“袴田事件”元警察官「立証できなかったのは警察検察の負け」 #nhk_news https://t.co/bfmK8r0uXg
— NHKニュース (@nhk_news) 2023年3月14日
東京高等裁判所が13日に出した決定は、袴田巌さんの逮捕から1年以上あとに現場近くのみそタンクから見つかった、血の付いた「5点の衣類」について、「事件から相当な期間が経過したあとに捜査機関の者が隠した可能性が極めて高い。到底袴田さんを犯人と認定することはできない」として、証拠がねつ造された疑いに言及し、再審を認めました。
この衣類について、57年前、事件発生の4日後にみそタンクを捜索した、80代の元警察官は、再審開始決定が出る前、NHKの取材に対し、「長い棒のようなものを使って徹底的に調べたが、タンクから見つからなかった。衣類という大きいものを見落とすなんてことはほぼありえないし、そんなに甘い検証はしていない。1年もたって発見されるのはおかしいと感じる」と証言していました。
東京高裁の決定を受けて、元警察官は「衣類が発見された時点では捜査から外れていたので、どのような状況だったかはわからない」とした上で、「捜査員がねつ造するのはありえないと思うが、十分な立証ができなかったのは警察・検察の負けだ」と話していました。
袴田事件の再審開始決定について、法務・検察幹部からはさまざまな受け止めが聞かれました。
検察幹部の1人は「絶対勝てるとまでは思っていなかったが、請求は認められないと思っていた。この事件は検察として死刑を求めた事件で重みがある。裁判所の決定に対してどう対処すべきか、真剣に慎重に考えないといけない」と話していました。
別の幹部は「裁判所は捜査機関による証拠のねつ造の疑いまで指摘していたが、ありえないことだと思う」と話していました。
別の再審事件を担当した経験がある幹部の1人は「再審事件では古い事件の証拠関係を今の司法の感覚で判断することに難しさがある。新しい証拠の価値の大きさを見極め、判決にどれくらい影響を与えるか、しっかり考えるべきだ」と話していました。
齋藤法務大臣は閣議のあとの記者会見で、再審手続きを定めた法律には証拠開示についての規定がないことについて、「去年7月から有識者や法曹3者、警察庁や法務省の担当者によって構成される、刑事手続きのあり方協議会を開催していて、再審請求審における証拠開示についても協議が行われる予定だ」と述べました。
その上で「法務省としては協議が充実した形で行えるよう、適切に対応していきたい」と述べました。
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