アメリカでウェブデザイナーが信仰上の理由から同性どうしのカップルへのサービスを拒否できるかどうかを争った裁判で、アメリカ連邦最高裁判所はサービスの拒否は憲法が保障する表現の自由にあたるという判断を示しました。今後、性的マイノリティーの人たちがほかのサービスの提供を拒否されるおそれもあることからリベラル派を中心に懸念も広がっています。
この裁判では西部コロラド州のウェブデザイナーの女性が、信仰上の理由で同性どうしのカップルへのサービスの提供を拒否することの是非が争われました。
連邦最高裁判所は6月30日、女性がサービスの提供を拒否することは憲法が保障する表現の自由にあたり、差別を禁止したコロラド州法で制限することはできないという判断を示しました。
今回の判断で、今後、性的マイノリティーの人たちがほかのサービスの提供を拒否されるおそれもあることからリベラル派を中心に懸念も広がっています。
連邦最高裁は共和党のトランプ前大統領の指名により、保守派の判事が多数派となっていて、今回の判断には9人の判事のうち、保守派の6人全員が賛成しました。
連邦最高裁では29日にも大学の入学選考で人種を考慮する措置が憲法違反と判断されるなど保守的な判断が相次いで出されています。
バイデン大統領が声明
アメリカのバイデン大統領は連邦最高裁判所の判断を受けて声明を発表し、「今回の判断が性的マイノリティーの人たちに対する差別を助長しかねないことを深刻に懸念している。判断は人種的なマイノリティーや障害がある人、女性を含むすべてのアメリカ人を長年、差別から守っている法律を弱体化させるものでもある」と述べて、最高裁の判断を批判するとともに、性的マイノリティーの人たちの権利を保護するための連邦レベルでの法律を早期に可決するよう議会に求めました。
#米最高裁(「アファーマティブ・アクション」・違憲)
米最高裁、学費ローン免除は無効と判断 バイデン政権に痛手 https://t.co/WRpw5pce04
— ロイター (@ReutersJapan) June 30, 2023
米最高裁は30日、米バイデン政権が掲げていた大学学費ローンの返済一部免除策は無効との判断を示した。判決は6対3だった。来年の大統領選で再選を目指すバイデン氏にとって政治的後退となる。
バイデン政権は2022年8月にこの計画を発表した。対象となる学生ローンは4300億ドルに上り、2600万人が免除を申請している。
これに対し、保守色が強いアーカンソー州、アイオワ州、カンザス州、ミズーリ州、ネブラスカ州、サウスカロライナ州の6州が提訴していた。共和党内からは、大学教育を受ける一部の人のみを優遇するもので行政権の逸脱だなどの批判が噴出した。
これを受けてバイデン氏は「今日の判決で一つの道が閉ざされた。これから別の道を歩む」と最高裁の判断を非難。学費ローンの返済減免に向けた一連の新たな措置を発表するとともに、免除に反対する共和党を批判した。
バイデン政権は高等教育法に基づく権限を使って学費ローンの免除を行っていく方針。
#米最高裁(学費ローン返済一部免除・無効)
アメリカのバイデン大統領は高騰を続ける大学などの学費のローンの返済をめぐって、負担を軽減するためとして1人あたり最大で2万ドル、日本円にしておよそ290万円の返済を免除するとしていました。
これについて6つの州が政府の権限を逸脱しているなどとして提訴していましたが、30日、連邦最高裁判所は返済を免除する権限は政府になく政策は無効だとする判断を示しました。
バイデン大統領は「裁判所の決定は間違いだ。低所得の人々などローンを抱えている人たちを支援するための戦いをやめることはない」と述べて裁判所の判断を批判しました。
一方、原告となっていた州の1つ、中西部ネブラスカ州の司法長官はツイッターに「大統領は王様ではない。学生ローンの負担をどうするかの問題はこれで、本来議論されるべき場所である議会に委ねられる」と投稿し判断を歓迎しました。
この政策はバイデン大統領が去年行われた中間選挙を前に打ちだした重要政策で、最大で4300万人が対象になりうるものだっただけに、今回の判断は再選を目指すバイデン大統領への打撃となる可能性もあります。
#米最高裁(学費ローン返済一部免除・無効)
アングル:米学費ローン減免無効判断、米経済に逆風 景気減速を前倒しか https://t.co/KYVK1YTvJ1
— ロイター (@ReutersJapan) July 1, 2023
米最高裁が30日、バイデン政権が掲げていた大学学費ローンの返済一部免除策は無効との判断を示したことを受け、年後半とみられていた景気減速が前倒しされる可能性が出てきた。5000億ドル近いローンの返済負担が再び家計に重くのしかかるためだ。
米家計が抱える教育ローンの総額は総額1兆6000億ドル。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)期間中はローン返済が一時猶予されていたため、約3年ぶりにローン返済が再開されることとなる。
先にニューヨーク連銀が行った調査によると、バイデン政権の返済免除策は約4400億ドルのローンが対象となっており、学生ローン利用者の40%が負債を免除されるはずだった。エコノミストらは、学生ローンの返済再開は個人消費に大きな影響を与えると予想している。ただ、それがどの程度深刻なものになるかについては見解が分かれている。
ジェフリーズの米国エコノミスト、トーマス・サイモンズ氏は、返済が再開されればすぐにでも、個人消費にかなり大きな影響が出ると予想。「これが景気を後退させる転換点になるとみている」と警告した。
一方、モルガン・スタンレーのエコノミストは、年末数カ月の経済成長に、小幅ながら目に見える形で影響を与えると予測している。ジェフリーズとは異なり、米国の景気後退はないとみているが、個人消費が打撃を受け、国内総生産(GDP)成長率を6─9ベーシスポイント(bp)を押し下げる可能性が高いとの見方だ。
モルガン・スタンレーは、毎月支払う金利額は一般的に200─300ドルであり、これは対象となる人の可処分所得が返済猶予が維持されていた場合と比較して毎年0.3─0.5%減少する可能性が高いことを意味すると指摘した。
#米最高裁(学費ローン返済一部免除・無効)
米国立公文書館、JFK暗殺の関連文書の検証完了 99%を一般公開 https://t.co/mkCFzEm4Bw
— cnn_co_jp (@cnn_co_jp) July 1, 2023
米国立公文書館は1963年に起きたケネディ大統領暗殺に関連する機密文書の検証を完了した。当該の記録の99%を既に一般公開したという。ホワイトハウスが30日に明らかにした。
ジャンピエール大統領報道官が30日に述べたところによると、今回の措置はバイデン大統領の指示を受けてのもの。考え得る最も強力な理由がある場合は別として、ケネディ暗殺に関するあらゆる情報は公開されるべきというのが指示の内容だったという。
バイデン氏も同日公開した覚書の中で、国立公文書館が5月に検証を完了したことを認定。機密解除を認められた残りの文書が既に一般公開されたと確認した。かねて6月末としていた公開開始の期日に合わせた形だ。
バイデン氏は昨年12月までに暗殺関連の文書1万4000点以上を新たに公開。同月の時点で国立公文書館及び関連の機関に対し、半年かけて残りの文書の検証を行うよう指示していた。それ以降、2600点を超える文書が公開されている。
ケネディ大統領の暗殺を巡っては世論や研究者らから複数の疑問点が噴出し、数多くの陰謀論が語られた。これに対し政府も秘密主義的な立場をとってきた。
バイデン氏は30日、残りの機密文書や編集済みの箇所がある文書についても一定の条件の下で継続的に公開するよう指示した。国立公文書館の職員らが明らかにした。
現時点で公開済みの文書は、閲覧やダウンロードが可能な状態となっている。
#米国立公文書館(JFK暗殺事件関連文書・検証完了・99%一般公開)
#トゥルシー・ギャバード(JFK「核保有国は二者択一を迫る対立を避けねばならない」)
米のユネスコ復帰を承認、加盟国の臨時総会=米国務長官 https://t.co/UQ0TUQMiRF
— ロイター (@ReutersJapan) June 30, 2023
ブリンケン米国務長官は30日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の加盟国が開催した臨時総会で米国の復帰を承認したとし、「再加盟に向け次の正式な手順を踏む」と明らかにした。
米国は2018年、トランプ前政権時代にユネスコを脱退。米国務省は今月8日付の書簡で、7月に再加盟する考えを伝え、滞納金6億1900万ドルを数年かけ分割返済する意向を示していた。
#米大統領選