国内総生産(GDP)に対する債務の比率は主要7カ国(G7)の中で低い方に位置するため、英政府にはこうした政策の余地がいくらかあるとディグル氏。「減税は好ましい。英国の税率は高過ぎるところに上がってしまい、成長を抑えていると考えられる」と述べた。

原題:Trader Who Made Billions in 2008 Buys Pound Near All-Time Low(抜粋)

イングランド銀行(英中央銀行)は、政府が打ち出した経済対策を巡り神経質になっている市場を落ち着かせるため緊急利上げで介入する必要があるかもしれないと、与党・保守党の複数の議員が語った。26日の外国為替市場でポンドはドルに対して急落し、最安値を更新した。

  緊急利上げの可能性は一段と高まっている様子で、トラス首相とクワーテング財務相にとって非常に悪い兆しだと、議員らは述べた。「何であれ緊急対応が始まれば、政治的な見通しは暗い」と党内の事情だとして匿名を条件にした元閣僚の1人が話した。

  別の保守党議員は、トラス新政権が提案した「ミニバジェット(小さな予算)」は議会内でも支持が集まらず、一般議員だけでなく閣僚にも懐疑的な見方を示す者がいるという。経済対策を採決で否決することも保守党内で議論されているが、否決はまだ主流にはなっていない。

英中銀、ポンドについて発言するかまだ決めかねている-関係者

  保守党は議会で過半数を優に上回る議席を確保しているが、実際にトラス首相が取り得る裁量の余地ははるかに小さい。トラス氏は夏に一般党員の間で行われた党首選決選投票で勝利し首相の座を勝ち取ったが、3分の2の党所属議員は同氏を支持せず、議員の間では同氏の手腕に対する懐疑的な見方が広がっている。

  政府に近い関係者によると、クワーテング氏は投資家を安心させようと非公開の会合を開き、イングランド銀のベイリー総裁とも会談する公算が大きい。市場をいっそう不安にさせる恐れがあるため、緊急会合を予定することはないという。

原題:UK Tories Look to BOE to Halt Panic Over the Pound (1)(抜粋)

イギリス政府は先週23日に所得税最高税率の引き下げや法人税率の引き上げの凍結など大型減税を柱とする経済対策を発表しました。

これを受けて財政悪化への懸念から通貨ポンドを売る動きが強まり、週明け26日の外国為替市場でもこの流れが続きました。

ポンドはドルに対して一時、1ポンド=1.03ドル台と1972年に変動相場制に移行した後の最安値を記録しました。

トラス首相が今月上旬に発表した光熱費の抑制策をめぐってイギリス財務省は巨額の国債増発を表明しており、市場では財政への信頼が揺らぐ状況となっています。

市場関係者は「1ポンドの価値が、初めて1ドルを下回る状況になる可能性もあるとの見方が出ている」と話しています。

それによりますと「金融市場の動向を非常に注視している」としたうえで、次回の金融政策を決める会合ではポンドの下落が需要やインフレに与える影響を念入りに評価し、それに従って行動するとしています。

そしてイングランド銀行は「インフレ率を中期的に2%の目標に戻すために必要なだけ金利を変更することをためらわない」として利上げをちゅうちょしない姿勢を鮮明にしました。

米資産運用大手ブラックロックは26日、英国債の配分をアンダーウエートに引き下げると発表した。英国債価格の下落が止まらないため。

ブラックロックはマーケットコメントで「イングランド銀行(英中央銀行、BOE)は物価上昇圧力を抑制するため金利を引き上げる必要があるが、これは英財政の信頼性に深刻な疑問を投げかけるとみている」とした。

大荒れの市場を目の当たりにし、イングランド銀行(英中央銀行)に行動を求める圧力が強まっている。ベイリー総裁にとっての問題は選択肢が限られていること、そしてどれもリスクを伴うことだ。

  与党・保守党の議員や英中銀の元金融政策委員会(MPC)メンバー、ロンドン金融街のアナリストらは声をそろえて、市場を落ち着かせるため中銀は緊急介入すべきだと訴えた。しかしベイリー総裁は「次回会合で入念な評価を行い、行動する」との声明を発表するにとどめ、緊急措置の発動には至っていない。

  エバコアISIのクリシュナ・グハ氏は26日のリポートで、「英中銀にとって良好な選択肢はない」と指摘。「定例会合を待たずに行動することは不十分で裏目に出る恐れがあり、それよりはまず政府が動くかどうか、市場が短期的な底を見いだすかどうか見極める方を英中銀はずっと好むだろう」と述べた。

  この混乱への対処で英中銀が取り得る選択肢は以下の通りだ。

安心を与える

  最も率直で短期的な選択肢は英中銀またはベイリー総裁が声明で安心感を与えることだろう。欧州連合(EU)離脱方針が決まった2016年の国民投票の翌朝、カーニー前総裁がこうした手段をとった。元英中銀MPCメンバーのアダム・ポーゼン氏は、ポンドが下落するなら金利を引き上げるとベイリー総裁は「週半ばまでに公言」するべきだと述べた。イングランド銀行(英中央銀行)は26日、2%のインフレ目標を達成するために「必要なだけの」金利変更をちゅうちょしない方針を明らかにした。

  27日に発言機会がある英中銀チーフエコノミスト、ヒュー・ピル氏が何らかの役割を担う可能性もある。問題は、市場の急変動が続いているのに口先だけで効果があるのかということだ。

緊急利上げ

  緊急利上げが選択肢となる可能性はある。こうした行動を求める声は先週末から聞かれ始め、それ以来強まり続けている。英中銀は政府が経済対策を発表した前日に政策金利を2.25%に引き上げたばかりだが、出遅れたとの批判を浴びている。

  短期金融市場は11月の次回政策判断を含む時点までに、200ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げがあると見込んでいる。今週に大幅な利上げがある可能性も織り込まれつつある。

  緊急行動は市場のパニックをかえって強めるリスクを伴い、相場の下げを止められなければそのリスクは大きくなる。「緊急利上げに今踏み切ることの問題は、市場が既に100bpの現実的な確率を織り込んでいる中で効果を持たせるには、200bpの利上げが必要になるだろうということだ」とフューチャーズ・ファーストのアナリスト、リシ・ミシュラ氏は語った。

量的引き締めの休止

  英中銀が量的緩和で購入した英国債を売却する計画を遅らせることも、可能な対応だろう。売却は来週の開始を予定している。

  だがこの休止はインフレ抑制の取り組みに完全に矛盾すると捉えられかねない。これまでのガイダンスにも反する。

市場への直接介入 

  もう一つの選択肢は、ポンドを押し上げる目的で市場に直接介入することだろう。だが必要となりそうな額に比べれば、英国の外貨準備はわずかしかない。国際通貨基金IMF)のデータによると、英国の外貨準備は8月末時点で1080億ドル(約15兆6200億円)相当。先週に為替介入を行った日本は、1兆1700億ドルの外貨準備があった。

  ニューヨークを拠点とする調査会社エグザンテ・データのイェンス・ノルドビグ氏は24日、「為替介入の効果は数分しか持たない」とツイートした。

11月まで待つ

  最後の選択肢は、市場の成り行きに任せて政策対応は11月までとらないことだ。クワーテング財務相とトラス首相は自分たちの計画に対する投資家の不安を、自分たちで鎮める取り組みを始めるための時間を稼げるようになる。

  トラス首相の外部アドバイザーを務めるジェラード・リヨンス氏は26日、英中銀が金利で行動することが必要だが、クワーテング氏も自らの経済ビジョンについて市場を安心させるために、さらなる努力が必要だと主張。「クワーテング氏の財政支出拡大が必要であり、インフレを加速させず、英国の財政でまかなえるのか、市場はまだ確信できていない」と指摘した。

原題:

Defending The Pound: Here Are the BOE’s Risky Options(抜粋)

英ポンドは対ドルで史上最安値を更新し、1ポンド=1ドルの「パリティ(等価)」が視野に入った。

この象徴的な水準まで下げるかどうかはともかく、トラス新政権が打ち出した経済対策によって、市場における英国の評判がここまで傷ついた以上、信認の回復には緊急利上げ以上の措置が必要だと投資家は見ている。

ポンドは26日に1ポンド=1.0327ドルまで下落。クワーテング財務相が23日に財源の当てのない450億ポンド(480億ドル)の減税を盛り込んだ経済対策を発表してから8%下げたことになる。

富裕層を重視する減税のために政府の借り入れが増える見通しになった上、クワーテング氏の言う経済政策の「新時代」とは財政規律よりも経済成長を優先することだ、との見方が広がり、市場は動揺した。

英国債相場は暴落し、ポンドはユーロからアルゼンチンペソまで幅広い通貨に対して急落。26日朝には多くの経済専門家が、イングランド銀行(英中銀)に利上げ発表によってポンド安に歯止めをかけるよう求めた。

短期金融市場は来年2月の金利を足元より300ベーシスポイント(bp)高い5.4%と見込んでおり、景気に打撃をもたらしそうだ。しかし、国債利回りの急上昇はそれほどポンドの支援材料になっていない。

プリンシパル・グローバル・インベスターズのチーフストラテジスト、シーマ・シャー氏は「市場がいったんこれほどの勢いで動き始めると、(ポンドが)どこで底を打つか具体的な水準を示すのは難しい」と話す。「ただ、投資家は長期的な視野で物事を見るもの。英国を5年以上の投資先として見るなら、私はノーだ」と語った。

為替相場の短期的な動きを予想するのは非常に難しい。だが、ノムラ・ホールディングスは、英中銀が即座に動いてもポンドは11月末までにパリティを超えて下げると予想している。

LNGキャピタルのマネジャー、ルイス・ガーゴール氏は、政府と英中銀が地合いを安定させるまで、ポンドは0.95─96ドルに向けて一気に下げると見ている。

英中銀は26日遅く、インフレ目標を達成するために必要なら利上げをためらわないと表明し、市場を注視しているとした。

<失われた安定>

誰もが一段のポンド安を見込んでいるわけではない。UBSは「ポンドにチャンスを」と題したノートで、今回のポンド安は「反射的な売り」だと指摘。「短期筋による津波のような売り」の後に「ポンドの見通しが本当に悲惨かどうか考える必要がある」とした。

ポンド安は、広範なドル高の中で起きていることにも注意を払うべきだ。円やスウェーデンクローナも年初からポンドと同じ程度下げている。また、ポンドは対ユーロで23日から3%下げているものの、2年ぶりの安値水準にとどまっている。

重要なのは、投資家がポンドを敬遠する理由としてトラス新政権の経済政策も挙げている点だ。ポンドは既に10年間にわたる英国の低成長、2016年に行われた欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票、外国人投資家に依存した経常赤字穴埋めなどが重圧となっていたが、これに新たな弱気材料が重なった格好だ。

ジャナス・ヘンダーソン・インベスターズのグローバル・ボンド・ポートフォリオ・マネジャー、ベサニー・ペイン氏は「今回は政府の政策の変更であり、その(影響は)しばらく続くだろう」と述べ、経済の見通しを示さずに政策を発表した政府を「無責任」と批判した。

信認回復のための簡単な選択肢は存在しない。

中銀が緊急利上げ踏み切れば市場で追加利上げ観測をあおり、状況を悪化させる恐れがある。一方、中銀が利上げを手控えれば、相場は一層乱高下するだろう。

「中銀が通貨を安定させるために市場に介入するのは、決して良い兆候ではない」と、FXⅮキャピタルのクリス・ハドルストン最高経営責任者(CEO)は指摘する。

政府が財源の当てのない減税拡大に固執するなら、英国の信認がすぐに回復することはないだろう。トラス政権は、この政策が経済成長を高めるため中期的に功を奏すると信じており、軌道修正を図る公算は小さい。

ジャナス・ヘンダーソンのペイン氏は「英国は人々の目に、安定した市場ではないと映るだろう」と言う。「英国が最下層まで沈むとは思っていないが、これほど市場が不安定になると人々は、通常ほこりが鎮まるまで様子を見るものだ。まだ、そういう状態にはなっていない」と話した。

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